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2024年07月31日

1146 至福の時間





人生、いくつになっても苦楽は付き物だ。
おじさんも東京に二人の孫がいるが、二人とも、小児喘息持ちだ。
娘からのメールで、今病院で点滴をして来たとの事。
孫のゼーゼー苦しむ顔、普通の人並の子になって欲しい、と夕日に願をかけていたところだ。
若い時の辛さや苦しさは、いくらでも取り返す事が出来る。
歳をとると時間と体力に焦りを感じ、本当に肝が痛む。
胆汁を搾り切られる思いがする。
確かに今は辛いかも知れない。
しかし取り戻せるのだから・・
その辛さを肥やしとして、強い女性に変身したほうが良い、と言うと、二人は目を合わせてうなずいた。
最初の娘は、横浜出身で、続いた子が名古屋出身だという。
二人とも年齢は20代後半、ぎりぎり30前かなという感じだ。
話をしていて感じた事は、二人とも、私に限って、という自信があった。
そして、まだまだ遊びたいという気持ちが働いたようだ。
もし男が、それを察知したら、遊び心は、女より、はるかに上だから、遊び相手を探して次へと、展開していくのは当然だ。
他人ごとではない。自分の人生なんだから、何でもっと真剣に、積極的に、先へ進めなかったのだろうか。
若い時に少しでも遊びたい、という気持ちは理解出来るが、結果として、それは後々つけがまわって来る事になる。
私の知人にも晩婚で、30代後半で子供が出来た人を何人も知っている。
定年時、子供がまだ大学生、定年で時間が出来、楽しい老後をと思いきや、それどころではない。
やむなく働きに出るが給与はがっくり、今まで自分が顎で使っていた、子供みたいな若造に今度はしごかれ、心身共に疲れ果てる。
帰りに、飲み屋で気を紛らせる、ストレスで体調まで崩してしまう。
そのような人を何人も見てきた。
結果的に、結婚が若ければ若い程、早ければ早いほど、定年後は、時間がたっぷりあるので、そこで夫婦で、旅行したり、場合によっては共通の趣味を育てたりと、本当の至福の時間が出来る。
若い時に苦労すれば、年をとってから楽出来る。
若い時に、楽をして遊んでいると、今度は老後に、苦労が待ち構えている。
だけど、まだまだ大丈夫だ。めそめそしないで、新しい恋人を本気で、積極的に探したほうがいい・・
南の小さな島は誰も、周りにいない。心を打ち明けたとしても、他人に聞かれるはずがない。
二人とも、心の内をさらけ出し、明るくなった。
しかし、本当に、胸がつぶれる思いで心配をし、夜も寝ないで、心を痛めているのは、親御さんだろう。
分からないはず、と思っても感じるのが親だ。
今ごろ自殺でもしているのではないかと、心配で心配で寝られない日だろう。
元気な声を親に聞かせてあげるんだぞ、と言うと、二人とも、にっこりうなずいた。
ところで、夕べ民宿で遅くまで酒を飲んでいたが、年齢30歳前後と思われる、好青年が連泊。
恋人募集中だと言ってたから、今日にでも可能性はあるぞ。
帰って夕食がすんだら、民宿の庭で、今夜も大勢で酒を飲むだろうから、さっそくアタックしてみろ。
二人はもう元気そのもの。
がんばるぞ! がんばるぞ! と、シュプレヒコールだ。
いつの間にか夕日は、若い二人の失恋という2文字、漆黒の海の底へいざなっていった。
夕日よ、今夜もありがとう・・・・
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