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2024年07月15日

 1032 倒産





東通は、TBSから社長が送り込まれ、経営陣もTBS色が強かった。
第一事業所がTBS内に置かれ、第二事業所が、フジテレビ内に置かれた。
頭が良く入社試験の成績の良い人がTBS内第一事業所に配属されたと言れたが、たぶん事実であろう。
TBSはドラマ制作に力を入れ、ドラマのTBSというイメージで、フジテレビは、ピンポンパンなど子供番組がヒット、母と子のフジテレビというイメージで、両局とも快調に業績を伸ばしていった。
昭和40年、白黒からカラー放送へ転換していく中、NHKは視聴料はなし完全国家予算で運営されており、開局の早かった4チャンネルの日本テレビは巨人戦と力道山のプロレス超二大スポーツ番組の放送権利を保持。
横綱級で次に開局したTBSはドラマに挑戦で大関級。次に開局した8チャンネルのフジテレビはやっと幕の内かな?
親会社毎日新聞のTBSと産経新聞のフジテレビは手を結びカメラマンや音響証明VTRスタッフを有する東通を設立、将来はカメラ機材やVTRスタジオなど共有し巨大メディヤ企業化、日本テレビやNHKの番組まで作る想定だ。
しかしお互いがライバル局として見るようになり、第二事業所は、後に100%フジテレビ子会社化していくのである。
バブル時、東通の経営陣が、巨額の資金をゴルフ場開発に注ぎ込み、バブル崩壊と同時にあっけなく倒産した。
新聞紙上を賑わせ、昨日まで社長と崇めた社長を、今度は社員が放送カメラを持って犯人扱いで追い回すという、考えられない事が起きたのだ。
第一事業所配属、同期の連中は、設立当時から心血を注ぎ、大きくした会社が訳の分からない倒産をし、どれ程つらい思いをしたのか、胸が痛む思いである。
勿論、会社更生法が適用されているとの事だ。
ひかるは、ここでも頭がよくなくて、第二事業所へ回され、幸運だったと胸をなでおろした。
カラー放送も軌道に乗り、毎年新入社員が大量に採用され、社内は活況を呈していく。
しかしひかるは、冷暖房完備、皆んなが好むスタジオの仕事より、外の中継の仕事を自ら好み、王、長嶋選手の活躍していた当時の野球中継、ファイティング原田のボクシング中継、コント55号の萩本欽一とは、関東近辺の公開場をドサ回りをしていた。
たっぷり汗をかき、焼き鳥屋で仲間と酒を飲むのが一番の楽しみだ。
年々増える社員に、同期の仲間達は、主任、課長、部長へと次々に出世していくが、ひかるには全く蚊帳の外だった。
窓際族というよりは、むしろ窓外族だ。
課会や部会、全体会議があっても外回りのため全く出席しない、出社しても機材室へ直行、機材をまとめそのまま中継で、帰って来るのが夜遅いから、管理職や上司と顔を合わせる場がないのだ。
しかし、上司の批判を焼き鳥屋で聞きながら、自分ならあのような管理職にはなりたくない、管理職はこうあるべし、という脳内トレーニングはしっかりと出来ていたのだ。
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