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フィレンツェにて 〜 夕食の友Tiiaとの出会い 〜 by リサイクルプロショップ (05/01)
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2017年04月28日

フィレンツェにて 〜 地図がない(;´Д`) しかし、救世主あらわる?! 〜

ローマに降り立って、ヨーロッパ放浪の一人旅が始まって5日目、イタリアで2つ目の町フィレンツェで、私は困っていた。

 なんにかと言うと・・・「日本語の地図&ガイドブックを持っていない」ということだった。(おいおい!( ゚д゚))

 ローマで日本語の地図をゲットできたので、フィレンツェでも・・・と期待していたのだが、現実はそう甘くはなかった。

観光して何かの建物を見ても、いったいそれがなんていう名前で、どんな歴史的背景があるのかとかがさっぱり分からない。
(ローマでは、たまたま「日本文化会館」とやらに行く用事があったため、そこで日本語のガイドブックを読むことができた)

 それだけならまだいいけれど、イタリア、そしてヨーロッパ全体の地図がない、ということは自分で思っていたよりもかなり不安なものだった。

 ガイドブックも持たずにヨーロッパ放浪?!

Σ(゚Д゚)

 ・・・そう、「地球の歩き方 ヨーロッパ」の、ちょっと古いが2002年版を、出発するその時まで、私は荷物の中に入れていた。

 ・・・が、まさに出発まぎわ・・・あまりの荷物の重さに・・・

「何かを減らさなければʕ•̀ω•́ʔ✧」

と思い、時間がなくて焦っていた私は何を血迷ったか・・・
よりにもよってそのガイドブックを選んで置いてきてしまったのだった。
(何しろ持っていた本の中で一番大きくて重かった^^”)
 
 そんなワケで、「また図書館でもさがそうかな〜・・・ああ地図、地図がほしい」と、心でつぶやきなから、泊まっていたユースのフロントに降りていった。

 すると、日本人らしき中年の女性とフロントの人が、険しい表情で向き合っている。
 言っていることが通じているのかどうか・・・そんな感じだったので、私はついつい「大きなお世話」根性で、仲裁をかって出てしまった。
しかし、その必要はあまりなく、事はほどなくおさまった。

 それがイタリアに来て初めての日本人の女性との出会いだった。
 ちょうどお昼時だったため、私たちは外に出てランチでも・・・ということになり、ユースから少し歩いた通りにあるレストランに入った。
一人だとなかなか入れない雰囲気のあるレストラン・・・旅に出て初めてのれっきとしたランチだった。

DSCN2646.JPG

 何日ぶりかに日本人と出会った私たちは、しみじみと母国語の安心感を感じながら、お互いのことを語り合った。

 その人は、沖縄で建築業を営んでいるとのこと・・・なるほど暑い地方の人らしく日焼けした顔に、澄んだ瞳が印象的だった。年のころは、おそらく両親くらいだろうという感じ・・・。
 ローマではひどい目に遭ったが、フィレンツェのあのユースの対応はよかったとのこと・・・昨夜遅くに着いたのに、丁寧に応対してくれたらしい。
もっとも、朝になって当番が変わって、何らかの手違いがあったらしく、さっきのトラブルらしき応対は、それが原因だったようだ。

「ローマは、私にとっては初めての街で好きな所なんですが・・・何があったんですか?」と尋ねると、

「スリにあってね、ウエストポーチに入っていた財布なんかみんな取られちゃったんですよ。まったくこんな年寄りから・・・」

 よくよく話を聞くと、地図を広げて見ていると、親切に道を教えてくれるふりをして、その下から腰に下げていたポーチをやられたらしい。

「ユーレイルパスも取られちゃってね・・・まいりましたよ、パスポートと帰りの航空チケットは胸ポケットに入れてたから無事でしたけど・・・」

どうやら彼女は、ユーレイルパス(ヨーロッパ鉄道のフリーパス)でヨーロッパをあちこち旅をしていて、明日の飛行機で日本へ帰るらしかった。

「へ〜、ヨーロッパのどの辺りを旅されたんですか?」と聞くと・・・

彼女はおもむろに胸ポケットから地図を取り出した・・・

・・・ヨーロッパの地図!!•̀.̫•́✧・・・

私は思わず身を乗り出して、まじまじとその地図に見入ってしまった。
ついさっきまで「地図〜」と心でつぶやいていたのが神様に通じたのか・・・

私があまりにも嬉しそうなもんで、彼女は不思議そうな顔をした。
そこで事情を説明すると、「そんなことなら、どうぞ使ってください。私にはもう必要なくなりますから」とにっこり笑ってくれた\(^o^)/

さて、頼んだ料理がやってきた。私は、久々のシーフードパスタを注文し・・・うん!なかなかの味!(残念ながら、おなかがすいていたため写真は無い)
食べ終わるとさすがにお昼時、けっこう混んでいるお店だったので、場所を移すことにした。

 ユースに戻り、テラスでお茶を飲みつつ、お互いの旅の話に花がさく。
DSCN2619.JPG

私も、なぜこの旅をしているのか、今の学校教育、日本の社会について感じること、将来的な夢などを、熱く語った。

時はあっという間に流れ、

「あなたみたいな若い人に出会えるなんて、この旅も悪いことばかりじゃなかった・・・」

・・・としみじみと言ってくださり、彼女の旅の真の目的を語ってくれた。

 そして、その前に彼女は自分の荷物から、あるものを持ってきてくれた。
「実は、私の旅の目的はこれなんです」

そこには「いのちと平和」としるされ、母と子の絵が描かれたしおりがあった。

彼女は、平和の大切さを伝えるために、このしおりを旅先でプレゼントして歩いていたのだった。

 沖縄の歴史については、私もよく知っているつもりだった。でも彼女の言っているのは、過去のことではなくて、現在も続く沖縄の現実だった。

 建築業を営む彼女は、「この経済効率一辺倒の日本社会で、本当にいい家を作ろうとしたら、どれだけの圧力を受けることか・・・」

 そう、頑丈で壊れない家を作ってしまえば、次の注文は何十年先になるか分からない。
それでは建築業は成り立たない。だから頑丈ではないと分かっていながらもそんな家を作る。それが、常識らしかった。

 そういった話ではストッキングでも同じようなことを聞いたことがあった。

日本社会の氷山の一角に過ぎない。

 その常識を破ろうとするものには容赦ない仕打ちが待っている。
「どれだけいやがらせを受けたことか・・・」と彼女は言った。

「私には、裏の社会のことがよく見えるんですよ」と、ローマについても私には見えていなかった影の部分を語ってくれた。

 どんな社会にも「光と影」がある・・・そう実感した瞬間だった。

語りに語って出発前に、彼女はもう一つプレゼントをくれた。

なんと、最新版のガイドブックだったq(^0^)p

「帰国してから送ってくれればいいですから・・・」とのこと。

なんてありがたい(ToT)

本当に、救世主は現れるもんです・・・
この本がその後どれだけ活躍してくれたか、言うまでもありません。

img_0 (3).jpg

(つづく)

実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜

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