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2018年03月08日

考えることが苦手な日本人

 日本人は、考えることが苦手だと言われています。
 どうして苦手なのでしょうか?
 それは、戦後の教育にあります。
 暗記教育が中心でした。
 国語でさえ、自分の意見を答えるのではなく、正しい答えがあってそれを答えるだけです。
 最近の入試では、作文や記述問題も増えてきましたが、自分で考えて答えるということが少ないです。
 他国に比べ、日本のテスト問題は、ずいぶんと違うそうです。
 
 私は、数学の教師でしたが、暗記させずに、自分で考える授業をしてきました。
 最初は、子どもたちにも抵抗があります。
 数学は、積み上げていく教科です。
 暗記だけに頼っていると、次にでてきたときには忘れているのです。
 確かに、定期考査のときには覚えているのでできます。
 しかし、次に使うのは1年後だったりするのです。
 
 高校生の授業では、1つの問題を解くのに、小学校で学んだことから高校で学ぶことまで使うこともあります。
 小学校の低学年でつまずいてそのままの子も多いです。
 最初は、復習で小学校からの計算練習の時間を作って取り組みました。
 しかし、成果があまりありませんでした。
 そこで、問題の中で分数の計算があれば、分数の計算の仕方、因数分解の解き方、でてきたときに教えていくと、問題を解くのに必要なので、子どもたちの意識も変わり、解けるようになっていきました。
 質問しながら、なぜそうなるのか、自分で考えて解くようになると、それまでできなかった計算ができるようになります。
 自分で考えて解いていくので、次にでてきたときもと解けるのです。
 数学でさえ、暗記で教える先生がほとんどです。

 自分で考えるようになると、高校生でも、3年間もちあがって教えた子たちは、3年生になると教えることも少なく、自分で考えられるので教えていても楽です。
 でも、2年生や3年生になってはじめて教えた子たちは、積み上げがないので、暗記するしかないのです。
 点数がとれるように同じ問題を出す先生が多いです。
 驚いたことに、解答を丸暗記させるのです。
 だから、次に同じような問題がでても、さっぱりわかりません。
 教師としては、暗記させた方が楽なのかもしれませんが、意味がありません。
 覚えられなかった子、やまがはずれた子は、点数がとれません。
 自分で考えるようになれば、今まで1けたの点数だった子が、満点をとることもありましたし、80点以上とることもよくありました。

 私は、中学校、高校で、たまたま自分で考えて解けるように教えてくださる先生だったので、数学がわかるようになりました。
 でも、すべての先生がそうだったわけではないので、暗記させる先生に習った科目はぜんぜんわかりませんでした。
 教えるようになって、その違いがわかるようになりました。
 
 これは、教科の学習だけでなく、生活面でも、部活動でもいえることです。

 支援員をしていた頃は、不登校の子、ネグレクトなどいろんな子たちと関わりました。
 発達障がいの子も多かったです。
 できない子としてみているけれども、そうではありませんでした。
 考えるということを教えていないだけでした。
 自分で考えるようになれば、何の問題もありませんでした。
 ぜんぶ大人が先にぜんぶ言ってしまう過保護タイプと何も教えてくれない放置タイプのどちらかでした。
 失敗をおそれず、自分で考えて行動するようになれば、問題はなくなりました。

 部活動でも、生徒につきっきりで、やることをすべて指示しながら指導する先生がいます。
 メインでやってくださる先生がそのタイプの部活の顧問をしたことがあります。
 どこのチームより、長時間の練習で、休みもない部活でした。
 休みは、お正月の2日間ぐらいでした。
 どのチームより厳しい練習なのに、試合に勝てませんでした。
 
 たまに試合の引率に行くことがありました。
 いつも休みがほしいと言っているので、試合が終われば解散にして、たまの休みをとればいいかなと思っていると、生徒の反応が違い驚きました。
 わからないというのもあるし、いつも通り自分たちで考えて動いてもらってました。
 すると、いつもは1回戦負けだったりするのですが、どういうわけか2回戦以降も勝ちすすみ、本戦に残ることが多いのです。
 子どもたちの様子を見ていると、のびのびとしているのはあるのですが、ぜったい勝つぞという気持ちになっています。
 試合後、「練習したいから、先生、学校に戻っていいですか?」とか、試合終了後は、希望する学校はコートを使って練習していいと言われると、「先生、私たちも練習したいから、コートをとってください」と言われたりします。
 
 強い部活と言うのは、自分たちで考えて動けるということも大事なんだと思います。

 
 戦後の日本の教育は、暗記教育、強制教育だったと思います。
 でも、大事なことは、自ら考えること、そして行動できるということだと思います。

 そんなことを、子どもたちと接する中で、改めて感じます。
 














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