2017年09月28日
500人広間にてファッションショー【フィレンツェのファッション展示会 ピッティ PITTI】
フィレンツェでは毎年1月と6月にピッティ(PITTI)という
ファッションの展示会がおこなわれ、日本、アメリカをはじめとし、
ヨーロッパ各地、ここ何年か前からはロシアや中国などの世界中からの
数多くのファッション関係者がフィレンツェに集まります。
フィレンツェは世界に名だたる観光地ですが、工業も盛んなため
この展示会はフィレンツェ市にとって最も重要な時期であり、
ピッティのある数日間は街全体でファッション関係のイヴェントが行われ
街の雰囲気は非常に活気づきます。
実は、2013年という数年前の話になりますがフィレンツェの市役所であり
観光名所の一つであるヴェッキオ宮殿の中の
サローネ・デイ・チンクエチェント
(il Salone dei Cinquecento 5百人広間)
にて エルマンノ・シェルビーノ (Ermanno Scervino) という
デザイナーのファッションショーが行われたこともあるのです。
ヴェッキオ宮殿の五百人の広間にて
エルマンノ・シェルヴィーノのファッションショー
PITTI IL SALONE DEI CINQUECENTO
私はどちらかというとこういうモード系の話は実は疎いほうですが、
当時このニュースがTVで放送された時に
"あの500人の広間でファッションショーが行われた"
というのは非常に凄いことで超が付くほど豪華だし
写真を見た限りでもかなり魅惑的な演出ありのファッションショー
だったのではないかと思いました。
500人広間といいますと、2013年に発表された
ダン・ブラウンの小説「インフェルノ」(Inferno)に登場し、
その小説も2016年にトム・ハンクス主演、ロン・ハワード監督により
映画化されたので今ではその知名度もかなりグッと上がって、
既にご存知の方が沢山いらっしゃるとは思いますが
ここには「 CERCA TROVA 」
(チェルカ・トロ―ヴァ 探せ、さすれば見つかるだろう )という
小さなメッセージが隠されたヴァザーリの巨大な壁画があり
更にその下というか、裏に
あのミケランジェロの「カッシーナの戦い」(Battaglia di Cascina)と、
そしてダ・ヴィンチの「アンギアーリの戦い」(Battaglia di Anghiari)という
偉大な芸術家2人の未完の壁画が隠れているという話があります。
500人の広間や隠された絵についてはこちらのサイトで分かりやすく説明されています。
--------------(上サイトより一部転載させて頂きます)--------------
2階には500人を収容する「五百人広間」(Salone dei Cinquecento)と呼ばれる市民大評議会の会議場があります。コジモ1世はヴァザーリ(1511‐1574)に依頼して、1555年から1572年にかけてこの部屋を謁見の間に改修させました。フィレンツェのピサとシエーナに対する勝利とコジモ1世の礼賛ために天井も周囲の壁面もすべてヴァザーリと彼の弟子たちによる絵画で埋めつくされました。
実は、1503年から1505年頃、フィレンツェ共和国は、当時のルネッサンスの巨匠であったレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452‐1519)とミケランジェロ(1475‐1564)に「五百人広間」の壁画を依頼し競作させたのでした。しかしいずれも未完のまま終わってしまいましたが。1512年、ミケランジェロの未完の「カッシーナの戦い」(Battaglia di Cascina)は、彼の才能を妬んだバルトロメオ・バンディネッリによって切り刻まれてしまいました。一方、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アンギアーリの戦い」(Battaglia di Anghiari)の壁画についてはその後数十年は多くの画家たちによって模写されており、中でもパリのルーブル美術館所蔵のルーベンスによる模写(1603年)は有名です。しかしルーベンスが模写したのは原画からでなく1558年のロレンツォ・ツァッキア(Lorenzo Zacchia)による版画をもとにして描いたようです。
1975年、イタリアの美術史家マウリツィオ・セラチーニ(Maurizio Seracini)教授は、「アンギアーリの戦い」がヴァザーリによって「五百人広間」に描かれたフレスコ画「マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い」(Battaglia di Marciano della Chiana)の壁画の中にその謎を解くメッセージがあると主張しました。壁画の中央の奥に小さく描かれている緑色の軍旗に描かれている「CERCA TROVA」(探しなさい、さすれば見つかるであろう!)の文字に注目し、その後の調査の結果、壁画の裏の壁に奥行き2.5cm程の空洞があることが明らかになっており、そのすき間に隠されているのではないかと考えられています。今年の8月、新聞ラ・レプッブリカ(La Repubblica)の報道では、2012年末までにこの幻の大作「アンギアーリの戦い」の調査結果が明らかになると報じています。36年間のセラチーニ教授の夢は実現するのでしょうか!
---------------------------(転載終わり)---------------------------
ヴェッキオ宮殿の中の500人広間
ヴァザーリの「CERCA, TROVA 探せ、さすれば見つかるだろう」
というメッセージには私自身、非常に興味があり、
いつか巨匠二人の未完の壁画にお目にかかれるかもしれない日が
来るのを楽しみにしています。
さらに凄いエピソードのもう一つとしてですが、
500人の広間には隠れた2つの壁画の他にも広間のあちこちに
沢山の立派な彫刻がおかれてあり、その中に
ミケランジェロの彫刻「Il Genio della Vittoria 」
(イル・ジェニオ・デッラ・ヴィット―リア 勝利の天才)もあります。
Il Genio della Vittoria di Michelangelo
この彫刻はアカデミア美術館にあるダヴィデ像ほど有名ではないですが、
巨匠であるミケランジェロの彫刻が普通に置かれていて、
それすらも話題の隅っこになってしまう程、
5百人の広間には複数の豪華なエピソードが残る凄い場所だな
とつくづく思います。
まあ、そんなこんなで普段はただの観光でなりたってる
一地方都市というイメージの強いフィレンツェですが
ワールドワイドな感覚で考えると
こういう場所でファッションショーが出来るフィレンツェという街は
通常ではありえない異色の存在を誇れる街でもあります。
もし機会がありましたら、
みなさんも是非フィレンツェに訪れてみてください。
それではまた!
フィレンツェの天翔船より
ファッションの展示会がおこなわれ、日本、アメリカをはじめとし、
ヨーロッパ各地、ここ何年か前からはロシアや中国などの世界中からの
数多くのファッション関係者がフィレンツェに集まります。
フィレンツェは世界に名だたる観光地ですが、工業も盛んなため
この展示会はフィレンツェ市にとって最も重要な時期であり、
ピッティのある数日間は街全体でファッション関係のイヴェントが行われ
街の雰囲気は非常に活気づきます。
実は、2013年という数年前の話になりますがフィレンツェの市役所であり
観光名所の一つであるヴェッキオ宮殿の中の
サローネ・デイ・チンクエチェント
(il Salone dei Cinquecento 5百人広間)
にて エルマンノ・シェルビーノ (Ermanno Scervino) という
デザイナーのファッションショーが行われたこともあるのです。
ヴェッキオ宮殿の五百人の広間にて
エルマンノ・シェルヴィーノのファッションショー
PITTI IL SALONE DEI CINQUECENTO
私はどちらかというとこういうモード系の話は実は疎いほうですが、
当時このニュースがTVで放送された時に
"あの500人の広間でファッションショーが行われた"
というのは非常に凄いことで超が付くほど豪華だし
写真を見た限りでもかなり魅惑的な演出ありのファッションショー
だったのではないかと思いました。
500人広間といいますと、2013年に発表された
ダン・ブラウンの小説「インフェルノ」(Inferno)に登場し、
その小説も2016年にトム・ハンクス主演、ロン・ハワード監督により
映画化されたので今ではその知名度もかなりグッと上がって、
既にご存知の方が沢山いらっしゃるとは思いますが
ここには「 CERCA TROVA 」
(チェルカ・トロ―ヴァ 探せ、さすれば見つかるだろう )という
小さなメッセージが隠されたヴァザーリの巨大な壁画があり
更にその下というか、裏に
あのミケランジェロの「カッシーナの戦い」(Battaglia di Cascina)と、
そしてダ・ヴィンチの「アンギアーリの戦い」(Battaglia di Anghiari)という
偉大な芸術家2人の未完の壁画が隠れているという話があります。
500人の広間や隠された絵についてはこちらのサイトで分かりやすく説明されています。
--------------(上サイトより一部転載させて頂きます)--------------
2階には500人を収容する「五百人広間」(Salone dei Cinquecento)と呼ばれる市民大評議会の会議場があります。コジモ1世はヴァザーリ(1511‐1574)に依頼して、1555年から1572年にかけてこの部屋を謁見の間に改修させました。フィレンツェのピサとシエーナに対する勝利とコジモ1世の礼賛ために天井も周囲の壁面もすべてヴァザーリと彼の弟子たちによる絵画で埋めつくされました。
実は、1503年から1505年頃、フィレンツェ共和国は、当時のルネッサンスの巨匠であったレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452‐1519)とミケランジェロ(1475‐1564)に「五百人広間」の壁画を依頼し競作させたのでした。しかしいずれも未完のまま終わってしまいましたが。1512年、ミケランジェロの未完の「カッシーナの戦い」(Battaglia di Cascina)は、彼の才能を妬んだバルトロメオ・バンディネッリによって切り刻まれてしまいました。一方、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アンギアーリの戦い」(Battaglia di Anghiari)の壁画についてはその後数十年は多くの画家たちによって模写されており、中でもパリのルーブル美術館所蔵のルーベンスによる模写(1603年)は有名です。しかしルーベンスが模写したのは原画からでなく1558年のロレンツォ・ツァッキア(Lorenzo Zacchia)による版画をもとにして描いたようです。
1975年、イタリアの美術史家マウリツィオ・セラチーニ(Maurizio Seracini)教授は、「アンギアーリの戦い」がヴァザーリによって「五百人広間」に描かれたフレスコ画「マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い」(Battaglia di Marciano della Chiana)の壁画の中にその謎を解くメッセージがあると主張しました。壁画の中央の奥に小さく描かれている緑色の軍旗に描かれている「CERCA TROVA」(探しなさい、さすれば見つかるであろう!)の文字に注目し、その後の調査の結果、壁画の裏の壁に奥行き2.5cm程の空洞があることが明らかになっており、そのすき間に隠されているのではないかと考えられています。今年の8月、新聞ラ・レプッブリカ(La Repubblica)の報道では、2012年末までにこの幻の大作「アンギアーリの戦い」の調査結果が明らかになると報じています。36年間のセラチーニ教授の夢は実現するのでしょうか!
---------------------------(転載終わり)---------------------------
ヴェッキオ宮殿の中の500人広間
ヴァザーリの「CERCA, TROVA 探せ、さすれば見つかるだろう」
というメッセージには私自身、非常に興味があり、
いつか巨匠二人の未完の壁画にお目にかかれるかもしれない日が
来るのを楽しみにしています。
さらに凄いエピソードのもう一つとしてですが、
500人の広間には隠れた2つの壁画の他にも広間のあちこちに
沢山の立派な彫刻がおかれてあり、その中に
ミケランジェロの彫刻「Il Genio della Vittoria 」
(イル・ジェニオ・デッラ・ヴィット―リア 勝利の天才)もあります。
Il Genio della Vittoria di Michelangelo
この彫刻はアカデミア美術館にあるダヴィデ像ほど有名ではないですが、
巨匠であるミケランジェロの彫刻が普通に置かれていて、
それすらも話題の隅っこになってしまう程、
5百人の広間には複数の豪華なエピソードが残る凄い場所だな
とつくづく思います。
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まあ、そんなこんなで普段はただの観光でなりたってる
一地方都市というイメージの強いフィレンツェですが
ワールドワイドな感覚で考えると
こういう場所でファッションショーが出来るフィレンツェという街は
通常ではありえない異色の存在を誇れる街でもあります。
もし機会がありましたら、
みなさんも是非フィレンツェに訪れてみてください。
それではまた!
フィレンツェの天翔船より
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