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2024年09月17日

三浦綾子の「道ありき」で寄与危険を考える1

1 寄与危険とは 

 寄与危険は、危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患(要因B)リスクと非曝露(要因Aなし)群の罹患(要因B)リスクとの差で示される(表1)。リスク差ともいう。すなわち、「危険因子の曝露(要因Aあり)によって罹患リスクがどれだけ増えたか」「危険因子に曝露されなければ(要因Aなし)罹患リスクがどれだけ減少するか(危険因子が集団に与える影響の大きさ)」を示す。公衆衛生対策で重要な指標であり、もしその要因が除去されたらどれだけ疾病を予防できるかを意味している。

表1
要因Aあり 要因Bありa 要因Bなしb 縦計a+b
要因Aなし 要因Bありc 要因Bなしd 縦計c+d
要因Bあり 要因Aありa 要因Aなしc 横計a+c
要因Bなし 要因Aありb 要因Aなしd 横計b+d

寄与危険=危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患リスク−危険因子非曝露(要因Aなし)群の罹患リスク
=a/a+b − c/c+d

寄与危険割合 
 寄与危険割合は、寄与危険が曝露(要因Aあり)群の罹患リスクに占める割合を示す。すなわち、「危険因子曝露(要因Aあり)群のなかで発症(罹患)したもののうち、真に曝露が影響して罹患(発症)した者は何%であるか」を示す。

寄与危険割合=危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患リスク−危険因子非曝露(要因Aなし)群の罹患リスク/危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患リスク
  =((a/a+b)−(c/c+d))/ a/a+b x 100

花村嘉英(2021)「三浦綾子の『道ありき』で寄与危険を考える」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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