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2024年09月15日

リスク社会論からトップダウンで作家の執筆脳を考える−中島敦の「山月記」を交えて9

6 まとめ

 作家の執筆脳の研究をマクロに調節するために、ボトムアップ型の作家個人を比較するだけでなく、社会学、特にリスク社会論に覆われた危機管理者としての集団からなるトップダウン型のボーダーラインについて考察した。東西南北の比較、人文と社会の共生、購読脳と執筆脳からなるLの分析といった研究項目を用いて、シナジーのメタファーの研究の全体像の中で中島敦の執筆脳がどこに位置しているのかわかるであろう。今後も、作家個人の研究と危機管理者としての集団でいう脳の活動を研究のテーマにして日々努力を続けていく。

参考文献

ジグムント・バウマン、ティム・メイ 社会学の考え方 ちくま文庫 2016
橋爪大三郎、大澤真幸他 社会学講義 ちくま新書 2016
ウルリッヒ・ベック 世界リスク社会論 島村賢一訳 平凡社 2003年
ウルリッヒ・ベック 世界リスク社会 山本啓訳 法制大学出版局 2014年
日本成人病予防協会監修 健康管理士一般指導員受験対策講座3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 『計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?』新風舎 2005 
花村嘉英 『从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む』華東理工大学出版社2015
花村嘉英 『日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで』 南京東南大学出版社 2017 
花村嘉英「シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖」『中国日語教学研究会上海分会論文集(2017)』華東理工大学出版社 241-249 
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析作品−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018 
中島敦 山月記 青空文庫 1998 
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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