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2024年03月27日

「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に12

表4 前頭葉の性差
1 比較項目 適応的意思決定 大脳皮質男性 状況依存型を好む。 女性 状況独立型を好む。
2 比較項目 状況依存型の意思決定 大脳皮質男性 左前頭前野皮質が活動する。女性 左右両側の後部皮質(頭頂葉)が特に活動する。
3 比較項目 状況独立型の意思決定 大脳皮質男性 右前頭前野皮質が活動する。女性 左右両側の前頭前野皮質が特に活動する。
4 比較項目 大脳皮質の機能的なパターン 大脳皮質男性 左右の脳の違いが著しい。女性 前部と後部の脳の違いが著しい。
5 比較項目 言語情報の処理 大脳皮質男性 左半球の前部と後部がともに活動する。 女性 左右の大脳半球の前頭葉がともに活動する。
6 比較項目 前頭葉機能障害 大脳皮質男性 かかりやすい。 女性 かかりにくい。
7 比較項目 脳内の結合部 片側の大脳皮質男性 大脳半球の前後を繋いでいる白質繊維束が大きく、片側の大脳半球の前後の機能的統合が顕著で、分化が小さい。女性 左右の大脳を繋ぐ脳梁の部分が太くて、大脳半球間の機能的統合が顕著で、機能的分化は小さい。

 「ブルジョワ世界の終わりに」は、特定の一日という独立した状況でマックスの作業記憶について手繰りながら、当時の南アフリカの革命に関わる白人としての意欲を描いているため、女性であるゴーディマの執筆時の脳の活動は、左右両方の前頭前野皮質が活動していたと想定できる。

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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