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2020年05月16日

坂口安吾の「肝臓先生」の多変量解析−クラスタ分析と主成分9

【カラム】
A平均1.0 標準偏差0 中央値1.0 四分位範囲1.0 
B平均1.0 標準偏差0 中央値1.0 四分位範囲1.0 
C平均2.0 標準偏差0 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0 
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.0低い、標準偏差0低い、中央値1.0低い、四分位範囲1.0低い
CD 平均1.9高い、標準偏差023低い、中央値2.0高い、四分位範囲2.0高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
Aの中央値が低く、Cの中央値が高いため、視覚の新情報が多い。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。  
@ 6、視覚、直示、新情報、未解決 →島に病人が待っている。行かねばならない。 
A 6、視覚、直示、新情報、未解決 →小舟に乗り、空襲のサイレンを聞く。 
B 5、視覚、直示、新情報、未解決 →先生は肝臓の鬼、慈愛の目が究理の目に変っている。
C 6、視覚、直示、新情報、未解決 →飛行機が舟をめがけて急降下。
D 6、視覚、直示、新情報、未解決 →先生の姿は永久に消えた。遺品の一つない。 
【場面の全体】
 全体で視覚情報が10割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりも高いため、視覚の情報が重要となっている。

花村嘉英(2020)「坂口安吾の『肝臓先生』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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