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雄輝

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2022年11月29日
[突撃検証6] -46
坂の頂上から下を見下ろす


奴の車がある…


型は違えどくずもちと同じランドクルーザー


車の辺りを見回す


見た感じ、近くに奴は居ないようだ


取りあえず一安心する


前方に全神経を集中させ


少しずつ少しずつ降りていく


街灯が照らす場所の直前まで水面を走るアメンボの如く波音を立てずに進む…と



『ア、ア゛”――――――――――――!!』


もはや悪魔の咆哮

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2022年04月21日
[突撃検証6] -45

雄輝
『アレ?』


なんと!慎重に行くつもりがつんくは先にスタスタと歩いて行っているではないか!


雄輝
『ちょっと!つんくさん!』


つんくは何より車が心配なのだろう


追いかけてつんくを引き止める


車を破壊…


スーパーファミコン「ファイナルファイト」の車を破壊するミニゲームを想像して笑いそうになる


駐車場が見えるところまでじりじりと進み体を乗り出して車の様子をうかがう


ほ…


どうやら車は無事の様だ!


とりあえず警察沙汰は避けられそうである


雄輝
『あそこまで忍び足で歩いて、そこから走っていきましょう。全力で』


坂の下、街灯が照らしている場所を指差す


街灯の下から車までは音をたててでも走り抜けた方がよいだろう


車に乗ればこっちのものだ


つんくとザキは表情を崩さずに頷く


2人のその様子を見て安心した私はゆっくりとためて、そして短く発声する


雄輝
『GO!』

2022年04月21日
[突撃検証6] -44
覚悟を決め、無意識に私は生唾を飲み込む





ついに遊歩道が突き当たりに到達し、床が砂利からコンクリートに変わった


ザキが後ろから来るのを待って再びゆっくり歩き出す


雄輝
『ゆっくり、静かに行きますよ…』


先程は気付かなかったが、左手にトイレらしき建物がある


隠れ家には使えるか…


その先にも道があるな…国道に繋がっているかもしれない


そういえばさっきの丸いタンクにも隠れることができるだろう


いざというときの引き出しは多ければ多い程いい



こんな時だからこそ冷静になって考えろ…


坂の頂上から下を見下ろす


奴の車がある…


型は違えど、くずもちと同じランドクルーザー


車の辺りを見回す





見た感じ、近くに奴は居ないようだ


取りあえず一安心する


前方に全神経を集中させ


少しずつ


少しずつ


降りていく

2022年04月21日
[突撃検証6] -43
大きな大きな丸いタンク


最初にここに来た時、遊歩道を歩いていて先客と遭遇し引き返した場所












 希望が確信に変わった










雄輝
『帰れますよ!』





帰れる…


良い響きだ


しかしその前には越えなければならない強大な壁がある


雄輝
『これからが一番大変かもしれません』


私は決意と共に独り言の如く二人に話しかけた


あれだけ先が見えなかった道も一度通った場所ゆえに自信を持って歩くことができる


つんく
『ていうかね、俺車が心配なんよね…』


雄輝
『げ!忘れてたけど確かに!
 うわ!しかも車で待ち伏せされてたら終わりだ』


ここに来て止まらない足とは裏腹に頭を抱える隊員達


雄輝
『流石に…車壊されてたら警察ですな…』


私は、内心自分の車で来なくて本当に良かったと心底安心したがそんなことは言えるばすがなかった


今不安を煽るのは得策ではない


視線の先には長い長い道の終わりが見えてきた


突き当たりを右に曲がって下れば車を止めた場所なのだ


行くしかない

2022年04月21日
[突撃検証6] -42
今まで登りか平坦だった道が下り坂になってきた


自然と早足になる三人


もしかして…帰れるのではないか!?


淡い希望がわいてきた


よかった!


よかった!


早く帰っていつもの部屋で寝慣れたベットにねっころがり、枕を抱いて安眠したい


いつもは何とも思わない日常が恋しい…


…今思い返せば何気ない日常が幸せであると知る為のいい体験だったのかもしれない


歩けば歩く程道が徐々に下り坂へと変わっていく


つんく、雄輝、ザキの順で一列に並んで歩いていく


会話も自然と小声になる


皆察しているのだ


今から今夜の山場だと


そして再び…


こう頻繁に叫ばれては流石に頭がおかしくなりそうだ


雄輝
『かなり…近くないですか?』


つんく
『声でしょ…?近い…
 もう大分降りてきたよね』


雄輝
『あ!!!』


ザキ
『なに!?驚かさないでよ!!』


そこには見覚えのある建物が存在した


それは間違い無く隊員達にとって吉となるもの

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