フリーの傭兵であるマーティン・デヴィッドは、バイオ・テクノロジー企業のレッドリーフ社から請け負った仕事のため、オーストラリアのタスマニア島に入った。 その仕事とは、70年以上前に絶滅したと伝えられているタスマニアタイガーを捕獲し、その生体サンプルを採取することだった。 最近目撃情報を入手したレッドリーフ社は、ライバルに先んじて"幻の野生動物"の捜索に乗り出したのだ。

マーティンは現地ガイドのジャック・ミンディが用意したベースキャンプに向かうが、そこは古めかしい木造の民家で、アームストロング家の人々が住んでいた。 利発な少女サスと、言葉を発しない男の子バイク、そして寝たきりの母親ルーシー。 動物学者で環境保護活動に熱心な父親ジャラは、数ヵ月前に森に向かったきり消息を絶っていた。 発電機が壊れ、お湯も出ないこの家に、合理主義者のマーティンは大いにうんざりした。
町のバーに立ち寄って貸し部屋を物色するマーティンだが、森林伐採を生業とする地元の労働者たちは彼をエコロジストと決めつけ、敵対的な態度を露わにしてきた。 ハンターの素性を隠し、大学から派遣された研究者を装っているマーティンは、しかたなくアームストロング家に身を寄せることにした。

常に単独行動を好むマーティンは、ガイド役を申し出てきたミンディを途中で帰し、ひとりで大自然の奥深くに足を踏み入れていった。 簡素な地図、ＧＰＳ、食料、ライフルを携え、森や草原のあちこちに手際よく動物用のトラップを設置していくマーティン。 このような12日間の調査を何度か繰り返し、タスマニアタイガーの痕跡や行動範囲を特定するのが彼の目論見だった。
ところが最初の調査で謎めいた銃声を聞き、2回目の調査時には人為的に破壊された鉄製トラップを見つけたマーティンは、姿なき何者かの気配を感じとるのだった･････