2012年 10月 5日（金）　リリース

少年と自転車

Le gamin au velo
(The Kid with a Bike)

Introduction

父から育児放棄された少年が偶然であった女性に支えられながら、窮地を乗り越え次第に心を開いていく様を描いた至高のヒューマンドラマ。

監督・脚本は名匠ダルデンヌ兄弟(兄：ジャン＝ピエール・ダルデンヌ、弟：リュック・ダルデンヌ)。 出演はセシル・ドゥ・フランス、トマ・ドレ、ジェレミー・レニエ、オリヴィエ・グルメ、エゴン・ディ・マテオ、ファブリツィオ・ロンジョーネ、他。
カンヌ：パルムドールを2度受賞し、そのほか数々の賞を受賞し名実、実力ともに他の追随を許さない巨匠ダルデンヌ兄弟。 本作は監督が2003年に『息子のまなざし』のプロモーションで来日した際、少年犯罪のシンポジウムで聞いた「赤ちゃんの頃から施設に預けられた少年が、親が迎えに来るのを屋根にのぼって待ち続けていた･････」という衝撃的な話からインスピレーションを受け作成された物語だ。

主演にクリント・イーストウッド監督作品『ヒア アフター』（11）などで知られるセシル・ドゥ・フランスを配し、初めて有名な俳優を起用した。
少年役シリルには、これが映画初主演となる新星トマ・ドレ。 信じられる大人に出会えずに生きてきた少年シリルが、少しずつ成長していく姿を自然に演じ、カンヌでは"主演男優賞候補"とも目された。
そしてダルデンヌ作品常連のジェレミー・レニエが育児放棄する父親役で登場しているほか、同じく常連のベルギーの俳優、オリヴィエ・グルメが居酒屋の店主役でちらりと顔を見せている。 オリヴィエ・グルメは2002年のダルデンヌ兄弟作『息子のまなざし』ではカンヌの主演男優賞受賞を受賞しています。 また、初めて夏に撮影しており、シリルの赤いTシャツや青々とした緑の木々、燦燦と注ぐ陽の光など、鮮やかであたたかな世界観を演出しているほか、有名俳優の起用や、劇中で映画音楽を使用するなど、新たな試みにも挑戦している。

親に見捨てられた少年シリルが、初めて信頼できる大人であるサマンサに出会うことで、心をひらき、人を信じ、善悪を学び、成長していく。 サマンサもまたシリルに愛情を与えることで、自分の内にある母性に気づき、人を守ることの責任と喜びを知っていく。
どんなに厳しい境遇におかれても、人は誰かとつながることで一筋の光を見出せる。 ダルデンヌ監督は、シリルとサマンサの小さな感情の機微を丁寧にすくいあげ、「ダルデンヌ監督の作品の中で最も優しい映画」(メトロ)と評されるように普遍的な珠玉の作品に仕上げている。

[ 参照：公式サイト ]

Storyline

11歳の少年シリルの願いは、自分を施設へ預けた父親を見つけ出し、再び一緒に暮らすことだった。
シリルは学校へ行くふりをして父と暮らしていた団地の部屋を訪ねたが誰もいない。 シリルを探しにきた学校の先生から逃れようと診療所に入り、そこにいた女性にしがみついた。 父親が買ってくれた自転車があるはず、とシリルは言い張り、部屋を開けてもらったがそこはもぬけの殻だった。

数日後、サマンサという女性がシリルを訪ねてきた。先日の騒動の際にシリルが診療所でしがみついた女性だった。 サマンサはシリルの話を聞き、自転車を探しだし、持っていたひとから買い取ってくれたのだった。 美容院を営むサマンサに週末だけ里親になることを頼みこみ、彼女と週末を過ごしながら、シリルは父親の行方を捜し始めた。 自転車の売り主から、シリルの自転車を売ったのは父親だと言うことが分かった。 そしてそこから父親の居場所を突き止めたシリルは、ようやく父親と再会するのだった。

しかし父親は、金がないから迎えに行けないとシリルを拒むのだった。 挙句の果て、もう会いに来るな、とシリルを追い返すのだった。
それからサマンサはシリルと本気で向き合うようになる、自分の恋人との仲よりシリルを優先させてまで。 まだ11歳の子の傷ついた心ははかり知れなかった。
そんな中、シリルは自転車がきっかけでウェスという青年と知り合った。 しかしその青年との知り合ったがため、シリルは問題を起こしてしまうのだった･････

Director