イギリスの小説家デイヴィッド・ミッチェルの2004年の作品「Cloud Atlas」を、『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟と『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督が映画化。

原作者のデイヴィッド・ミッチェルは日本で暮らしていた時期があり(8年以上)、奥さんも日本人、作品も日本を舞台にした作品が多い。
「Cloud Atlas」以外の代表作に「ナンバー9ドリーム」(2001)があり、2001年の"ブッカー賞"にノミネートされましたが、受賞は逃しています。 ちなみに翌年の2002年の"ブッカー賞"をヤン・マーテルの「ライフ・オブ・パイ」が受賞しています。


6つの時代背景と主人公をもつ物語で、過去、現在、未来と遷移していく。 各時代に現れる"痣"を持つ人物、その人物を中心にオムニバス形式で物語が展開されていきます。
時代が変わろうが引かれあい引き合う魂は一緒、500年もの期間に成長していく魂はどこへたどり着くのか･････壮大です。

登場人物も多彩、同じ俳優がいくつものキャラクターを演じていることも本作の話題のひとつです。 ドラマ、ＳＦ、ミステリー、ファンタジー、アクションと全てのジャンルを含み、計算された映像と時代背景とその遷移、約3時間の長尺だがラストが楽しみになるような作品ではないでしょうか。

今は原作も翻訳出版されてますので、興味がある方は読んでみてはどうでしょう。 これは読んでおいたほうが"よく理解できた"系の作品のような気がします(残念ながら私はまだ読んでいません涙)･････。
監督はウォシャウスキー姉弟とトム・ティクヴァ、出演はトム・ハンクス、ハル・ベリー、ヒューゴ・ウィーヴィング、スーザン・サランドン、ヒュー・グラント、ジム・ブロードベント、ジム・スタージェス、ベン・ウィショー、他。


ウォシャウスキー姉弟はいうまでもなく『マトリックス』シリーズの監督です。 他には『マトリックス』(1)の前に撮った『バウンド』(1996)がおすすめ。 ギャングの愛人が隣に越してきた女とギャングの金を奪うクライムサスペンス。
また2008年の日本のアニメ「マッハGO!GO!GO!」を実写化した『スピード・レーサー』がありますが、これは批評家評判がよろしくなく興行も振るわなかった･････(個人的には悪くなかったと思ってます。特に映像などはさすがって感じです)。
次回作は2014年予定のＳＦアクション『Jupiter Ascending』。 チャニング・テイタム、ミラ・クニス、ショーン・ビーン、そして『レ・ミゼラブル』で"マリウス"役に大抜擢されたイギリスの若手エディ・レッドメインの出演が決まっています。

トム・ティクヴァはドイツの監督、1998年の『ラン・ローラ・ラン』は有名。 他にも『パフューム ある人殺しの物語』(これ中々いいです。引き込まれます)や『ザ・バンク 堕ちた巨像』などを手掛けています。

イギリスの俳優ジム・ブロードベント、最近では『マーガレット・サッチャー』で夫役の"デニス・サッチャー"を演じています。 『ハリー・ポッター』シリーズにも出演しており、2001年の『アイリス』ではアカデミー賞助演男優賞も受賞しています。

『ラスベガスをぶっつぶせ』で一躍躍り出てきたジム・スタージェスもイギリスの俳優さん。 最近では『ワン・デイ 23年のラブストーリー』でアン・ハサウェイの相手役をしております。

ベン・ウィショーは本作の監督でもあるトム・ティクヴァ監督の代表作のひとつ『パフューム ある人殺しの物語』で主人公を"ジャン＝バティスト・グルヌイユ"を演じたイギリスの俳優さん。 最近では『007 スカイフォール』に兵器開発担当の"Q"役で出演しています。

トム・ハンクスの次回作は『Captain Phillips』、2009年4月8日にソマリア沖でおきた、海賊による「マースク・アラバマ」号の乗っ取り人質事件を題材とした映画だ。 公開は2013年10月に全米公開予定です。

ハル・ベリーは、2012年に出演した"サメ"映画『Dark Tide』が2013年3月16日より日本でも公開されますが残念なことに、現在、東京・愛知・大阪のみの公開予定となっています。

6つの時代に体に"彗星型の痣"を持つ人間が現れる。 その数奇な運命のもとで展開される物語･････

■“アダム・ユーイングの太平洋航海誌”(1849)
主人公アダム・ユーイング。 公証人で胸に痣がある。

■“ゼデルゲムからの手紙”(1936)
主人公ロバート・フロビッシャー。 若く一発逆転を狙う作曲家で背骨のあたりに痣がある。

■“半減期-ルイーザ・レイ最初の事件”(1973)
主人公ルイーザ・レイ。 偉大なジャーナリストとして名を馳せたレスター・レイの娘。 雑誌『スパイグラス』のコラムニストで鎖骨の辺りに痣がある。

■“ティモシー・キャビンディッシュのおぞましき試練”(2012)
主人公ティモシー・キャビンディッシュ。 老年の出版会社の編集長で右足首に痣がある。

■“ソンミ451のオリゾン”(2144)
主人公ソンミ451。 ファブリカントと呼ばれるクローン人間で首の辺りに痣がある。

■“ソルーシャの渡しとそん後のすべて”(2321)
主人公ザックリー。 崩壊した文明の羊飼いで腕の辺りに痣がある。

Cloud Atlas