映画とテレビ視聴感想

悪魔くん　1966年10月6日-1967年3月30日（全26話）NET（現テレビ朝日））


第一次怪獣ブームに放送された白黒特撮テレビドラマです。水木しげるのテレビ化
第一作。（ゲゲゲの鬼太郎のアニメ第一期は1968年）

怪獣ブームのさなかに作られたので、妖怪というよりは怪獣に近いものも登場しま
した。これ以前にも東映の子供向けヒーロー番組はありましたが、敵が妖怪、怪獣
・怪人メインとなったものとしては、初の東映特撮ヒーローテレビドラマとなりま
す。

私は、この「悪魔くん」は初回放映時のことはほとんど記憶になく、怪獣ブームか
ら妖怪ブームに移行してからの水木しげるの実写第二段「河童の三平妖怪大作戦」
のほうが記憶に残っています。


OPは女性による不気味な呪文の詠唱。

霊柩車から棺が道路に滑り落ち、中の死体が飛び去って行く。それを観ていた老人。
犯人はその老人なのか。

タクシーに乗った乗客の足跡が妖怪の物だった。運転手は妖怪に目を焼かれタクシー
は崖から転落していった。

公園で友達と死体（霊柩車から飛んでいった死体）を見つけた悪魔くんは、不審な老人を
見かけ、後をつけて古井戸の中へ入っていく。

そこには魔法陣があった。老人はエロイムエッサイムと唱え、土精（巨大な四本指の手）
を呼び出して見せる。土精を帰らせた老人は、悪魔くんに自分は300年生きてきたファウ
スト博士だと名乗り、自分の使命を引き継いで欲しいと依頼する。

依頼を受けた悪魔くんは、ファウスト博士から知識や秘法を伝えられた。最後に博士は、
妖怪百目（ガンマー）や多くの妖怪跋扈を伝え、それを倒すための悪魔メフィストの呼
び出し方と契約の仕方を教える。

メフィストを呼び出した博士は力尽きて倒れる。

メフィストは契約書に目を通し、「この世の妖怪を退治して世界を平和にすること」
の文を読み上げ、お金を持ってくれば契約してやるとうそぶく。


悪魔くんが契約にてこずっていると、ファウスト博士がソロモンの笛を吹いてメフィスト
を苦しめ、契約と悪魔くんへの忠誠を誓わせる。さらに、空腹のメフィストに悪魔くんは
チョコレートを食べさせ、これを気に入ったメフィストは契約書に血判を押した。

ファウスト博士は悪魔くんにソロモンの笛を託し絶命、その姿は消えていった。

ガンマーは花を摘んでいる少女を襲おうとしていた。メフィストにガンマーを倒せと命令
した悪魔くんは、メフィストから空を飛べるマントを与えられ、一緒に現地へ飛んで行った。

ガンマーは少女を抱いたまま逃亡した。二人は追跡して森の中でガンマーを発見する。

魔力砂嵐でガンマーの眼をつぶそうとメフィストだが、ガンマーの眼から発する光線で劣
勢に。ステッキで一つの眼をつぶすことが出来たが、怒ったガンマーは岩を崩し、悪魔く
んは岩に挟まれてしまった。助けようとしたメフィストはガンマーに襲われ魔力のあるス
テッキを落としてしまう。

メフィストはシルクハットを飛ばし、ガンマーの首を切り落とすが、ガンマーは首だけに
なっても光線での攻撃が止まらない。メフィストは、自分のマントをかぶせて動きを封じ
た。そこに岩から抜け出た悪魔くんがメフィストのステッキを拾ってガンマーに突き刺し、
ガンマーは滅びた。


攫われた少女が見つかったがなかなか泣き止まない。ガンマーが怖かったのかと思いきや、
メフィストが怖いという。悪魔くんはメフィストにあっちに行ってろとつれない言葉をか
け、少女をおぶって帰途に就く。

メフィストは、地獄の中ではハンサムだと強がるのであった。







悪魔くんとは、天才的な頭の良さのために小学校の友達からそう呼ばれているあだ名
です。本人もいやがっているそぶりは見せていないので良いかと思いますが、ドラマ
ではなく現実の世界で自分の子供の実名として「悪魔」と名付けようとした親が非難
を浴びる事件が1993年にありました。悪魔くんファンだったのでしょうか。

この第一話では、主人公は殆ど友達と一緒に行動していないので、悪魔くんとは一度も
呼ばれていません。

毎回出現する妖怪も魅力ですが、少年と悪魔の凸凹コンビぶりもまた楽しみです。

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