脳は、大きく大脳、小脳、脳幹に分けられ、大脳はさらに終脳(大脳半球)と間脳に、脳幹は中脳、橋、延髄に分けられます。脳の表面には髄膜と呼ばれる3枚の膜、すなわち、内側から、脳表面に密着している軟膜、その外側にクモの巣のような薄いオブラート状のクモ膜があり、軟膜とくも膜との間にクモ膜下下腔という空間を形成し、その中には脳脊髄液が満たされ、くも膜の外側に硬膜が被って脳の実質を保護しています。このように脳脊髄液の入った袋になかに浮かんでいる状態にあります。
大脳は、大脳縦裂と呼ばれる深いみぞで左右の半球に分かれ、大脳の半球の表面には脳溝(俗に言う脳のしわ】と呼ばれる溝が走り、その間に脳回を作っています。
大脳は特に深い脳溝により、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉の四つの部屋に分かれています。大脳は場所によって働きが異なっていて、前頭葉には感情や思考を司る前頭連合野、身体を動かす運動野、言葉を話す中枢であるブローカ野があります。
側頭葉には聴覚野,臭覚野や言語の認識に関わるウェルニケ野があり、頭頂葉には感覚野、そして後頭葉には視覚野があります。大脳は、その成り立ちから大きく二つに分けられます。一つは人間が進化する過程で巨大化した大脳(大脳新皮質)と、もう一つは人間になる前から持っていた古くからの大脳で、大脳基底核と大脳辺緑系からなっています。大脳基底核は運動調節と深い関係があり、大脳辺緑系は本能的な情動に関与していますが、最近これらの古い脳が記憶にも関与していることがわかってきました。
大脳の奥にある間脳は、視床と視床下部からなり、大脳に全身の感覚情報を伝える役割を担っています。視床下部は摂食行動や性行動など、本能的な行動のコントロール、睡眠欲や排せつ欲といった行動の機能を担うほか、ホルモン分泌の中枢として働いています。
小脳は大脳と同じく、左右二つの半球(小脳半球)に分かれており、その間に虫部と呼ばれるくびれた部分があります。小脳の表面には大脳半球に脳溝と脳回があるように、小脳溝と称脳回がありますが、特徴的なのは溝の数が多く、小脳の体積は脳全体の10分の一程度にもかかわらず、表面積は大脳の約75%にもなります。小脳の機能は大脳からの運動指定を具体的に筋肉の伝えることにより、しんたいのバランスを保ち、随意運動の調節をするばかりか、金ねん記憶に関わる働きにも注目が集まっています。
脳幹は中脳、橋、延髄と呼ばれる各部からなり、それぞれ大脳、小脳、脊髄とつながっています。脳幹は呼吸や循環など、人間が生きていくために必要な機能を担っています。また間脳には頭部の感覚や運動に働く脳神経の大部分(収穫、視覚を除く)が出入りして、眼球運動、味覚、聴覚、嚥下などの機能を司っています。
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