2018年11月14日
安産のためにできる準備とは?
全ての妊婦さんが、安産を願うのは当然のことです。赤ちゃんが健やかに生まれてくるため、そしてママもあまりつらい思いをせずに産むために、何ができるのでしょうか?安産のためにできることをご紹介します。
そもそも安産とは?
安産には厳密な定義はなく、人それぞれ違った定義を持っています。多くの人が「分娩(陣痛)の時間が短いもの」「痛みが少ないもの」が安産だと捉えがちですが、痛みが少なく、早く終わったからといって、母体や赤ちゃんの健康に問題があれば安産とはいえません。
母体と赤ちゃんが健康で、出産時に問題がなければ、安産といえるでしょう。ただし結果だけではなく、出産の過程や痛みが気になるのは、妊婦さんであれば当然ですよね。
出産は、人生に多くても数回ほどしかない貴重な体験です。自分がどんなふうに赤ちゃんを産みたいのかをしっかり考え、自分なりの安産の定義やバースプランを作ってみましょう。
安産のためにできる、7つのポイント
ここでは安産を「痛みが少なく、母体も健康で、赤ちゃんも元気に出てきてくれること」だと定義づけ、そのためにできる7つのポイントをご紹介します。
ただし、切迫早産や妊娠高血圧症候群などで、医師から何らかの生活指導が行われている場合は、その指示に従うことを最優先にしてくださいね。
1. 普段から呼吸法を練習する
出産の際、陣痛がひどいと息を止めてしまうことがあります。しかしママが息を止めると、お腹の赤ちゃんに十分な酸素が送られなって赤ちゃんが苦しくなったり、筋肉が緊張した状態になるために子宮口が開きにくくなります。
ここで重要になってくるのが呼吸法。呼吸の仕方を変えるだけで、陣痛が来てもリラックスして分娩を迎えることができますよ。
出産のための代表的な呼吸法は「ヒッ、ヒッ、フー」で有名なラマーズ法と、息をゆっくり吐くことを意識するソフロロジーがあります。
どちらも、すぐに習得できるものでも、本番で突然できるものでもないので、事前の練習がとても大切です。妊娠中に自分に合う呼吸法を見つけて練習し、落ち着いて出産に臨めるようにしましょう。
2. 適度な運動・ストレッチをする
安定期に入り医師から許可が出たら、適度な運動を心がけましょう。おすすめの運動は誰でも手軽にできるウォーキング。下半身の筋肉を鍛えられるうえに、血行が良くなったり、気分転換できたりといいこと尽くしです(※1)。
医師に激しい運動を禁止されている場合は、ストレッチをやってみましょう。安産において重要な股関節の柔軟性を高められるストレッチが、特におすすめです。
● 股関節のストレッチ
1. 床に座って左右の足の裏を合わせる
2. 膝が床につくように、息を吐きながら手で膝を下に押す
3. 息を吸いながら膝をゆっくり戻す
ウォーキングもストレッチも、無理がない範囲で行ってください。もし運動後に気分が悪くなったら、しっかりと休みましょう。休んでも気分の悪さが続くようなら、早めに医師に相談してください。
3. 太りすぎない
妊娠中に体重が増えるのは自然なことですが、増えすぎたときは注意が必要です。
妊婦さんが肥満の場合は妊娠糖尿病のリスクが高まり、生まれてくる赤ちゃんが低血糖症などになる可能性があります。また、妊婦さんが肥満の場合は分娩がスムーズに進まないことなどから、緊急帝王切開や出産後の多量出血の可能性が通常より高くなることがわかっています(※1)。
対策としては、間食の数を極力減らしたり、脂っこいものを避けたりすることが有効です。ただし無理に運動をしてダイエットを試みるのは危険なので、医師の判断を仰ぎつつ、食べすぎに注意する程度にしておきましょう。
4. 体を温かく保つ
妊娠中はとにかく体を温かくするようにしてください。体が冷えてしまうと血流が悪くなって、微弱陣痛になったり、お産に時間がかかったりしてしまいます(※1)。
また体温が低いと産後の後陣痛も感じやすくなる傾向にあるので、ゆっくりお風呂に浸かる、食事に温かいスープを取り入れる、レッグウォーマーやタートルネックを着用するなどの方法で、体を温かく保つことを常に意識してみてください。
5. 会陰マッサージを行う
お腹の張りがない場合には、妊娠34週頃から会陰マッサージを行うことで、出産時の会陰切開や会陰裂傷を防げるうえに、産後の会陰の痛みが少なくなる効果も期待できます(※1)。
ただし会陰周りはデリケートなので、マッサージで使用するオイルは事前にパッチテストを行い、問題ないかを確認しておきましょう。
6. ラズベリーリーフティーを適度に飲む
ヨーロッパでは、ラズベリーリーフのお茶は安産に効くとして昔から飲まれており、ラズベリーリーフの錠剤を妊娠32週から飲み続けた妊婦さんは、子宮口が全開になってから分娩までの時間が約10%短いという研究結果もあります(※2)。
ただしラズベリーリーフには子宮を収縮させる作用があるので、かかりつけ医に飲む時期を相談してから飲むようにしましょう。
7. 陣痛が来たときの準備をしておく
陣痛は突然やってくるもの。痛みが始まってから、入院の準備や病院への移動手段をどうするか…と考え始めては遅すぎます。焦った状態のまま出産になると、心の準備ができず、出産に支障が出てしまうこともありえます。
妊娠後期に入ったら、入院時の服や持ち物を整理し、パパや親への連絡をどうするか考えるなど、少しずつ準備を始めておきましょう。
もちろん、陣痛が来たら自分で車を運転することはできないので、陣痛タクシーなどの手配もしておきましょうね。
安産には精神面からのサポートも重要
「出産は鼻からスイカを出すぐらい痛い」と怖いイメージが先行しがちですが、恐怖心を持ってしまうと体が緊張し、出産に時間がかかってしまう可能性もあります。
心身ともにリラックスした状態でお産に臨むために、音楽を聴く、アロマの香りをかぐなど、自分なりのリラックス方法を見つけておき、医師と相談して、可能なら分娩時にそれを実践しましょう。
練習した呼吸法を実践したり、パートナーに一緒にいてもらったりすることでも落ち着けます。安産になるよう、お産に対していいイメージを持っておきたいですね。
※1 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』pp.62-63,82-83,90-91,124-125
※2 NCBI「Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor.」
そもそも安産とは?
安産には厳密な定義はなく、人それぞれ違った定義を持っています。多くの人が「分娩(陣痛)の時間が短いもの」「痛みが少ないもの」が安産だと捉えがちですが、痛みが少なく、早く終わったからといって、母体や赤ちゃんの健康に問題があれば安産とはいえません。
母体と赤ちゃんが健康で、出産時に問題がなければ、安産といえるでしょう。ただし結果だけではなく、出産の過程や痛みが気になるのは、妊婦さんであれば当然ですよね。
出産は、人生に多くても数回ほどしかない貴重な体験です。自分がどんなふうに赤ちゃんを産みたいのかをしっかり考え、自分なりの安産の定義やバースプランを作ってみましょう。
安産のためにできる、7つのポイント
ここでは安産を「痛みが少なく、母体も健康で、赤ちゃんも元気に出てきてくれること」だと定義づけ、そのためにできる7つのポイントをご紹介します。
ただし、切迫早産や妊娠高血圧症候群などで、医師から何らかの生活指導が行われている場合は、その指示に従うことを最優先にしてくださいね。
1. 普段から呼吸法を練習する
出産の際、陣痛がひどいと息を止めてしまうことがあります。しかしママが息を止めると、お腹の赤ちゃんに十分な酸素が送られなって赤ちゃんが苦しくなったり、筋肉が緊張した状態になるために子宮口が開きにくくなります。
ここで重要になってくるのが呼吸法。呼吸の仕方を変えるだけで、陣痛が来てもリラックスして分娩を迎えることができますよ。
出産のための代表的な呼吸法は「ヒッ、ヒッ、フー」で有名なラマーズ法と、息をゆっくり吐くことを意識するソフロロジーがあります。
どちらも、すぐに習得できるものでも、本番で突然できるものでもないので、事前の練習がとても大切です。妊娠中に自分に合う呼吸法を見つけて練習し、落ち着いて出産に臨めるようにしましょう。
2. 適度な運動・ストレッチをする
安定期に入り医師から許可が出たら、適度な運動を心がけましょう。おすすめの運動は誰でも手軽にできるウォーキング。下半身の筋肉を鍛えられるうえに、血行が良くなったり、気分転換できたりといいこと尽くしです(※1)。
医師に激しい運動を禁止されている場合は、ストレッチをやってみましょう。安産において重要な股関節の柔軟性を高められるストレッチが、特におすすめです。
● 股関節のストレッチ
1. 床に座って左右の足の裏を合わせる
2. 膝が床につくように、息を吐きながら手で膝を下に押す
3. 息を吸いながら膝をゆっくり戻す
ウォーキングもストレッチも、無理がない範囲で行ってください。もし運動後に気分が悪くなったら、しっかりと休みましょう。休んでも気分の悪さが続くようなら、早めに医師に相談してください。
3. 太りすぎない
妊娠中に体重が増えるのは自然なことですが、増えすぎたときは注意が必要です。
妊婦さんが肥満の場合は妊娠糖尿病のリスクが高まり、生まれてくる赤ちゃんが低血糖症などになる可能性があります。また、妊婦さんが肥満の場合は分娩がスムーズに進まないことなどから、緊急帝王切開や出産後の多量出血の可能性が通常より高くなることがわかっています(※1)。
対策としては、間食の数を極力減らしたり、脂っこいものを避けたりすることが有効です。ただし無理に運動をしてダイエットを試みるのは危険なので、医師の判断を仰ぎつつ、食べすぎに注意する程度にしておきましょう。
4. 体を温かく保つ
妊娠中はとにかく体を温かくするようにしてください。体が冷えてしまうと血流が悪くなって、微弱陣痛になったり、お産に時間がかかったりしてしまいます(※1)。
また体温が低いと産後の後陣痛も感じやすくなる傾向にあるので、ゆっくりお風呂に浸かる、食事に温かいスープを取り入れる、レッグウォーマーやタートルネックを着用するなどの方法で、体を温かく保つことを常に意識してみてください。
5. 会陰マッサージを行う
お腹の張りがない場合には、妊娠34週頃から会陰マッサージを行うことで、出産時の会陰切開や会陰裂傷を防げるうえに、産後の会陰の痛みが少なくなる効果も期待できます(※1)。
ただし会陰周りはデリケートなので、マッサージで使用するオイルは事前にパッチテストを行い、問題ないかを確認しておきましょう。
6. ラズベリーリーフティーを適度に飲む
ヨーロッパでは、ラズベリーリーフのお茶は安産に効くとして昔から飲まれており、ラズベリーリーフの錠剤を妊娠32週から飲み続けた妊婦さんは、子宮口が全開になってから分娩までの時間が約10%短いという研究結果もあります(※2)。
ただしラズベリーリーフには子宮を収縮させる作用があるので、かかりつけ医に飲む時期を相談してから飲むようにしましょう。
7. 陣痛が来たときの準備をしておく
陣痛は突然やってくるもの。痛みが始まってから、入院の準備や病院への移動手段をどうするか…と考え始めては遅すぎます。焦った状態のまま出産になると、心の準備ができず、出産に支障が出てしまうこともありえます。
妊娠後期に入ったら、入院時の服や持ち物を整理し、パパや親への連絡をどうするか考えるなど、少しずつ準備を始めておきましょう。
もちろん、陣痛が来たら自分で車を運転することはできないので、陣痛タクシーなどの手配もしておきましょうね。
安産には精神面からのサポートも重要
「出産は鼻からスイカを出すぐらい痛い」と怖いイメージが先行しがちですが、恐怖心を持ってしまうと体が緊張し、出産に時間がかかってしまう可能性もあります。
心身ともにリラックスした状態でお産に臨むために、音楽を聴く、アロマの香りをかぐなど、自分なりのリラックス方法を見つけておき、医師と相談して、可能なら分娩時にそれを実践しましょう。
練習した呼吸法を実践したり、パートナーに一緒にいてもらったりすることでも落ち着けます。安産になるよう、お産に対していいイメージを持っておきたいですね。
※1 南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』pp.62-63,82-83,90-91,124-125
※2 NCBI「Raspberry leaf in pregnancy: its safety and efficacy in labor.」
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