2018年11月08日
帝王切開とは?時間は?流れは?
「帝王切開」とは、ママのお腹を切開して赤ちゃんを取り出す分娩方法です。経腟分娩(いわゆる自然分娩)で産むと決めていても、妊娠やお産の経過によっては誰でも帝王切開になる可能性はあるので、妊婦さんや家族はどんな手術なのか知っておきたいですね。そこで、帝王切開の手術の流れや時間についてご説明します。
帝王切開とは?
帝王切開とは、「経腟分娩で産む方が母体と胎児にとってリスクが高い」と医師が判断した場合に選択される分娩方法です。麻酔をかけて母体の子宮壁を切り開き、そこから赤ちゃんを直接取り出す手術を行います。
日本において、年間の出産件数は年々減少しているものの、帝王切開による出産は増加傾向にあり、2014年時点で妊婦さんの約4人に1人は帝王切開で赤ちゃんを産んでいます(※1)。
帝王切開には2種類ある
帝王切開と一口にいっても、判断するタイミングによって「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2つにわかれます。
予定帝王切開
妊娠中の経過を見て、経腟分娩よりも帝王切開の方がより安全と医師が判断した場合に、あらかじめ手術をする日を決めて行うのが「予定帝王切開」です。
たとえば、逆子や巨大児、多胎妊娠(双子や三つ子など)、胎盤が子宮口をふさぐ「前置胎盤」のほか、帝王切開での分娩経験がある場合などに予定帝王切開となることがあります。
一般的には、赤ちゃんが十分に成長し、陣痛が起こる前の妊娠37〜38週頃に手術の予定が組まれます。
緊急帝王切開
経腟分娩を予定していたものの、妊娠中またはお産の途中に何らかのトラブルがあり、なるべく早く赤ちゃんを取り出した方がいいと判断されたときには、「緊急帝王切開」に切り替えられることがあります。
主なケースとして、赤ちゃんの心拍数が下がるなどの「胎児機能不全」や、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」のほか、何らかの原因でお産が長引きそうなときなどに、緊急帝王切開となります。
お産は最後まで何があるかわからないので、これまでの妊娠経過がどんなに順調でも、緊急帝王切開になる可能性はある、ということを覚えておきましょう。
帝王切開の流れや時間は?
予定帝王切開の場合は前日から入院し、手術について医師から説明を受けたうえで手術への同意書を提出します。また、当日は絶食絶飲状態で手術に臨みます。
緊急帝王切開の場合も、基本的には同意書にサインをしたうえで手術を始めますが、状況によっては本人や家族の口頭での同意だけで進めることもあります。
帝王切開の種類を問わず、手術の流れは次のとおりです。
帝王切開の手術の流れ
1. 胎児の心音聴取をする
2. 点滴をする
3. 局部麻酔(もしくは全身麻酔)をする
4. 麻酔が効いたことを確認して手術を開始する
5. お腹を切開し、赤ちゃんと胎盤を取り出す
6. 糸や医療用ステープラー(ホッチキスのような器具)で切開部を縫合する
全身麻酔でなければ術中も意識はありますが、痛みを感じることはほとんどありません。取り出された赤ちゃんの産声を聞くこともできますし、出産後すぐに対面することもできます。
お腹を切開してから赤ちゃんが取り出されるまでの時間は数分で、手術時間は全体で約1時間が目安ですが、胎児や母体の状況によって個人差があります。
帝王切開の手術後の流れは?
経腟分娩の場合、産後の入院期間は初産婦で5日前後、経産婦で4日前後ですが、帝王切開をしたママは手術の前日・当日も入れて6〜10日間が目安です。
食事は、手術の翌日からおもゆなどの流動食を食べ始めて、徐々に普通食へと変えていきます。
また、溶ける糸で傷口を縫合した場合を除いては、抜糸、もしくは医療ステープラーの針を外してから退院することになります。
帝王切開による赤ちゃんへの影響は?
帝王切開は、ママと赤ちゃんの命と健康を守るために行われる分娩方法です。
とはいえ、一般的な手術と同じように、ある程度のリスクはあるため、術後も医師が慎重に経過観察を行います。
帝王切開による赤ちゃんへの影響として、「新生児一過性多呼吸」などの呼吸障害が見られることがあります(※2)。これは、胎児のときに肺の中を満たしていた肺液が生まれたあとにスムーズに吸収されず、一時的に呼吸しづらくなる症状です。
ただし、一般的に新生児一過性多呼吸の症状は軽く、酸素を投与することで2〜3日以内に治まることがほとんどです(※2)。
帝王切開の流れを知っておこう
「帝王切開で産みましょう」と医師から言われると、驚いたりショックを受けたりする妊婦さんもいるかもしれませんが、「私の場合は、帝王切開の方が安全に赤ちゃんを産めるということなんだな」と落ち着いて受け止められるといいですね。
お産のタイミングや方法は、いざそのときになってみないとわからないことが多いもの。妊婦さん本人も家族も慌てなくて済むよう、できるだけ早く入院準備をしておくことが大切です。どんな分娩方法になってもリラックスして臨めるように、心の準備もしておきましょう。
※1 厚生労働省『平成28年我が国の保健統計 2. 医療施設の動向』p.27
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』pp.359,406
帝王切開とは?
帝王切開とは、「経腟分娩で産む方が母体と胎児にとってリスクが高い」と医師が判断した場合に選択される分娩方法です。麻酔をかけて母体の子宮壁を切り開き、そこから赤ちゃんを直接取り出す手術を行います。
日本において、年間の出産件数は年々減少しているものの、帝王切開による出産は増加傾向にあり、2014年時点で妊婦さんの約4人に1人は帝王切開で赤ちゃんを産んでいます(※1)。
帝王切開には2種類ある
帝王切開と一口にいっても、判断するタイミングによって「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2つにわかれます。
予定帝王切開
妊娠中の経過を見て、経腟分娩よりも帝王切開の方がより安全と医師が判断した場合に、あらかじめ手術をする日を決めて行うのが「予定帝王切開」です。
たとえば、逆子や巨大児、多胎妊娠(双子や三つ子など)、胎盤が子宮口をふさぐ「前置胎盤」のほか、帝王切開での分娩経験がある場合などに予定帝王切開となることがあります。
一般的には、赤ちゃんが十分に成長し、陣痛が起こる前の妊娠37〜38週頃に手術の予定が組まれます。
緊急帝王切開
経腟分娩を予定していたものの、妊娠中またはお産の途中に何らかのトラブルがあり、なるべく早く赤ちゃんを取り出した方がいいと判断されたときには、「緊急帝王切開」に切り替えられることがあります。
主なケースとして、赤ちゃんの心拍数が下がるなどの「胎児機能不全」や、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」のほか、何らかの原因でお産が長引きそうなときなどに、緊急帝王切開となります。
お産は最後まで何があるかわからないので、これまでの妊娠経過がどんなに順調でも、緊急帝王切開になる可能性はある、ということを覚えておきましょう。
帝王切開の流れや時間は?
予定帝王切開の場合は前日から入院し、手術について医師から説明を受けたうえで手術への同意書を提出します。また、当日は絶食絶飲状態で手術に臨みます。
緊急帝王切開の場合も、基本的には同意書にサインをしたうえで手術を始めますが、状況によっては本人や家族の口頭での同意だけで進めることもあります。
帝王切開の種類を問わず、手術の流れは次のとおりです。
帝王切開の手術の流れ
1. 胎児の心音聴取をする
2. 点滴をする
3. 局部麻酔(もしくは全身麻酔)をする
4. 麻酔が効いたことを確認して手術を開始する
5. お腹を切開し、赤ちゃんと胎盤を取り出す
6. 糸や医療用ステープラー(ホッチキスのような器具)で切開部を縫合する
全身麻酔でなければ術中も意識はありますが、痛みを感じることはほとんどありません。取り出された赤ちゃんの産声を聞くこともできますし、出産後すぐに対面することもできます。
お腹を切開してから赤ちゃんが取り出されるまでの時間は数分で、手術時間は全体で約1時間が目安ですが、胎児や母体の状況によって個人差があります。
帝王切開の手術後の流れは?
経腟分娩の場合、産後の入院期間は初産婦で5日前後、経産婦で4日前後ですが、帝王切開をしたママは手術の前日・当日も入れて6〜10日間が目安です。
食事は、手術の翌日からおもゆなどの流動食を食べ始めて、徐々に普通食へと変えていきます。
また、溶ける糸で傷口を縫合した場合を除いては、抜糸、もしくは医療ステープラーの針を外してから退院することになります。
帝王切開による赤ちゃんへの影響は?
帝王切開は、ママと赤ちゃんの命と健康を守るために行われる分娩方法です。
とはいえ、一般的な手術と同じように、ある程度のリスクはあるため、術後も医師が慎重に経過観察を行います。
帝王切開による赤ちゃんへの影響として、「新生児一過性多呼吸」などの呼吸障害が見られることがあります(※2)。これは、胎児のときに肺の中を満たしていた肺液が生まれたあとにスムーズに吸収されず、一時的に呼吸しづらくなる症状です。
ただし、一般的に新生児一過性多呼吸の症状は軽く、酸素を投与することで2〜3日以内に治まることがほとんどです(※2)。
帝王切開の流れを知っておこう
「帝王切開で産みましょう」と医師から言われると、驚いたりショックを受けたりする妊婦さんもいるかもしれませんが、「私の場合は、帝王切開の方が安全に赤ちゃんを産めるということなんだな」と落ち着いて受け止められるといいですね。
お産のタイミングや方法は、いざそのときになってみないとわからないことが多いもの。妊婦さん本人も家族も慌てなくて済むよう、できるだけ早く入院準備をしておくことが大切です。どんな分娩方法になってもリラックスして臨めるように、心の準備もしておきましょう。
※1 厚生労働省『平成28年我が国の保健統計 2. 医療施設の動向』p.27
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』pp.359,406
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