2018年11月06日
逆子の治し方とは?寝方で治せる?
妊娠週数が進み、赤ちゃんが大きくなってくると、「逆子が気になる」という妊婦さんも増えるようです。自然に治ることが多いですが、なかなか戻る気配がないと不安になりますよね。そこで、逆子の治し方や、いつまでに治ると大丈夫なのかなどをご説明します。
逆子とは?
そもそも逆子とは、ママの子宮内で赤ちゃんの頭が下(子宮口の方)ではなく上を向いていて、足やお尻が下になっている状態を指します。胎位異常のひとつで、正式には「骨盤位」といいます。
骨盤位は、赤ちゃんの体勢によって主に次の4種類に分けられます。
単殿位(たんでんい):体をV字に曲げて、両足を頭の方へ上げている
複殿位(ふくでんい):膝を曲げて、体操座りをしている
膝位(しつい):膝立ちして、膝小僧を子宮口に向けている
足位(そくい):足を伸ばしていて、足先が子宮口を向いている
逆子になる原因は?
妊娠初期・中期は赤ちゃんが小さく、子宮のなかには動き回るのに十分な空間があるため、赤ちゃんの体勢は日々変化します。
そのため、妊婦健診のエコー検査のときにたまたま逆子になっていた、ということもよくあるようです。
しかし、妊娠後期になってだんだん赤ちゃんの頭が重たくなると、自然に体が回転し、赤ちゃんは頭を下にした状態で骨盤に固定されることも多くあります。
逆子のほとんどは原因がはっきりしないものですが、妊娠後期になっても逆子の状態が続いている原因として、次のようなことが考えられます(※1)。
ママの骨盤が狭い
胎盤の位置や子宮の形の異常
早産(低出生体重児)
双子などの多胎妊娠
羊水過多
胎児奇形(水頭症など)
ただし、上記のような明確な原因がなくても、誰でも逆子になる可能性があります。
逆子はいつまでに治る?治らない確率は?
先述のとおり、赤ちゃんがまだ小さいうちは子宮内をくるくると動き回っているため、妊娠中期までは30〜50%の確率で逆子が見られます(※1)。
妊娠8ヶ月(特に妊娠30週以降)に入っても逆子が治らない場合、医師から逆子体操などを勧められることもありますが、妊娠35週くらいまでは自然に治ることもあります。
ただし、妊娠36週になっても逆子のときには、無理に治すことはせず、赤ちゃんの体勢によって自然分娩(経腟分娩)と帝王切開、どちらで出産するか検討することになります。
最終的に、すべての妊婦さんのうち3〜5%程度は逆子のまま出産を迎えます(※1)。
逆子の治し方は?寝方を変えると効果あり?
妊娠中期まではそれほど気にしなくてもよい逆子ですが、妊娠後期になると心配ですよね。
逆子の治し方としては次のようなものが挙げられます。かかりつけの産婦人科の先生に相談のうえ、無理のない範囲で取り組んでみてくださいね。
鍼灸・指圧(妊娠28〜35週)
逆子を治すのに効果があるとされるツボを、お灸や鍼(はり)、指圧で刺激することで赤ちゃんの回転を促すという方法です。
医学的な根拠ははっきりしていませんが、これで逆子が治った、という妊婦さんもいます。妊娠中には刺激しないほうが良いとされるツボもあるので、自己判断で押したりせず、鍼灸院などで施術してもらいましょう。
逆子体操(妊娠30〜35週)
「胸膝位(きょうしつい)」または「ブリッジ法」の姿勢を10〜15分間キープしたあと、「側臥位(そくがい)」で休む、という流れを、夜寝る前に1セット行います。
胸膝位:うつ伏せで胸と両膝を床につけ、お尻を高く持ち上げる
ブリッジ法:仰向けでお尻の下に枕などを入れ、高さをつくる
側臥位:赤ちゃんの背中が上になるよう、体を横向きにして寝る
逆子体操は、赤ちゃんのお尻や足を骨盤から離し、回転しやすくすることが目的です。軽い子宮収縮を促すこともあるため、早産の可能性があると指摘されている妊婦さん行わないようにしましょう(※1)。
寝方の工夫(妊娠30〜35週)
夜寝るときに、上で説明した「側臥位」の姿勢を保ち、横向きで休むというシンプルな方法です。赤ちゃんの背中が上を向くように寝ることによって、自然な回転を促します。
左右どちらを向いて寝るかは、赤ちゃんの体勢によって異なります。エコー検査でかかりつけの医師に確認してもらいましょう。
外回転術(妊娠36週頃)
逆子体操などを試しても逆子が治らない場合、病院で外回転術を試みることもあります。
これは、医師や助産婦が妊婦さんのお腹に手を当て、赤ちゃんの向きを手で回転させる方法で、しっかりとした管理体制と熟練した技術が必要です。成功率は60〜70%といわれています(※1)。
外回転術を実施しているかどうかは、妊婦健診で通っている病院に確認してみましょう。
逆子を治すには生活習慣も大切?
生活習慣を変えたことで自然と逆子が治った、と考えている先輩ママもいるようです。
医学的な根拠があるわけではありませんが、次のことを意識して過ごしてみるのも良いかもしれません。
赤ちゃんに話しかける
「頭はこっちに向けるんだよ」などとお腹の赤ちゃんに話しかけているうちに、逆子が治ったという経験談もあります。
医学的な根拠はありませんが、お腹をなでながら赤ちゃんに語りかけるとリラックスできるので、夜寝る前などに試してみてもいいかもしれません。
体を冷やさない
「ママの下半身が冷えていると、赤ちゃんが温かいところを探して動き回るため、逆子になる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
この説も医学的に証明されているわけではありませんが、逆子でなくとも、妊婦さんが体を冷やすのは赤ちゃんにとって良いことではないため、冷えは改善したいですね。
半身浴や足湯をしたり、根菜など体を温める食べ物を摂ったりと、日頃から体を温める生活を心掛けましょう。
軽い運動をする
「ママが体をよく動かすことで、赤ちゃんが回転してくれるのではないか」という考えから、軽い運動を習慣にして逆子を治した、という妊婦さんもいます。
実際に赤ちゃんが向きを変えるかどうかはわかりませんが、適度な運動は血行を促進するだけでなく、ストレス発散にもなります。
軽いウォーキングやスクワット、階段の上り下りなどを習慣にすることで、出産に向けた体力がつくだけでなく、安産につながることも期待できますよ。
ただし、お腹の張りなど違和感があるときはすぐにやめ、少し休んで様子を見るようにしましょう。
逆子の治し方は医師に相談を
逆子体操やツボ押しなどは、自己判断で行うとリスクもあるので、必ずかかりつけの産婦人科医に相談してから行いましょう。また、お腹の張りや痛みを感じたときはすぐにやめるなど、無理は禁物ですよ。
逆子がなかなか治らないと焦ってしまうかもしれませんが、万が一戻らない場合でも、より安全に出産できる方法を医師と相談することができるので、あまり不安になりすぎず、肩の力を抜いて過ごしてくださいね。
※1 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』pp.276-280
逆子とは?
そもそも逆子とは、ママの子宮内で赤ちゃんの頭が下(子宮口の方)ではなく上を向いていて、足やお尻が下になっている状態を指します。胎位異常のひとつで、正式には「骨盤位」といいます。
骨盤位は、赤ちゃんの体勢によって主に次の4種類に分けられます。
単殿位(たんでんい):体をV字に曲げて、両足を頭の方へ上げている
複殿位(ふくでんい):膝を曲げて、体操座りをしている
膝位(しつい):膝立ちして、膝小僧を子宮口に向けている
足位(そくい):足を伸ばしていて、足先が子宮口を向いている
逆子になる原因は?
妊娠初期・中期は赤ちゃんが小さく、子宮のなかには動き回るのに十分な空間があるため、赤ちゃんの体勢は日々変化します。
そのため、妊婦健診のエコー検査のときにたまたま逆子になっていた、ということもよくあるようです。
しかし、妊娠後期になってだんだん赤ちゃんの頭が重たくなると、自然に体が回転し、赤ちゃんは頭を下にした状態で骨盤に固定されることも多くあります。
逆子のほとんどは原因がはっきりしないものですが、妊娠後期になっても逆子の状態が続いている原因として、次のようなことが考えられます(※1)。
ママの骨盤が狭い
胎盤の位置や子宮の形の異常
早産(低出生体重児)
双子などの多胎妊娠
羊水過多
胎児奇形(水頭症など)
ただし、上記のような明確な原因がなくても、誰でも逆子になる可能性があります。
逆子はいつまでに治る?治らない確率は?
先述のとおり、赤ちゃんがまだ小さいうちは子宮内をくるくると動き回っているため、妊娠中期までは30〜50%の確率で逆子が見られます(※1)。
妊娠8ヶ月(特に妊娠30週以降)に入っても逆子が治らない場合、医師から逆子体操などを勧められることもありますが、妊娠35週くらいまでは自然に治ることもあります。
ただし、妊娠36週になっても逆子のときには、無理に治すことはせず、赤ちゃんの体勢によって自然分娩(経腟分娩)と帝王切開、どちらで出産するか検討することになります。
最終的に、すべての妊婦さんのうち3〜5%程度は逆子のまま出産を迎えます(※1)。
逆子の治し方は?寝方を変えると効果あり?
妊娠中期まではそれほど気にしなくてもよい逆子ですが、妊娠後期になると心配ですよね。
逆子の治し方としては次のようなものが挙げられます。かかりつけの産婦人科の先生に相談のうえ、無理のない範囲で取り組んでみてくださいね。
鍼灸・指圧(妊娠28〜35週)
逆子を治すのに効果があるとされるツボを、お灸や鍼(はり)、指圧で刺激することで赤ちゃんの回転を促すという方法です。
医学的な根拠ははっきりしていませんが、これで逆子が治った、という妊婦さんもいます。妊娠中には刺激しないほうが良いとされるツボもあるので、自己判断で押したりせず、鍼灸院などで施術してもらいましょう。
逆子体操(妊娠30〜35週)
「胸膝位(きょうしつい)」または「ブリッジ法」の姿勢を10〜15分間キープしたあと、「側臥位(そくがい)」で休む、という流れを、夜寝る前に1セット行います。
胸膝位:うつ伏せで胸と両膝を床につけ、お尻を高く持ち上げる
ブリッジ法:仰向けでお尻の下に枕などを入れ、高さをつくる
側臥位:赤ちゃんの背中が上になるよう、体を横向きにして寝る
逆子体操は、赤ちゃんのお尻や足を骨盤から離し、回転しやすくすることが目的です。軽い子宮収縮を促すこともあるため、早産の可能性があると指摘されている妊婦さん行わないようにしましょう(※1)。
寝方の工夫(妊娠30〜35週)
夜寝るときに、上で説明した「側臥位」の姿勢を保ち、横向きで休むというシンプルな方法です。赤ちゃんの背中が上を向くように寝ることによって、自然な回転を促します。
左右どちらを向いて寝るかは、赤ちゃんの体勢によって異なります。エコー検査でかかりつけの医師に確認してもらいましょう。
外回転術(妊娠36週頃)
逆子体操などを試しても逆子が治らない場合、病院で外回転術を試みることもあります。
これは、医師や助産婦が妊婦さんのお腹に手を当て、赤ちゃんの向きを手で回転させる方法で、しっかりとした管理体制と熟練した技術が必要です。成功率は60〜70%といわれています(※1)。
外回転術を実施しているかどうかは、妊婦健診で通っている病院に確認してみましょう。
逆子を治すには生活習慣も大切?
生活習慣を変えたことで自然と逆子が治った、と考えている先輩ママもいるようです。
医学的な根拠があるわけではありませんが、次のことを意識して過ごしてみるのも良いかもしれません。
赤ちゃんに話しかける
「頭はこっちに向けるんだよ」などとお腹の赤ちゃんに話しかけているうちに、逆子が治ったという経験談もあります。
医学的な根拠はありませんが、お腹をなでながら赤ちゃんに語りかけるとリラックスできるので、夜寝る前などに試してみてもいいかもしれません。
体を冷やさない
「ママの下半身が冷えていると、赤ちゃんが温かいところを探して動き回るため、逆子になる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
この説も医学的に証明されているわけではありませんが、逆子でなくとも、妊婦さんが体を冷やすのは赤ちゃんにとって良いことではないため、冷えは改善したいですね。
半身浴や足湯をしたり、根菜など体を温める食べ物を摂ったりと、日頃から体を温める生活を心掛けましょう。
軽い運動をする
「ママが体をよく動かすことで、赤ちゃんが回転してくれるのではないか」という考えから、軽い運動を習慣にして逆子を治した、という妊婦さんもいます。
実際に赤ちゃんが向きを変えるかどうかはわかりませんが、適度な運動は血行を促進するだけでなく、ストレス発散にもなります。
軽いウォーキングやスクワット、階段の上り下りなどを習慣にすることで、出産に向けた体力がつくだけでなく、安産につながることも期待できますよ。
ただし、お腹の張りなど違和感があるときはすぐにやめ、少し休んで様子を見るようにしましょう。
逆子の治し方は医師に相談を
逆子体操やツボ押しなどは、自己判断で行うとリスクもあるので、必ずかかりつけの産婦人科医に相談してから行いましょう。また、お腹の張りや痛みを感じたときはすぐにやめるなど、無理は禁物ですよ。
逆子がなかなか治らないと焦ってしまうかもしれませんが、万が一戻らない場合でも、より安全に出産できる方法を医師と相談することができるので、あまり不安になりすぎず、肩の力を抜いて過ごしてくださいね。
※1 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』pp.276-280
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