2018年10月31日
帝王切開!リスクはある?危険性は?後遺症はあるの?
帝王切開の件数は年々増えており、いまや妊婦さんの約4人に1人が帝王切開で赤ちゃんを出産しています(※1)。そうはいっても、はじめての出産の場合は特に、「帝王切開になるかも」と医師から言われると不安になる人もいるのではないでしょうか。そこで、どんな場合に帝王切開を行うことになるのか、また赤ちゃんや母体にどんなリスクがあるのかなどをご説明します。
帝王切開はリスクを避けるための選択
帝王切開とは、妊婦さんのお腹と子宮を切開して、そこから赤ちゃんを取り出す分娩方法のことです。
「できれば経腟分娩(自然分娩)で産みたい」という妊婦さんもいるかもしれませんが、妊娠や分娩の経過によっては難しいこともあります。
「帝王切開で早く分娩を終わらせる方が、母体と胎児にとってリスクが少ない」と医師が判断した場合、その理由について妊婦さん本人や家族が説明を受け、同意したうえで帝王切開の手術を受けることになります。
帝王切開で回避できるリスクとは?
妊娠中にあらかじめ経腟分娩によるリスクが予想できている場合は「予定帝王切開」、妊娠中もしくは分娩中に母体や胎児の状態が悪化した場合は「緊急帝王切開」が行われます。
具体的には、次のようなケースで帝王切開となることがあります。
予定帝王切開
● 前回帝王切開で出産した
● 胎位異常(逆子など)
● 子宮の手術を受けたことがある
● 胎児の頭に対して母体の骨盤が狭い
● 前置胎盤
● 多胎妊娠(双子や三つ子)
● 巨大児
緊急帝王切開
● 胎児機能不全(赤ちゃんの状態の悪化)
● 分娩の停止(お産が進まない)
● 臍帯脱出(へその緒が胎児より先に出てきてしまうこと)
● 母体の持病や症状の悪化
● 重症の妊娠高血圧症候群
● 常位胎盤早期剝離
● 子宮破裂
● 前回帝王切開で出産し、予定帝王切開前に陣痛がきた場合
● 胎位異常(逆子など)で、予定帝王切開前に陣痛がきた場合
帝王切開による新生児リスクや後遺症は?
先述のとおり、そもそも帝王切開は、経腟分娩のリスクを回避するために選択される分娩方法です。ただし、帝王切開を行うことによるリスクもいくつか考えられます。
まず赤ちゃんへのリスクが気になるところですが、帝王切開を行うと、赤ちゃんが「新生児一過性多呼吸」などの呼吸障害を起こすことがあります(※2)。
新生児一過性多呼吸とは、何らかの原因で、胎児のときに肺の中を満たしていた肺液がうまく吸収されないことで、一時的に呼吸しづらくなるものです。
多くは軽症で済み、酸素投与を行うなどきちんと対処すれば2〜3日以内に治まります。後遺症が残ることも、ほとんどないとされています(※2)。
そのほか、予定日よりもかなり早く帝王切開で生まれた場合や、低出生体重児の場合、肺の機能が未熟なことで、呼吸器障害の一種である「呼吸窮迫症候群」に陥ることもあります(※2)。
その場合、術後も新生児集中治療室(NICU)などで治療と呼吸管理を行うことになります。呼吸窮迫症候群の場合も、重大な合併症を起こしていなければ、治療によって生後数日で症状が治まります。
帝王切開に伴う母体へのリスクは?
帝王切開は、手術を受ける妊婦さん本人へのリスクの方が多いため、術前に家族とともにしっかり理解しておく必要があります。
場合によっては、自然分娩の途中で急きょ帝王切開に切り替わることもあるので、分からないことはできるだけ早めにかかりつけの医師に聞いておくと安心です。
手術前・手術中のリスク
● 麻酔による神経麻痺
● 誤嚥性肺炎
● 出血多量
● 膀胱や尿管、腸の損傷
● 羊水塞栓症
手術後のリスク
● 血栓塞栓症
● 腸閉塞
● 麻酔による頭痛
● 感染症(産褥熱)
● 縫合部分の傷跡の開き
● 不正出血
● 次の妊娠でのトラブル(不妊、癒着胎盤、前置胎盤、子宮破裂など)
帝王切開のリスクは事前に知っておこう
帝王切開に対して抵抗がある妊婦さんもいるかもしれません。しかし、母子ともに元気に出産するためには、自然分娩よりも帝王切開の方が必要になるケースもあるということを知っておきたいですね。
妊娠経過がどんなに順調な妊婦さんでも、緊急帝王切開に切り替えると医師から告げられる可能性はあります。いざというときに落ち着いて状況把握できるよう、どんなリスクがあるのか、病院ではどんな対処をするのかなどを、家族とも共有しておきましょう。
※1 厚生労働省『平成28年我が国の保健統計 2. 医療施設の動向』p.27
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』pp.359,406
帝王切開はリスクを避けるための選択
帝王切開とは、妊婦さんのお腹と子宮を切開して、そこから赤ちゃんを取り出す分娩方法のことです。
「できれば経腟分娩(自然分娩)で産みたい」という妊婦さんもいるかもしれませんが、妊娠や分娩の経過によっては難しいこともあります。
「帝王切開で早く分娩を終わらせる方が、母体と胎児にとってリスクが少ない」と医師が判断した場合、その理由について妊婦さん本人や家族が説明を受け、同意したうえで帝王切開の手術を受けることになります。
帝王切開で回避できるリスクとは?
妊娠中にあらかじめ経腟分娩によるリスクが予想できている場合は「予定帝王切開」、妊娠中もしくは分娩中に母体や胎児の状態が悪化した場合は「緊急帝王切開」が行われます。
具体的には、次のようなケースで帝王切開となることがあります。
予定帝王切開
● 前回帝王切開で出産した
● 胎位異常(逆子など)
● 子宮の手術を受けたことがある
● 胎児の頭に対して母体の骨盤が狭い
● 前置胎盤
● 多胎妊娠(双子や三つ子)
● 巨大児
緊急帝王切開
● 胎児機能不全(赤ちゃんの状態の悪化)
● 分娩の停止(お産が進まない)
● 臍帯脱出(へその緒が胎児より先に出てきてしまうこと)
● 母体の持病や症状の悪化
● 重症の妊娠高血圧症候群
● 常位胎盤早期剝離
● 子宮破裂
● 前回帝王切開で出産し、予定帝王切開前に陣痛がきた場合
● 胎位異常(逆子など)で、予定帝王切開前に陣痛がきた場合
帝王切開による新生児リスクや後遺症は?
先述のとおり、そもそも帝王切開は、経腟分娩のリスクを回避するために選択される分娩方法です。ただし、帝王切開を行うことによるリスクもいくつか考えられます。
まず赤ちゃんへのリスクが気になるところですが、帝王切開を行うと、赤ちゃんが「新生児一過性多呼吸」などの呼吸障害を起こすことがあります(※2)。
新生児一過性多呼吸とは、何らかの原因で、胎児のときに肺の中を満たしていた肺液がうまく吸収されないことで、一時的に呼吸しづらくなるものです。
多くは軽症で済み、酸素投与を行うなどきちんと対処すれば2〜3日以内に治まります。後遺症が残ることも、ほとんどないとされています(※2)。
そのほか、予定日よりもかなり早く帝王切開で生まれた場合や、低出生体重児の場合、肺の機能が未熟なことで、呼吸器障害の一種である「呼吸窮迫症候群」に陥ることもあります(※2)。
その場合、術後も新生児集中治療室(NICU)などで治療と呼吸管理を行うことになります。呼吸窮迫症候群の場合も、重大な合併症を起こしていなければ、治療によって生後数日で症状が治まります。
帝王切開に伴う母体へのリスクは?
帝王切開は、手術を受ける妊婦さん本人へのリスクの方が多いため、術前に家族とともにしっかり理解しておく必要があります。
場合によっては、自然分娩の途中で急きょ帝王切開に切り替わることもあるので、分からないことはできるだけ早めにかかりつけの医師に聞いておくと安心です。
手術前・手術中のリスク
● 麻酔による神経麻痺
● 誤嚥性肺炎
● 出血多量
● 膀胱や尿管、腸の損傷
● 羊水塞栓症
手術後のリスク
● 血栓塞栓症
● 腸閉塞
● 麻酔による頭痛
● 感染症(産褥熱)
● 縫合部分の傷跡の開き
● 不正出血
● 次の妊娠でのトラブル(不妊、癒着胎盤、前置胎盤、子宮破裂など)
帝王切開のリスクは事前に知っておこう
帝王切開に対して抵抗がある妊婦さんもいるかもしれません。しかし、母子ともに元気に出産するためには、自然分娩よりも帝王切開の方が必要になるケースもあるということを知っておきたいですね。
妊娠経過がどんなに順調な妊婦さんでも、緊急帝王切開に切り替えると医師から告げられる可能性はあります。いざというときに落ち着いて状況把握できるよう、どんなリスクがあるのか、病院ではどんな対処をするのかなどを、家族とも共有しておきましょう。
※1 厚生労働省『平成28年我が国の保健統計 2. 医療施設の動向』p.27
※2 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』pp.359,406
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