2018年05月23日
気になる子どものあせも!治し方は?薬?シャワー?
汗をかいたまま放っておくと、「あせも(汗疹)」ができてしまうことがあります。特に子供はあせもができやすいので、ママやパパが予防やケアをしてあげることが大切です。そこで子供のあせもの原因や治し方、薬は効くのかなどについてご説明します。
子供のあせもの原因は?
あせもは、正式には「汗疹(かんしん)」と呼ばれる皮膚の疾患です(※1)。「汗腺」に汗やほこり、垢などが詰まって炎症を起こすと、小さな発疹ができます。これがあせもです。
特に、乳幼児は汗腺の活動が活発です。たくさん汗をかいたあとに放置したり、肌が汚れたままにしていると、汗腺がふさがれて汗が外に出られなくなり、あせもができやすくなってしまうのです。
子供のあせもの症状は?
子供によく見られるあせもは、汗腺のどの部分が詰まっているかによって「紅色汗疹」と「水晶様汗疹」の2種類に分けられます。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)
皮膚の少し深いところで汗腺が詰まり、皮膚の表面に小さな赤いブツブツができるのが紅色汗疹です。子供のあせもでもっともよく見られるタイプです。
背中や首周り、わき、足の付け根やおしりの割れ目、ひざの裏側などにできやすく、かゆみが強いのが特徴です。子供がかき壊したところに細菌が侵入して「とびひ」などを引き起こすことがあります(※2)。
炎症がひどくなってくると、大きなブツブツになったり、こすれることで悪化してチクチクとかゆみが強くなったりするので、注意が必要です。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
紅色汗疹よりも浅い、体の皮膚の表面に近いところに小さな水膨れのようなものができるのが、水晶様汗疹です。
かゆみがあまりなく、自覚症状が少ないので気づかないことも。特別な治療をしなくても、数日経てば自然に消えていきます。
なぜ子供はあせもができやすいの?
主に以下2つの理由で、子供の体にあせもができやすいと考えられています(※3)。
汗腺が密集している
汗腺の数は大人も子供もほとんど同じですが、子供は体が小さいので、大人と比べて皮膚の表面に汗腺が密集している状態です。汗腺が密集していると汗が溜まって蒸れやすく、あせもができやすくなるのです。
また、汗をかいても、子供は自分で着替える、シャワーを浴びるといったことがなかなかできないので、汗腺が詰まってしまいがちです。
汗をたくさんかく
子供は新陳代謝が活発なので、動いたり食事をしたりするとすぐに汗をかきます。
また、大人は成長の過程で体温調節機能が発達していますが、子供の体温調節機能は未発達なので、汗を大量にかきます。
汗が溜まりやすい状態で、汗をたくさんかくため、子供の体にはあせもができやすいのです。
子供のあせもの対策は?予防できる?
皮膚を清潔に保っておかないと、あせもは完治せず、繰り返してしまいます。かゆみを我慢するのは、子供にとってつらいことなので、できるだけあせもにならないようにホームケアをし、予防してあげましょう(※1)。
1. 汗をこまめに拭く
子供は汗をたくさんかくものです。あせもを気にして汗をかかせないようにするよりも、汗をかいたと思ったら、やわらかいガーゼやハンカチなどでこまめに拭いてあげてください。
また、汗を拭きとった後にこまめに着替えさせましょう。自分で汗を拭き取る習慣をつけさせることも大切です。
2. シャワーで汗を洗い流す
毎日必ずお風呂に入れて、体の表面についた汗を洗い流しましょう。公園で遊んだり、お昼寝をしたりして汗をたくさんかいたときは、シャワーで洗い流してあげるのも効果的。
ただし、あまり頻繁にシャワーを浴びると、皮膚を傷つけて逆効果になってしまうこともあるので、夏場でもシャワーに入る回数はほどほどにしましょう。
3. 通気性のよい衣類を選ぶ
通気性の悪い衣類を身に着けていると、汗をかいたときに蒸れやすくなり、あせもの原因になります。袖口が広く、襟元もスッキリとした衣類を選ぶようにして、吸湿・速乾性のある肌着を身につけさせましょう。
あせもは夏にできるもの、と思っている人もいるかもしれませんが、暖房の設定温度が高すぎたり、服を着せすぎたりすると、冬にあせもができることはあります。冬でも、子供が寒い思いをしない程度に薄着を心がけましょう。
4. 室温を適切に保つ
子供は室温が25度くらいから汗をかきます。そのため、外の気温が暑いときはクーラーなどで調整してあげましょう。
また、サーキュレーターや扇風機などで、部屋の空気を循環させるだけでも体感温度が下がり、赤ちゃんは汗をかきにくくなります。
子供のあせもの治療法は?薬で治る?
水晶様汗疹は放っておいても自然に治まっていくので、特別な治療は必要ありません。
一方、紅色汗疹ができて、先ほど紹介したような基本のケアをしても症状が改善しない場合や、症状がひどくてかゆみが引かない場合は、小児科や皮膚科を受診してきちんと治療しましょう。
病院では、症状に合わせて炎症を抑える作用のある飲み薬や塗り薬が処方されます。これらの薬を使えば、数日間で症状が落ち着きます。
ただし、突発性発疹や手足口病などでもあせものような湿疹が現れることがあります。薬を1週間ほど使っても炎症が改善されない、あるいは発熱など湿疹以外の症状がある、といった場合には、再度病院にかかり医師に相談してください。
子供のあせもの予防は清潔第一
肌を清潔に保ち、涼しい環境で過ごすことが、あせもの予防につながります。炎症がひどくなるとかゆみを我慢できなかったり、かき壊した傷口から細菌が入ってしまったりする恐れがあるので、ひどくなる前にしっかりケアしてあげてくださいね。
※1 南山堂『開業医の外来小児科学』pp.799-800
※2 日本皮膚科学会「とびひ」
※3 千葉県「専門・認定看護師会だより 2012.7. vol.7.」
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