2018年05月07日
母乳にいい食べ物、食べてはいけないものは?食事方法はどうしたらいい?
食べたものが母乳に影響を与える授乳中は、毎日の食事内容にも気をつかいますよね。何をどのくらい食べればいいのか、食べてはいけないものはあるのかなど、気にしなければならないポイントもたくさんあります。そこで、母乳にいい食べ物や食事方法、授乳中に食べてはいけないものについてまとめました。
母乳育児のコツは、良質な食べ物と食事内容!
母乳は、赤ちゃんが食事を摂れるようになるまでの栄養源であり、乳幼児突然死症候群のリスク低下や、急性中耳炎・アトピー性皮膚炎・喘息の予防など様々なメリットがあります(※1)。
また、母乳を分泌させることで、ママの子宮を収縮させ、元の状態に回復させる働きもあります。WHO(世界保健機関)では、少なくとも生後4ヶ月、できれば生後6ヶ月までは母乳のみで赤ちゃんを育てることを推奨しています。
母乳が出る仕組みは、プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンの働きによって乳房に血液が流れこみ、母乳が作られ、乳頭へと押し出されていきます。母乳の主原料は血液なので、血液を高める食事が母乳を作ることにつながります。
ただし、食事と母乳の質・量の関係性については、まだ調査報告が十分にされておらず、はっきりとした根拠がありません(※1)。
一方で、母乳外来や医師の監修による書籍でも、母乳の分泌に関して食事の指導をすることがあり(※2,3)、経験則としては食事と母乳の質・量に関係があるのではないかと考えられているのが現状です。
関係性ははっきりしていませんが、高塩分・高脂肪の食べ物は母乳の分泌に関係がある可能性が示唆されているため、控えておく方が無難だといえます。
母乳育児にいい食事方法とは?
母乳育児を成功させる鍵は「食事バランス」と「水分」です。
高塩分・高脂肪に偏った食事には気をつけましょう。厚生労働省によると、授乳中は1日に2,300l±300kcalほどのエネルギーが必要で、主食・主菜・副菜・乳製品などをバランスよく取り入れることで血液の質を高めることができますよ(※4)。
また、母乳に水分をとられることから脱水症状になりやすいので、水分の多い食材を食べることも大切です。食材をバランスよく組み合わせ、調理に脂肪や乳製品を多用しない和食の献立が母乳育児中の理想的な食事です。
母乳にいい食べ物とは?
それでは具体的にはどのような食べ物が母乳に良いとされているのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
白米
白米は母乳の主成分であり、体のエネルギーとなる炭水化物です。炭水化物が不足してしまうと、ママが低血糖になる恐れもあるので、毎食白米を1膳は食べるようにしましょう。
根菜類
野菜を多く摂ると体内の水分量が増え、さらりとした飲みやすい母乳になります。特に根菜は体を温める作用があり、血流をよくする効果があるので、授乳中は食事に積極的に取り入れてください。ごぼうを干し、煎じて作られた「ごぼう茶」も母乳育児の強い味方として有名ですよ。
脂肪の少ない肉、魚
たんぱく質や脂質は、母乳のもとになる血液が作られるうえで、欠かせない栄養素の1つです。良質で低脂肪の肉や魚といえば、鶏ささみや胸肉、牛肉の赤身、鯛などの白身魚もいいですね。魚からはさらにカルシウムを摂ることもできるのでおすすめです。
水分の多いメニュー
スープや鍋は水分が多く、体も温まるメニューです。一汁三菜という言葉もあるように、食事に1杯の汁物を加えることで、体に必要な水分量を補うことができますよ。特に根菜のお味噌汁は、体もあたためてくれるパワーフードです。
授乳中に食べてはいけないものはある?
母乳にいい食べ物をご説明しましたが、反対に母乳に良くない食べ物というものもあります。できるだけ高塩分・高脂肪・高カロリーの食事を避けることが大切です。授乳中は、赤ちゃんとママのために、以下の食べ物は控えるようにしましょう。
アルコール・カフェイン
母乳を介して赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうと、発育や脳に影響を及ぼす可能性があるとされています。授乳中の飲酒は控えるか、時間を置くなどの工夫をしてくださいね。
また、カフェインを摂取しすぎると赤ちゃんが興奮して寝つきが悪くなるなどの影響もあるので、適度に楽しんでください。
菓子パン
炭水化物をきちんと摂るのは大切なことですが、菓子パンのようにバターや砂糖、油を多く使っている食事は高脂肪なので、パンを食べるときは、できるだけ無添加の食パンがおすすめです。
お餅
白米は母乳にいいと説明しましたが、もち米は乳腺がつまりやすいと言われている人、体調が悪いときや赤ちゃんが体調が悪くなかなか吸ってくれないときは、控えた方が良いでしょう。
昔は「母乳を出すにはお餅を食べたほうがいい」という意見もありましたが、現代では通用しなくなっています。
もち米はカロリーが高いので、お餅やおこわ、お赤飯などは、粘度の高い母乳を生成しやすくなり、すぐにおっぱいが張ってしまいます。しかし、おっぱいがなかなか出ない人や張りにくい体質の人は食べても問題ありません。
生野菜など体を冷やすもの
サラダに使われる生野菜は体を冷やします。体が冷えることで血液の流れが悪くなってしまうので、野菜は極力火の通った蒸し野菜や温野菜にしましょう。種類もキュウリやナス、トマトなどの体を冷やす夏野菜ではなく、白菜や大根、ねぎ、にんじんなどの冬野菜を積極的に摂るようにしましょう。
揚げ物など脂肪分の多い食事
脂肪分の多い食べ物は、血液をドロドロにし、母乳の味を悪くしてしまいます。また、刺激臭のあるもの、香辛料やにんにくなど香りの強いものは、母乳に出てきやすく、赤ちゃんがその味を嫌がる場合があります。
揚げ物は赤ちゃんが飲みにくい母乳を作り出してしまうので、天ぷらやからあげなどの揚げ物、洋菓子などの脂肪分の多いお菓子は食べ過ぎに注意してください。
母乳育児では食べ物と上手に付き合うことも大事
食事に気をつかう母乳育児は、ときにはママの負担となり、ストレスの原因になってしまうこともあります。そして、ストレスと母乳量の関係は明らかになっていませんが、ストレスが自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンの分泌を抑えて母乳の出に影響を与える可能性があるという研究もあります(※1)。
食事に気を配ることも大切ですが、ご紹介した母乳育児に悪い食べ物も、一切口にしてはいけないものではありません。日々母乳やおっぱいの状態を良く見ながら、一度に大量に食べない、同じものを食べ続けないなどで工夫をしながら、上手に付き合っていきましょう。
いろんなものをバランスよく食べながら、母乳育児を楽しめるといいですね。
※1 株式会社南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』
※2 桶谷式乳房管理研鑽会母乳育児Q&A
※3 成美堂出版株式会社 『これで安心 0歳から1歳半育児大事典』P.105
※4 厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2015年)
母乳育児のコツは、良質な食べ物と食事内容!
母乳は、赤ちゃんが食事を摂れるようになるまでの栄養源であり、乳幼児突然死症候群のリスク低下や、急性中耳炎・アトピー性皮膚炎・喘息の予防など様々なメリットがあります(※1)。
また、母乳を分泌させることで、ママの子宮を収縮させ、元の状態に回復させる働きもあります。WHO(世界保健機関)では、少なくとも生後4ヶ月、できれば生後6ヶ月までは母乳のみで赤ちゃんを育てることを推奨しています。
母乳が出る仕組みは、プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンの働きによって乳房に血液が流れこみ、母乳が作られ、乳頭へと押し出されていきます。母乳の主原料は血液なので、血液を高める食事が母乳を作ることにつながります。
ただし、食事と母乳の質・量の関係性については、まだ調査報告が十分にされておらず、はっきりとした根拠がありません(※1)。
一方で、母乳外来や医師の監修による書籍でも、母乳の分泌に関して食事の指導をすることがあり(※2,3)、経験則としては食事と母乳の質・量に関係があるのではないかと考えられているのが現状です。
関係性ははっきりしていませんが、高塩分・高脂肪の食べ物は母乳の分泌に関係がある可能性が示唆されているため、控えておく方が無難だといえます。
母乳育児にいい食事方法とは?
母乳育児を成功させる鍵は「食事バランス」と「水分」です。
高塩分・高脂肪に偏った食事には気をつけましょう。厚生労働省によると、授乳中は1日に2,300l±300kcalほどのエネルギーが必要で、主食・主菜・副菜・乳製品などをバランスよく取り入れることで血液の質を高めることができますよ(※4)。
また、母乳に水分をとられることから脱水症状になりやすいので、水分の多い食材を食べることも大切です。食材をバランスよく組み合わせ、調理に脂肪や乳製品を多用しない和食の献立が母乳育児中の理想的な食事です。
母乳にいい食べ物とは?
それでは具体的にはどのような食べ物が母乳に良いとされているのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
白米
白米は母乳の主成分であり、体のエネルギーとなる炭水化物です。炭水化物が不足してしまうと、ママが低血糖になる恐れもあるので、毎食白米を1膳は食べるようにしましょう。
根菜類
野菜を多く摂ると体内の水分量が増え、さらりとした飲みやすい母乳になります。特に根菜は体を温める作用があり、血流をよくする効果があるので、授乳中は食事に積極的に取り入れてください。ごぼうを干し、煎じて作られた「ごぼう茶」も母乳育児の強い味方として有名ですよ。
脂肪の少ない肉、魚
たんぱく質や脂質は、母乳のもとになる血液が作られるうえで、欠かせない栄養素の1つです。良質で低脂肪の肉や魚といえば、鶏ささみや胸肉、牛肉の赤身、鯛などの白身魚もいいですね。魚からはさらにカルシウムを摂ることもできるのでおすすめです。
水分の多いメニュー
スープや鍋は水分が多く、体も温まるメニューです。一汁三菜という言葉もあるように、食事に1杯の汁物を加えることで、体に必要な水分量を補うことができますよ。特に根菜のお味噌汁は、体もあたためてくれるパワーフードです。
授乳中に食べてはいけないものはある?
母乳にいい食べ物をご説明しましたが、反対に母乳に良くない食べ物というものもあります。できるだけ高塩分・高脂肪・高カロリーの食事を避けることが大切です。授乳中は、赤ちゃんとママのために、以下の食べ物は控えるようにしましょう。
アルコール・カフェイン
母乳を介して赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうと、発育や脳に影響を及ぼす可能性があるとされています。授乳中の飲酒は控えるか、時間を置くなどの工夫をしてくださいね。
また、カフェインを摂取しすぎると赤ちゃんが興奮して寝つきが悪くなるなどの影響もあるので、適度に楽しんでください。
菓子パン
炭水化物をきちんと摂るのは大切なことですが、菓子パンのようにバターや砂糖、油を多く使っている食事は高脂肪なので、パンを食べるときは、できるだけ無添加の食パンがおすすめです。
お餅
白米は母乳にいいと説明しましたが、もち米は乳腺がつまりやすいと言われている人、体調が悪いときや赤ちゃんが体調が悪くなかなか吸ってくれないときは、控えた方が良いでしょう。
昔は「母乳を出すにはお餅を食べたほうがいい」という意見もありましたが、現代では通用しなくなっています。
もち米はカロリーが高いので、お餅やおこわ、お赤飯などは、粘度の高い母乳を生成しやすくなり、すぐにおっぱいが張ってしまいます。しかし、おっぱいがなかなか出ない人や張りにくい体質の人は食べても問題ありません。
生野菜など体を冷やすもの
サラダに使われる生野菜は体を冷やします。体が冷えることで血液の流れが悪くなってしまうので、野菜は極力火の通った蒸し野菜や温野菜にしましょう。種類もキュウリやナス、トマトなどの体を冷やす夏野菜ではなく、白菜や大根、ねぎ、にんじんなどの冬野菜を積極的に摂るようにしましょう。
揚げ物など脂肪分の多い食事
脂肪分の多い食べ物は、血液をドロドロにし、母乳の味を悪くしてしまいます。また、刺激臭のあるもの、香辛料やにんにくなど香りの強いものは、母乳に出てきやすく、赤ちゃんがその味を嫌がる場合があります。
揚げ物は赤ちゃんが飲みにくい母乳を作り出してしまうので、天ぷらやからあげなどの揚げ物、洋菓子などの脂肪分の多いお菓子は食べ過ぎに注意してください。
母乳育児では食べ物と上手に付き合うことも大事
食事に気をつかう母乳育児は、ときにはママの負担となり、ストレスの原因になってしまうこともあります。そして、ストレスと母乳量の関係は明らかになっていませんが、ストレスが自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンの分泌を抑えて母乳の出に影響を与える可能性があるという研究もあります(※1)。
食事に気を配ることも大切ですが、ご紹介した母乳育児に悪い食べ物も、一切口にしてはいけないものではありません。日々母乳やおっぱいの状態を良く見ながら、一度に大量に食べない、同じものを食べ続けないなどで工夫をしながら、上手に付き合っていきましょう。
いろんなものをバランスよく食べながら、母乳育児を楽しめるといいですね。
※1 株式会社南江堂 『エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』
※2 桶谷式乳房管理研鑽会母乳育児Q&A
※3 成美堂出版株式会社 『これで安心 0歳から1歳半育児大事典』P.105
※4 厚生労働省/日本人の食事摂取基準(2015年)
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