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2012年09月06日
[アメリカの小さな町で]「語るに足る、ささやかな人生」(駒沢敏器)が暖かい!
[アメリカの小さな町で]
「語るに足る、ささやかな人生」(駒沢敏器)が暖かい!
旅行記ってはまります。
この著作も分類するなら旅行記ということになります。
飛行機でアメリカ大陸を横断したときに、痛切な後悔を感じた著者。
風景だけではどこだか分からず手持ちのラジオを聞くと、
土地ごとに放送が代わり、DJは町の名前を告げていた。
後書きによると、その瞬間、
「アメリカの小さな町をつないで旅をしたい!」
陸路でアメリカを横断する旅をしたい!と思ったそうです。
そして実現させ、その体験を文字でまとめた。
うらやましいです。
面白そうです。
その行動力に憧れます。
この本を読むと大都会と小さな町の違いの本質が良く伝わってきます。
とくに、都会に住んでいる人にお勧めです。
小さな町に住むことの意味は
小さな町を訪れて
その町の人たちと接して
その暮らし振りを垣間見ることで理解できます。
本の帯にはこうあります。
「アメリカ全土に無数に散らばるスモールタウン。
そこで出会った人々は、生きることの基本的な意味を教えてくれた。
心温まる13の短編で紡ぎだされるロード・フォークロア。
ーーここには乾いた温もりがある」
一番印象に残った章は第7章
「最も素晴らしいスモールタウン」インディアナ州 モーガンタウン
アメリカの典型的ブレックファーストの写真が本当においしそう!
「人口は980人だ。雰囲気がとてもいいことは、町に入ったときからはっきりと感じていた。
決して裕福そうではないのだが小綺麗で、
古いけれど生活に必要な最小限の店が揃っているのだ。」
気の良い、年配のご夫人たちとの会話のあと、期待を感じながら、
「まったく普通のもの」を、町の常連さんで賑わうランチタイムの
「キャシーズ・カフェ」で注文する著者。
著者によると、それは、卵2個分のサニーサイド・アップとトースト、
ベーコン、そしてハッシュブラウンのこと。
そう、写真の朝食です。
「ごたごたした夕食なんかより、その店の実力とか基本の味というのは、朝食的なメニューにこそ表れる。これは日本でも同じことだ。ご飯と味噌汁と漬け物がしっかりしていない店の夕食がどうして美味しいことなどあるだろうか」
もう、凄く納得です。
ここからの文章がとても気に入っているので引用します。
「味はなけた。これなら毎日来たくなるはずだと思った。
味にもいろいろと種類があるけれど、
何かDNAに染みこんで遺伝子情報に組み込まれてしまったような味、というのもある。
それは舌とか経験で味わうものではなく、体と心と記憶を総動員して魂で味わう質のものだ。
「キャシーズ・カフェ」の味は、まさにそんな感じだった。
基本中の基本が何を食べても揺らぐことなく根底にどっしりとあって、
それは実にダウンアース的と言っていいほどに地に足のついた普遍的なものだった。
満腹感よりもさらに幸せなのは満足感であり、
そして何か懐かしくて大切なものに触れたときの安堵感だ。
それを体と心で感じながら、僕は入れ立てのコーヒーを飲んだ。
エンドレスで50セントだ。いくらスモールタウンとは言っても、
僕はこんな値段のコーヒーは見たことがなかった。この価格設定からしてみても、
やはり、「キャシーズ・カフェ」は単なる町のレストランではなく。
何かの意思のもとに経営されていることがうかがえた。
熱い気持ちは伝わる。
ランチタイムのあとも一人テーブルに座り続けていた著者のもとに
中年の主人がやってきて「君が必要としているのは私だろう?」と近づいて来る。
そして、この店の物語を著者に伝えてくれるのです。
良い話です。熱くなります。元気が出ます。自分もがんばろうと言う気持ちになります。
人生って面白いって思えます。
おすすめですよ。
ハードカバー
文庫版
「語るに足る、ささやかな人生」(駒沢敏器)が暖かい!
旅行記ってはまります。
この著作も分類するなら旅行記ということになります。
飛行機でアメリカ大陸を横断したときに、痛切な後悔を感じた著者。
風景だけではどこだか分からず手持ちのラジオを聞くと、
土地ごとに放送が代わり、DJは町の名前を告げていた。
後書きによると、その瞬間、
「アメリカの小さな町をつないで旅をしたい!」
陸路でアメリカを横断する旅をしたい!と思ったそうです。
そして実現させ、その体験を文字でまとめた。
うらやましいです。
面白そうです。
その行動力に憧れます。
この本を読むと大都会と小さな町の違いの本質が良く伝わってきます。
とくに、都会に住んでいる人にお勧めです。
小さな町に住むことの意味は
小さな町を訪れて
その町の人たちと接して
その暮らし振りを垣間見ることで理解できます。
本の帯にはこうあります。
「アメリカ全土に無数に散らばるスモールタウン。
そこで出会った人々は、生きることの基本的な意味を教えてくれた。
心温まる13の短編で紡ぎだされるロード・フォークロア。
ーーここには乾いた温もりがある」
一番印象に残った章は第7章
「最も素晴らしいスモールタウン」インディアナ州 モーガンタウン
アメリカの典型的ブレックファーストの写真が本当においしそう!
「人口は980人だ。雰囲気がとてもいいことは、町に入ったときからはっきりと感じていた。
決して裕福そうではないのだが小綺麗で、
古いけれど生活に必要な最小限の店が揃っているのだ。」
気の良い、年配のご夫人たちとの会話のあと、期待を感じながら、
「まったく普通のもの」を、町の常連さんで賑わうランチタイムの
「キャシーズ・カフェ」で注文する著者。
著者によると、それは、卵2個分のサニーサイド・アップとトースト、
ベーコン、そしてハッシュブラウンのこと。
そう、写真の朝食です。
「ごたごたした夕食なんかより、その店の実力とか基本の味というのは、朝食的なメニューにこそ表れる。これは日本でも同じことだ。ご飯と味噌汁と漬け物がしっかりしていない店の夕食がどうして美味しいことなどあるだろうか」
もう、凄く納得です。
ここからの文章がとても気に入っているので引用します。
「味はなけた。これなら毎日来たくなるはずだと思った。
味にもいろいろと種類があるけれど、
何かDNAに染みこんで遺伝子情報に組み込まれてしまったような味、というのもある。
それは舌とか経験で味わうものではなく、体と心と記憶を総動員して魂で味わう質のものだ。
「キャシーズ・カフェ」の味は、まさにそんな感じだった。
基本中の基本が何を食べても揺らぐことなく根底にどっしりとあって、
それは実にダウンアース的と言っていいほどに地に足のついた普遍的なものだった。
満腹感よりもさらに幸せなのは満足感であり、
そして何か懐かしくて大切なものに触れたときの安堵感だ。
それを体と心で感じながら、僕は入れ立てのコーヒーを飲んだ。
エンドレスで50セントだ。いくらスモールタウンとは言っても、
僕はこんな値段のコーヒーは見たことがなかった。この価格設定からしてみても、
やはり、「キャシーズ・カフェ」は単なる町のレストランではなく。
何かの意思のもとに経営されていることがうかがえた。
熱い気持ちは伝わる。
ランチタイムのあとも一人テーブルに座り続けていた著者のもとに
中年の主人がやってきて「君が必要としているのは私だろう?」と近づいて来る。
そして、この店の物語を著者に伝えてくれるのです。
良い話です。熱くなります。元気が出ます。自分もがんばろうと言う気持ちになります。
人生って面白いって思えます。
おすすめですよ。
ハードカバー
文庫版