どうしようもない男の自叙伝

はじめての逮捕・拘留から2日が経過し、
ようやく初めての面会日を迎えた日のお話しです。



3日目の朝も、留置所で一連の流れを済まし、
『S』さんと部屋で雑談をしていました。
所内ではあまり大きな声で談笑などをしていると
管理課の署員に注意を受けますが、
その日の当番署員によっては、気さくに
話しかけてくる者もいました。

その日は、若い担当署員と私、『S』さんとで
軽く談笑していると「17番！！」
と、大きな声で呼ばれました。
ここでは基本的に個人名で呼ばれることはありません。
そうです・・・私には17番という名前が与えられました

おそらく、喋り過ぎで注意されるのかとおもいきや・・・
「面会や。奥さんが来てる。受けるか？」との事。

やっと嫁と会える。
ようやく外部の人間と話せる。

もちろん面会は受けると返事し、部屋を出る準備をしました。
部屋を出ると、手錠をかけられ監視の留置職員に
ロープで繋がれて面会室まで向かいます。
そして、面会室の前で扉の小窓から面会者を確認し、
部屋の前で、手錠とロープを外されました。

監視員と入室し、逮捕後初めての面会となりました。
面会は一日に一回、時間はわずか15分。
話の内容によっては、中断される事もあるので、
会話には十分気をつけるように言われていました。

面会には嫁と母親が来てくれていました。
アクリル板越に二人の顔を見た瞬間、涙が溢れました。
情けなさと、申し訳なさ・・・色んな感情が込み上げてきて、
話したいことがいっぱいあるのに、
たった15分の間に、何から話し、何を伝えたらいいのか・・・
頭が真っ白で、ただ謝るのが精一杯でした。

そして嫁からは
今回の事件が新聞の地方版ページに載り、名前が出た事、
翌日から、子供たちは学校を休ませている事、
こんな事になって、この先どうなるか分からないけど
とりあえず、私が出てくるまでは待つつもりだという事、
等を聞かされました。

こんな感じで、初めての面会はあっという間に終了。
私が何も言えず、ただ情けない気持ちになっただけでした。

その後、嫁は週に2回面会に来てくれる事になります。
次回は内緒の借金を打ち明けた話を書きたいと思います。

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つまらない自叙伝ですが、
お付き合いいただければ幸いです。

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