4〜6月頃に直径1cm 程度の鮮やかな紅色の球形の実を付ける。
漢字では「蛇苺」と、不運な名前の為に毒草だと思われ易いが、毒性はない。
食べても拙いので、「蛇にでも食わせろ」と言うのが和名の由来とされている。
けれどもこの蛇苺、確かに旨くはないけれど、思いのほか役に立つ野草なのだ。
漢方では花が咲く時期の全草を乾燥させた物を「蛇苺(じゃばい)」と言う生薬名で呼ぶ。
煎じて服用すると、解熱や月経の促進、咳止めなどに高い効果を発揮する。
熟した果実をホワイトリカーや焼酎に漬け込んで薬酒を作り置き、棘や虫に刺された患部、歯茎の晴れなどに塗布すると即効性がある。
なのでこれからは蛇苺の花や実を見付けたら、「蛇などに食わせてなる物か!」とせっせと摘む事をお勧めしたい。
大海 淳 エッセイスト。 1943年、名古屋市出身。 早稲田大卒。
山野を渡り歩き、登山や釣り、山菜採りなどアウトドアに詳しい。
主な著書に「七十二候を楽しむ野草図鑑」(青春出版社)など。
愛媛新聞 野草と紡ぐ暮らしから
蛇苺、毒性はないらしい。
確かに食べると拙い。
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