2012年06月30日
薬効野菜 ナス
薬効野菜 ナス
分類 ナス目 ナス科 ナス属 ナス
和名 茄子
英名 Eggplant
ナス、生
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 102 kJ (24 kcal)
炭水化物 5.7 g
- 糖分 2.35 g
- 食物繊維 3.4 g
脂肪 0.19 g
- 飽和脂肪酸 0.034 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.016 g
- 多価不飽和脂肪酸 0.076 g
タンパク質 1.01 g
- トリプトファン 0.009 g
- トレオニン 0.037 g
- イソロイシン 0.045 g
- ロイシン 0.064 g
- リシン 0.047 g
- メチオニン 0.011 g
- シスチン 0.006 g
- フェニルアラニン 0.043 g
- チロシン 0.027 g
- バリン 0.053 g
- アルギニン 0.057 g
- ヒスチジン 0.023 g
- アラニン 0.051 g
- アスパラギン酸 0.164 g
- グルタミン酸 0.186 g
- グリシン 0.041 g
- プロリン 0.043 g
- セリン 0.042 g
水分 92.41 g
ビタミンA相当量 1 μg (0%)
- βカロテン 16 μg (0%)
- ルテインおよびゼアキサンチン 0 μg
ビタミンB1 0.039 mg (3%)
ビタミンB2 0.037 mg (2%)
ビタミンB3 0.649 mg (4%)
パントテン酸(ビタミンB5) 0.281 mg (6%)
ビタミンB6 0.084 mg (6%)
葉酸(ビタミンB9) 22 μg (6%)
コリン 6.9 mg (1%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
ビタミンC 2.2 mg (3%)
ビタミンD 0 IU (0%)
ビタミンE 0.3 mg (2%)
ビタミンK 3.5 μg (3%)
カルシウム 9 mg (1%)
鉄分 0.24 mg (2%)
マグネシウム 14 mg (4%)
マンガン 0.25 mg (13%)
セレン 0.3 μg (0%)
リン 25 mg (4%)
カリウム 230 mg (5%)
塩分 2 mg (0%)
亜鉛 0.16 mg (2%)
ナス(茄子、なす、奈須比)はナス科ナス属の植物。また、その果実のこと。
原産地はインドの東部が有力である[1]。
その後、ビルマを経由して中国へ渡ったと考えられている。
中国では広く栽培され、日本でも1000年以上に渡り栽培されている。
温帯では一年生植物であるが、熱帯では多年生植物となる。
日本には奈良時代に、奈須比(なすび)として伝わった。
土地によっては現在もそう呼ばれることがある。
女房言葉により茄子となった。以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となった。
葉とヘタには棘があり、葉には毛が生えている。
世界の各地で独自の品種が育てられている。
加賀茄子などの一部例外もあるが日本においては南方ほど長実または大長実で、北方ほど小実品種となる。
本州の中間地では中間的な中長品種が栽培されてきた。
これは寒い地域では栽培期間が短く大きな実を収穫する事が難しい上に、
冬季の保存食として小さい実のほうが漬物に加工しやすいからである。
しかし食文化の均一化やF1品種の登場により野菜炒めや焼き茄子など、
さまざまな料理に利用しやすい中長品種が全国的に流通している。
日本で栽培される栽培品種のほとんどは果皮が紫色又は黒紫色である。
しかしヨーロッパやアメリカ等では白・黄緑色・明るい紫、さらに縞模様の品種も広く栽培される。
果肉は密度が低くスポンジ状である。ヘタの部分には鋭いトゲが生えている場合がある。
新鮮な物ほど鋭く、鮮度を見分ける方法の一つとなるが、触った際にトゲが刺さり怪我をすることがある。
収穫の作業性向上や実に傷がつくという理由から棘の無い品種も開発されている。
品種によってさまざまな食べ方がある。
小実品種は漬物、長実品種は焼き茄子、米茄子はソテー。栄養的にはさほど見るべきものはないが、
東洋医学では体温を下げる効果があるとされている。また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。
なかには、「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているもの
熊本県などで「赤ナス」の商品名で栽培されている食用の品種とは別物)もある。
赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる(観賞用の赤ナスは味などにおいて食用には適さないとされる)。
基本は「三本仕立て」である。一番花のすぐ下2つのわき芽を残し、他のわき芽はすべて摘み取る。原産がモンスーン気候地帯であることから、蒸し暑い日本の夏を好む。乾燥を嫌うため、藁やビニールなどでマルチングをするとよい。「ナスの葉は座布団にせよ」との諺があるほどで、開花するまでに枝葉を充分に発達させる。畝幅は広めに取り、根張りをよくするために肥料は薄く幅広くまんべんなく施す。追肥を充分に与える。石ナスと呼ばれる食用に適さない硬い実が着く事がある。石ナスの原因は水不足や肥料不足などとされるが主な原因は受粉(受精)不良であり、さらに詳しくは受精後に分泌される植物ホルモンの不足である。
受粉不良の原因は水不足や肥料不足などによる樹勢の低下である。また温室・ハウス栽培では樹勢が十分であっても低温や高温によって花粉の受精能力が低下しやすく、この場合は人工的に植物ホルモンを与えてやれば解決する。
7月末頃になると、病虫害や自然な傷み、さらに枝の老化によって実付きが悪くなる。そこで、お盆頃に思い切って地面から高さの約2分の1くらいの高さに切返し剪定(更新剪定)を行う。切り返し剪定と同時に根元にスコップを刺して根を切断することもある。これを行うことによって9月には再び新芽が出てきて、美味しい「秋ナス」が収穫できる。冬作物の作付けの為に早めに栽培を終了する場合は切り返し剪定を行わない事もある。
また、ナスは連作障害を起こしやすい野菜である。ナスを連作した場合のみならず、トマト、ジャガイモ、ピーマン、シシトウなど同じナス科の野菜とも相性が悪く、何も処置を施さない場合、5〜7年以上間を空けないと障害が起きやすいといわれている。
皮の色は紫外線を浴びる事で発色する。かつて温室やハウス栽培では被覆資材が紫外線を吸収してしまい実に色が着かない問題が発生したことがある。現在では紫外線を透過する資材が利用されている。紫外線を通さないシールを貼り付ける事で実に模様を描くことができる。
食用
未熟で果肉や種子が柔らかいうちに収穫し、食用とする。
焼く、煮る、揚げるなどあらゆる方法で調理される。淡白な味で他の食材とも合せやすく、また油を良く吸収し相性が良い。野菜炒めなどで油を吸わせたくない場合は、油を入れる前にナスを少量の水で軽く煮るように炒めて、スポンジ状の実に水分を含ませてやると油を吸い難くなる。皮も薄く柔らかいので剥かずに調理されることが多い。 また、茄子は古くからフグと相性が良いとされ、てっちりやフグ汁には切ったナスが盛り込まれることがある。
ナス科植物なのでアルカロイド(灰汁)を多く含み、一部の品種を除き生食はされない。
加熱調理しない場合は漬物にするか、塩揉みで灰汁抜きしてから供される。
塩で揉んだ後さらにマリネなどに加工されることもある。多くの栽培品種は、品種改良により灰汁が少なくなっている。
大阪の泉州水茄子など水なすと呼ばれる一部の品種は生食が可能で、
皮を剥いて味噌だれで食べることができるほか、漬け物(ぬかづけ)などにもする。
よく『切ったら水に浸してアク抜きをする』とされるが、効果はなく無意味。
切断面の空気酸化による変色を防ぐ酢水さらしが、誤って広まったもの。
文化
初夢の縁起物:「一富士、二鷹、三茄子」
お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」
と呼ばれるキュウリやナスで作る動物を用意する。
4本の麻幹あるいはマッチ棒、折った割り箸などを足に見立てて差し込み、馬、牛とする。
キュウリは足の速い馬に見立てられ、あの世から早く家に戻ってくるように。
ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、
また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いが込められている。
七夕の「七夕馬」に真菰や藁などの材料のかわりに、キュウリやナスを使う地域もある。
ナスの黒焼きを原料にした歯磨き粉がある。
子供の嫌いな野菜として挙げられることが多い。
二宮尊徳は夏前にナスを食べたところ秋茄子の味がしたため冷夏になることを予測した。
「ナスと一緒に料理すれば、毒キノコで中毒は起きない」とする言い伝えがあるが、
全くの迷信であり、ナスにそのような効用は存在しない。
言い習わし
「秋茄子は嫁に食わすな」
この言葉は「秋茄子わささの糟に漬けまぜて 嫁には呉れじ棚に置くとも」という歌が元になっており、
嫁を憎む姑の心境を示しているという説がある。
また、「茄子は性寒利、多食すれば必ず腹痛下痢す。女人はよく子宮を傷ふ(養生訓)」などから、
嫁の体を案じた言葉だという説もある。
さらに、そもそも「嫁には呉れじ」の「嫁」とは「嫁が君(ネズミのこと)」の略であり、
それを嫁・姑の「嫁」と解するのは後世に生じた誤解であるとする説がある。
しかし「嫁が君」は正月三が日に出てくるネズミを忌んでいう言葉であり、
「秋茄子わささの〜」の解としては(季節が合わず)やや疑問ではある。
ナスは熱帯の植物であり8月上旬までに開花・結実した実でなければ発芽力のある種子を得ることが難しい。
そこから秋ナスは子孫が絶えると連想したという説もある。
「親の小言と茄子の花は千に一つの無駄もない」
ナスの花が結実する割合が高いことに、親の小言を喩えた諺。
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