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2018年02月03日

◆フリー文章ネタ素材42「でぶの国」

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短髪長身、細め体型の、ハヤセ。
30手前で独身の彼は、遠洋漁業の漁師だ。
日焼けした健康的な肌が魅力的である。
今回は例年に比べて大漁で、
港に戻れば、漁協仲間主催の合コンが待っている。
彼は心躍らせながら、帰路についていた。

好事魔多し、の言葉どおり
テンプレのごとく船は嵐に会い、
ハヤセは荒れ狂う海へ振り落とされてしまう。


気が付くと、南国らしき島の砂浜に打ち上げられていた。
「ここはどこだ?」

ゆっくり立ち上がり、自分で体を調べ、
海水を飲んだ以外にはほぼ無傷だということを確認する。
次に頭の中で海図を確認するが、
この場所がどこか、全く見当がつかない。
近くに大きめの板キレが打ち上がっているところを見ると
これにつかまって、ここまで流されてきたらしい。

「まずは、人のいるところを探さないと」

服がほぼ乾いていることに安心し、
海岸林を抜け、内陸へ歩き出すハヤセ。
マリンレジャー地区のような観光地らしいところへ辿り着いたが
何やら違和感を感じる。

「…そうか、みんな太ってるんだ」
一人残らず、肥満体型なのだ。




皆がハヤセを見て眉をひそめ、指さしている。
中には馬鹿にしたように笑いだすヤツもいる。
耳をすませて言語を伺うと、どうやら訛りの強い英語のようだ。
とても太っている、という共通点以外、
肌の色や顔立ちの違いから見て、多人種が住んでいるらしい。

大変不愉快だが、こいつらに助けを求めないと帰れない、と
意を決して話しかけようと近づくと
蜘蛛の子を散らすように、ドスドス、と逃げていく。
少し離れた場所にパトカーのような車
(太っている人仕様なのでワゴンっぽい)が停まり
まるで猛獣を捕まえるごとく、網と催涙ガスらしきものを持って
ぴちぴちの防護服を着た男たちがハヤセを包囲していく。

日常会話レベルの英語で必死に会話を試みるが、
彼らの表情は、
エイリアンを見つけて捕獲するための決死隊そのままである。
大量に噴射されるガスで意識を失いながら
ハヤセは自分に巻き付く捕獲網の締め付けを感じた。




目を覚ましたのは、
一流ホテルの一室とも、牢屋ともとれる場所だった。
寝ていたベッドは調度からして高級品で
部屋の備品は西洋とも東洋ともつかないデザインだが
高価なものだということは見て取れる。
しかし、ハヤセの右足には太い鉄輪が着けられていて
窓には鉄格子がはまり、何よりドアが見当たらない。

突然、壁の一部分が開き
40歳くらいのアジア系の顔立ちをした
太った男が入ってきた。
高貴で頭の切れそうな感じだ。
ハヤセが身動きする間もなく開口部は閉じてしまい
脱出するすべが、全くわからない。

「中国人?韓国人?日本人?違う?」
強い訛りの英語で聞かれたので、日本人、と答える。
「日本、アニメいいよねー」
と、日本語で返される。

「名前は?」
「ハヤセ、です」
「魚をとる仕事の人?」
「はい。嵐に合って遭難してしまいました」
「大変だねー」

日本語で話してくれるが決して流暢ではないので
ハヤセも身振りを添えながら、なるべくわかりやすく
日本に帰るにはどうしたらいいか、と聞いてみる。

「いいえ。帰るのはできません」
「なぜですか?」
「この国は、世界に知られてはいけないからです」
「帰ってもここのことは、絶対誰にも話しません。
家に帰りたいのです」
「ここは、アニメは少ないけど、いい国です。
あなたに困るをさせません」

壁の別の部分が開き、
小太りの美しい女性が薄衣をまとった姿で現れる。
「あなたに、奴隷、あげます。
だから死ぬまでここにいてください。
世界のこと、私に教えてくれるだけでいいです」
そう言って笑うと、また別の壁に出口が出来上がり
太った男は出て行ってしまった。




「日本に帰ることは、諦めてください」

突然、きれいな東京弁で奴隷に話しかけられたので
ハヤセはびっくりする。
「ここは、でぶの国なんです。
太ってない人間は、化け物に近い扱いなので
この部屋から出ること自体、危険です。
私は、ここに漂着してから、身の安全のために太らされました」
改めて奴隷の姿を見ると、まだ高校生くらいにも見える。
あどけなさが残る幼い表情なので、
薄衣にもかかわらず色気がなく、かえって気楽に話すことができた。
「でぶの国?太らされる?」
「このあとハイカロリーな食事が運ばれてくるかと思います。
毎日毎日それを食べてください。
それから、あなたの足輪には、カメラとマイクがついています。
全ての行動が監視されています」
とりあえず、頷くハヤセ。
「わたしはあなたに、この素晴らしいでぶの国にずっといて欲しいです。
監視と言っても、みなさん、あなたの体調を心配しての
管理の意味の監視なんですよ」
うんうん、と、とにかく相槌を打つ。
「ハヤセさまは…東北の方ですか?」
驚いたハヤセが、思わず声を出す。
「よくわかったね。北日本の港には、全部行ったことがあるよ」
「素敵です!」
と奴隷は言うと、急にハヤセに抱きつき
耳たぶにキスをしながら、小さな声でつぶやいた。

「エサカエリテ」

津軽弁で、「家に帰りたい」の意味だ。
ハヤセはぷよぷよした奴隷の体を離しながら、
目を見て言った。

「少し疲れたから、ちょっと眠りたいんだ。
えっと…『あべ』?」
奴隷は満面の笑みを浮かべて言う。
「わたしは、『アユ』と申します」
お休みになる前の飲み物をお持ちしますね、と
アユはハヤセを嬉しそうに見つめながら、そばを離れた。

「あべ」は、津軽弁で「一緒に行こう」。


でぶの国とは、一体何なんだろうか。
2人は脱出できるのだろうか。


だれか、続きをお願いします。

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