2020年02月13日
線路
JRなど列車の走る音って良いと思うんです。
列車の走る音って文字にすると、「ガタンゴトン」が多いと思います。
小学生の頃、床屋のおっちゃんになぞなぞを出題されたことがあります。
列車の重さは何トン?って。ガタンゴトンだから、5トンなんだそうです。
小学生の私でもシラケました(シラケ = 死語?)。
おっちゃんは笑います。小学生でも一応、社交辞令は覚えていましたので私も笑ったように振る舞うと、おっちゃん、味を占めたのか何度も同じ出題をされて困った記憶があります。
さて、このガタンゴトンですが列車の車輪がレールのジョイントを通過するときの音です。
(いまさらですが)
レール一本の長さは昔読んだ本によると、20m。
レールは鉄製だから、気温が上昇すると膨張して少し長くなります。
もしレールとレールをピッタリつなげてしまったら、膨張したときレール同士が押し合ってたわんでしまい、湾曲して走る列車は危険です。なのでレールとレールの間は数センチ離して線路を敷設しています。
この数センチ離してあるギャップがジョイントです。
このジョイントに車輪が落ち込むとき、ガタンゴトンという音を発します。
私には「ガタンゴトン」というより「タタッタタッ」という、もっと乾いた音に聞こえます。
この「タタッタタッ」というリズム(?)は、車両の構造によります。
列車一両には大抵、台車が二つ付いていて、台車には2軸ずつ車輪が付いています。
普通、何両も連結されていますから、連接する車両の端と当車両の端、それら二つの台車からの音です。
ただ、これは外から聞いた列車のジョイント音です。
外で聞くと「タタッタタッ」です。しかし乗っている列車の中からは
「タタタタッタタッ」なのわかります?
このうち初めの「タタタタッ」は、上の「タタッタタッ」です。
しかし乗っている列車は外で見る列車より速く走っていることが多いので短く「タタタタッ」です。
さらに「タタタタッ」、これを二つに分けると、初めの「タタ」は隣の車両、自分に近い方の「タタ」です。
次の「タタッ」は乗っている車両の「タタッ」です。
もう一つ、終りの「タタッ」は、自分の乗っている車両、遠くの台車から聞こえる「タタッ」です。
列車に乗っていれば同じ車体を伝わってくるため、遠くの台車の音も聞こえます。
しかし、外から聞くと遠くの台車の音は聞こえてきません。
さっきたまたまYouTubeで列車の音を紹介した動画を見て、このことを思い出しました。
もう、かなり前から幹線ではロングレールが当たり前になったようです。
ロングレールは短いレールを溶接でつなぎ合わせ、一本1kmほどのレールにします。
レールが長いと熱膨張したとき、数センチのギャップでは足りないため、レールの継ぎ目は特殊です。
もちろん、ロングレールから「タタタタッタタッ」なんて音は聞こえてきません。
昔、線路といえば砂利に木製の枕木を置き、レールは犬釘という犬の耳のような釘で打ち付けてありました。
バラスト(砂利)はもともとグレーの石色ですが、レールの錆を吸い、茶色に変色していました。
まだタバコが嫌がられる前、駅ホームのバラストにはおびただしい数の吸い殻が落ちていました。
今は枕木もコンクリート製のPC枕木になり、レールはPC枕木にボルト止めです。
嫌煙社会になったため、駅構内は禁煙。タバコの吸い殻もなくなりました。
私もいま、移動手段は通勤のバスか自動車です。
でも私がまだ小さかった頃、近所に自動車なんてまだ多くありませんでした。
そんな頃から変わらず列車はあります。列車から聞こえてくるジョイント音って、なぜか情緒を感じます。
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