2019年09月07日
ずれ
通勤途中、前方に普通と違う車が見えました。
詳しくないのですが、これはランボルギーニ アヴェンタドールでしょうか。
中古の安いものでも4千万円近くします。札幌ナンバーです。
タイヤの扁平率はいったい何パーセントなんだか(笑)
昔1970年代、東京の街中でランボルギーニ カウンタックを見ることがごくたまにありました。
出くわすのは同じような確率でしょう。
このランボルギーニは初め、バスの前方を走っていましたが右車線に移るとやがてバスと並走し、バスが追い抜くことになりました。
そのとき私は
「どんな奴が乗っているのだろう?」
と運転席をのぞき込みます。
たぶん30〜40歳代の男性。
バスでは窓側の隣に70歳くらいの男性が座っていました。
私はランボルギーニの運転手を見るのと同時に、隣の男性の視線も追いました。
やはり、ランボルギーニの運転手を見ています。
そこで私から
「やはり見てしまいますよね。」
と言いました。
男性は
「うるさいだけだ。」
と言います。
確かに爆音を響かせています。
私は“好奇心”と“冷やかし”で運転手を見ました。
男性の言葉には一見、“無関心”と“迷惑”が表れています。
でも実際には“好奇心”と“やっかみ”が感じ取れます。
これが“ずれ”だと思いました。
運転手の職業は何でしょうか。
わかりませんが、サラリーマンではないでしょう。
何かを経営している社長、または働かずして金を得る“仕掛け”を持っている人。
最低4千万円なんて車、私にはもう一生、縁のないものでしょうが、運転手にとってもどうなのか。
経営コンサルタントをしている友人に言わせると、
「事業をしていて一度軌道に乗ると、これがずっと続くものだと勘違いする。」
だから経営コンサルタントは仕事として成り立つんだと。
私も自営業をしていたのでこの錯覚はよくわかります。
でもこの4千万円の車を乗る人間、金銭感覚はどうなのだか。
先祖に莫大な遺産でもない限り、永遠の“富”なんて絶対にあり得ません。
この先もし、この運転手に不幸が訪れたなら、金銭感覚を人並みにすることは困難だと思います。
これも“ずれ”です。
私はかなり古い車に乗っています。でも何ら問題なく走ってくれているから満足です。
運転手は4千万円の車でようやく満足なのかも。
この感覚も“ずれ”だし、4千万円の価値観も。
せっかく4千万円も払って買った車に乗って、周りからは
「うるさい!」
としか思われていない。
気付かなければ、運転手の心にも“ずれ”です。
昔見たドラマにあったセリフです。
「そのうち、金の細かな味もわかってくる。値打ちもね。」
この“値打ち”というのが人それぞれで、
これこそが“ずれ”。
“ずれ”と“幸せ”は無関係。
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