2019年08月31日
IT講師 1/6 「きっかけ」
今からもう15年くらい前のこと、IT講師をしていたことがあります。
当時自営業をしていた私は、まだ仕事が軌道に乗っておらず、並行してできる仕事を探していました。
何で見つけたのか憶えていませんが、Webデザイナー養成講座の講師募集なるものを見つけて応募してみました。受けてみると、プロのWebデザイナーを半年間で育成しようというもの。
生徒さんは12名だったと思います。
しかしプロのWebデザイナー養成なんて、私の手に負えるものではありませんでした。
そんなこと知らずに応募して面接。結果は不採用。
講座を開講する施設は、札幌市でいえば“ポリテクセンター”。
日本語でいうと“職業能力開発促進”。昔の“職業訓練校”の末裔(まつえい)です。
その施設は公的資金の補助を受けて運営されており、積極的に講座を開講しては実績を作りたかったのだと思います。
Webデザイナー講師にはなれなかった私ですが数日後、連絡が来て情報処理技術者の資格取得試験対策講座の講師をしてみないかとのオファーがありました。面接の際に持参した履歴書に、私の資格を書いていたからです。
期間は半年間、月〜金までの平日、確か朝9時から夕方4時まで6時間の講座。時給は3,000円。副業可。
その施設では初めての講座でした。
講座の開校を目前にして、先輩の講師を紹介してもらい、施設を案内してもらいました。
講座が始まると、Webデザイナー養成講座の講師とも“同僚”です。
先輩講師は“常勤”の講師。Webデザイナー養成講座の講師と私は、同じ“非常勤”という扱い。
あとから知ったのは、Webデザイナー養成講座の講師はもともとその施設で講師をしており、きっと私が不採用になる前から“本命”として決まっていたのです。
よくありますね。形だけの面接って。
ただ私にとっては、また施設にとっても結果オーライだったのだと思います。始まりは、、。
開校する前、施設を案内されました。
研修室は大きく三つありました。一つは生徒20名が使える部屋。
横長のデスクに生徒二人が座り、PCはデスクトップで一人1台ずつ。真ん中にテレビのモニターがあります。
モニターには講師のPC画面を映すことができれば、実物投影機でテキストなどを映すこともできます。
講師にはピンマイクが用意されスピーカーで拡声され、大声で話す必要もありませんでした。
二つ目の部屋は生徒12名。一つのデスクに生徒二人座り、デスクトップPCが一人1台ずつ。
部屋が広くない分、モニターはなし。スピーカーもありません。
ここでWebデザイナー養成講座が行われました。
三つめは私が使わせていただいた部屋で、二つ目の部屋と同じサイズ。
ただしテーブルはPCデスクではありません。会議用テーブルでした。
PCはノートPCを実習のときだけ、ロッカーから持ち出してテーブルで使います。
モニタもマイクもありません。
始まりが急ごしらえの情報処理技術者試験対策講座だったため、「追加」でしたので、仕方のないことです。
同時に情報処理技術者試験というのは、意外にもPCに特化したものではありません。
“座学”が多いんです。
言い換えると“情報処理”というのは非常に幅が広く、PCはあくまで処理に使う“道具”で、「使えて当たり前」という存在です。
講義の内容も、経営学のような「損益分岐点」とか物流の「先入れ後出し」が出てきたリ、確率で数学の「階乗」が出てきたリします。
もちろん、PCの知識は必要です。ハードウエア、ソフトウエアの知識はもちろん、データベース言語である、「SQL(シークェル)」など、試験には当たり前に出てきます。
第1期生の生徒さんは12人。
きっと生徒さんたちだって、情報処理 = PCを学ぶつもりで入校したのでしょう。
しかし生徒さんたちも辛かったろうと思います。
同時に私だって毎晩、明日の講義のため勉強していました。
資格を取ることと、教えるのとでは視点が全く違ってきます。
さて、開校前に施設を見学させてもらったとき、Webサーバーが置いてある部屋がありました。
そのとき、一台のWebサーバーは当時私が使っていたPCと同じ形、、、同じケースを使っていました。
私はそれを
「私のと同じケースです。」
といったとき、案内してくれた課長クラスの人が、
「ああ、こんなケース、、」
と小ばかにするように言いました。
私は心の中で
「え?」
です。
そのときから私は課長クラスの人に不信感を抱きました。
これから付き合いが始まる“上司”なんですが。
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