コールセンターおじさんのブログ

　もう亡くなってしばらくしましたが、とっても好きな俳優さんでした。

先日、兄の渡哲也さんがなくなりましたね。こともあろうか私の誕生日に。
渡哲也さんの本名は渡瀬道彦。なんとな〜く、兄が渡さんであれば、渡さんが本名かと思ってしまいます。しかし、もともと渡瀬恒彦さんには“大倉純”という芸名が用意されていたようです。

これは高倉健さんを意識したもので“大倉純”ならば本名の方が良いやと、渡瀬恒彦を選んだそうです。
ちなみに、高倉健さんの本名は小田剛一（おだごういち）さん、ちょっと古いですが鶴田浩二さんの本名は小野榮一（おのえいいち）さんです。

初めて渡瀬恒彦さんを知ったのは、映画「セーラー服と機関銃」を見に行ったときです。まだ高校生でした。
映画の中で強く、優しく、思いやりがある役柄なので、決して悪い印象は抱かないのですが、見ていて妙に落ち着いた安心感というのがありました。

でも実際に、強く、優しく、思いやりがある人だったようですね。
幼少期からガキ大将で、ケンカがものすごく強く、スポーツも勉強もできて友達思い。女の子からもとてもモテたそうです。

地元ではそんな渡瀬恒彦さんは有名人で、渡哲也さんは「渡瀬恒彦さんの兄」と呼ばれ、その後、渡哲也さんが有名になると今度は渡瀬恒彦さんが「渡哲也さんの弟」と呼ばれるようになったそうです。

一浪したあと、中央大学、早稲田大学、慶応大学に合格し、早稲田大学へ進んでいます。
電通PRセンターに就職後、広告代理店の営業に転職するなどサラリーマンだった渡瀬さんが俳優になったのは偶然ともいえるでしょう。

思いやりでは映画「セーラー服と機関銃」で、薬師丸ひろ子さんが機関銃を乱射するシーンがあります。収録のとき、薬師丸ひろ子さんは飛んできた破片で頬にケガをしてしまいます。実際に映画に収録されていますね。

このとき、周囲のスタッフたちは「そんな傷はすぐに治るよ」という中、渡瀬さんだけは
「これがもし自分の娘だったらどうする？」
と薬師丸ひろ子さんをかばったそうです。

他にもスタッフを「ADさん」とか呼ばず、名前を憶えて名前で呼ぶとか、収録が始まる30分前には会場入りするという彼に影響されて、亡くなったあとも30分前集合は続いたそうです。
そんなさまざまな彼の人柄を裏付けるかのように、Wikipediaで渡瀬恒彦さんを見ると、膨大な情報量になっています。

私の好きな俳優さんは、高倉健さん、鶴田浩二さん、渡瀬恒彦さんです。
どの俳優さんもシブさがあります。渡瀬さんのシブさを改めて見たのは、NHKのドラマ「バブル」です。
以前にもこのブログで好きな言葉として紹介しています。

「一人の者には　いつも不安がつきまとう
　組織の者には　いつも不満がつきまとう」

2018/08/19「因果応報」に書いてありますので、よろしければどうぞ。

あと、渡瀬さんといえばケンカ芸能会最強という逸話です。
中学3年で柔道黒帯。空手2段、ボクシングもしていたのだとか。

格闘技によって距離が違うといいます。
柔道は相手と組まなければなりませんし、ボクシングはリーチの届く距離。空手は蹴りもあります。
どれも経験した渡瀬さんはどの距離でも戦えるということです。

ケンカが強い芸能人話はときとして聞くことがありますが、ジェリー藤尾さんも強かったそうですね。
「遠くへ行きたい」というヒット曲とはイメージがつり合いません。けど彼は刃物を持ったヤクザに切り付けられ全治2週間のケガを負った代わり、素手で相手に全治10日のケガを負わせたとか。また三人のヤクザを相手に過剰防衛容疑で逮捕された武勇伝もあるようです。

渡瀬さんもヤクザとケンカしたそうですし、あの巨体の安岡力也さんを駐車場で半殺し。千葉真一さんにタバコを買ってこさせ、松田優作さんを一瞬で倒し、舘ひろしさんとクールスのメンバーをフルボッコにして川に投げ捨て、岩城滉一さんをボコボコにした話もありますし、梅宮辰夫さんは「小林旭も強かったが渡瀬に比べたら」といっています。

また収録中に渡瀬さんからビンタを受けた俳優はコンタクトレンズが飛び、直後に「自分はここで何をしているのだろう？」と意識が飛んだとか。
手加減しろよと思いますけど、何か他に理由があったのかも知れませんね。他にも米兵3人を相手に大暴れとか。

それでいて気遣い抜群、優しいとなれば本当に惜しい人をなくしたと思います。
先日つい、深夜にもかかわらず映画「セーラー服と機関銃」をしっかり見てしまいました。
ドラマ「バブル」もとっても見たいのですが、NHKのオンデマンドに登録するのは抵抗感があります。