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2024年09月13日

社会学の観点から文学をマクロに考えるー自然や文化の観察者としての作家について1

1 はじめに

 この論文は、小説のデータベースを作成しながら、作家の執筆脳を集団の脳の活動として広義に説明するために、前回に引き続き、社会のあらゆる側面を考察の対象にする社会学の観点に基づいたマクロの文学分析を試みる。
 これまでは作家の執筆脳としてシナジーメタファーを作家毎に狭義で研究してきた。今回は、作家としての人間の条件に自然や文化の観察者というエキスパートとしての資質を設け、社会と観察という観点に立ち、シナジーのメタファーから集団の脳の活動について考察していく。
 岡田(2017)によると、観察社会学は、学習としての同一体(例、レントゲン写真)の推移に従い、ローカルな現場で学習が達成されることを目指す。つまり、医学教室で学生の目が輝く瞬間を捉えるえる試みである。目の前にあるレントゲン写真について、学習者が考える人、見る人、気づいた人、見えている人、読む人になっていく。文化とか自然の観察者も自身の知識で調節ができることを前提に、考える人から読む人になり、目が輝く瞬間が来る。この小論でいう観察者は、観察社会学に依拠した役割を担う。こうした作家の役割には、他にもリスクの管理者あるいは歴史の伝承者、書き手としての医者などが考えられる。 

花村嘉英(20202)「社会学の観点からマクロの文学を考察するー自然や文化の観察者としての作家について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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