そうだなぁ。。。なんだがなぁ。。。
幽霊の吾朗太さんは20年近く前にも死んだ死んでから気がつけば。。。今、20年近く時が過ぎた頃をさまよっているけど
多分、自分は幸せだったと思う。生きていた頃もわがまま放題だったのに色んな人から愛されて死んでもなお、自分の事を覚えていてどうにか幸せにしてあげたいという人に恵まれてる。
すぐそばに、四朗がいる。。。吾朗太さんは、亡くなり時が止まる、でもそばにいる四朗は、幸せに時が流れているようで安心はする。。。
「とにかく。。。吾朗太は闇社会で揉め事を起こしたか、女性関係で揉め事を起こしたか。。それで消された可能性が高いでしょう。事故も考えられますが吾朗太は。。あまり一人旅や一人で物思いにふけるという事は考えられません。仕事。。なんらかの悪い取引をプルメリア島でしたにしろ、相手があっての事です。。。事故なら味方なら誰か通報したり助けたり。。。仕事などで約束の時間に来ないなら誰かおかしいと思うはずです。。。
東京から遠く離れてこのプルメリア島で眠り。。。自殺しに来たなんて絶対思えませんそんな事あり得るはずがないんです。」四朗が言う四朗は中学生ぐらいの時にいまだに時々鴨居に掛かった首吊りのロープが鮮やかに浮かんでくる事があるのだ。あの時はクラスで居場所が無かったし。大人しい性格だけど、真面目で嫌われているわけじゃないけど。。ヤクザの子どもだからいじめられる事はなかったけど。みんな腫れ物を扱うような感じだった。なんとなくぼんやりといつも不安が浮かんでは消えて将来が見えず閉ざされた気がした。
あんたなんか産まなきゃ良かったと、幾度となくもう数えるのが嫌なほど母親からは罵倒されたし。異母兄の三太夫は優秀だから将来の為にヤクザと縁を切らせて富裕層の家に里子に出たしその三太夫に対抗するように、母親の要は四朗を産んだけど。。。
もう、顔も可愛くて、頭脳明晰で神童と呼ばれる三太夫とは次元が違う。。。要は昔、うちに珍しい女の子。。姉さん、真央を産んだが、真央は3歳で亡くなってしまい珍しい女の子を産んで、愛人のなつめさんにばかり注がれた旦那蓮気の愛情を少しは取り戻せるかと思ったのに、その女の子。。
真央も亡くなった
それも。。。三太夫の兄さんと真央の姉さんは確か同い年だったと思う。男の子はもう飽きるぐらいお腹いっぱいなうちの中での紅一点。。。母親の要はやった、と思っただろう。昔ながらの代々続くうちのような家は男だの、跡取りだのうるさく言われるのが普通だけど。。なんせ、うちは気持ち悪いほどほとんど男しか産まれてこないと聞いたからだ。父親の蓮気も三人兄弟の長男だし。女の子はどうも祖母が流産したかもしれないとは聞いた。
四朗は
三太夫とは五歳歳が離れているので三歳で亡くなった姉の真央とも会った事はないがなつめが三太夫を産み、本妻の要が真央を産んだ時、要は少しは優越感に浸ったんじゃないだろうかと思う。女の子なんて珍しいし父親は可愛いに決まっている。
実際には、それはそうだったんだろうマゼンダ色の仏壇は丁重に扱われていた。まるで仏壇ではなく、蝶の遊び場であるかのように日頃から、明らかに女性が好きそうな華やかな花を備えられていた。
だけど、要は知らなかったのだというか、要は呪われた家系や産まれてきた女性が育たない家なんて言ったところで
オカルトだと全くそういう因果的な因縁話をしても一笑いに付すしそういう目に見えない因果の話は全く信じていずにバカにするだけなのだまぁ、そういう人はそういう考えでいるわけだし。現実的で悪くはないけど。実際に、この海の家クワタのミリオン氏は一切そういう因果的な話しやスピリチュアルや、呪いだのだのなんだのは全く信じないどころかそう言った目に見えない実証できないものには胡散臭いとしか思えずオカルトにかぶれていると生理的に毛嫌いしているらしい。
まぁ、それはそれで本人の信念や意見なのでいいとして。四朗の母親の要も旦那の蓮気の家庭が代々根強い男系で女の子が産まれても育たないのは知っているけどそれは単なるたまたまの偶然としか考えてないタイプだ。でもそりゃあ、呪いだの霊だのスピリチュアルだのと。。。現実をおろそかにしてそればかりを考えているのは異常としか言えないけど。
でも。人事を尽くして天命を待つという言葉があるように。現実の地に足をつけ。苦しみ嘆き悲しみに暮れても。。。いつ止むとも知れない雨の中で。もがいて途方に暮れても。。。雨はいつか止みその後にパーっと光が差して突然不思議な事に救われたり道が開けてくる事もあるのだ。
四朗は本当にいまだに時々、死のうとした瞬間。あの鴨居のロープを思い出す。。。
自分の存在価値がわからなくなって。何のために生まれてきたのか、気の弱い自分がヤクザの家なんかに。。母親の要は切り札の女の子、真央を亡くし、
愛人のなつめに対抗するかのように四朗を産んだものの。。。期待外れに四朗は気が弱く容姿も頭も平凡で内向的で、三太夫とは大違いでそれが要をイライラさせた
思わず。。
自分が生きている価値なんかあるかと。。
あの時は。。。いつ帰ってくるかわからない、少年院に入れられている時期すらある吾朗太がなぜかそのタイミングで突然帰ってきた。四朗が命を断とうとしたその時に。。。なにをやってるんだお前バカヤロウ首を吊ろうとしたあの時は、四朗ははじめて吾朗太に殴られた。吾朗太はしょっちゅうどこかで喧嘩してきたり、継母の要に手を挙げたり、女にも暴力を振るったりする事があるらしいけど
ずっと世話してきた四朗に手を挙げた事は全くなかったのだ、父親の蓮気も大人しく優しい四朗とヤンチャでも寵愛していた吾朗太を殴った事がなかったので吾朗太にとっても四朗に暴力を振るう事はあり得ない事なのだろう。
だけど。。最初で最後に吾朗太に殴られたのは生命の重み。。生きているから痛いんだと、ハッと我に返りあれで目が覚めたのだ
あの時は。。。五郎太が大人になってずっとあとから聞いた話し。ばかばかしくてなかなか言えなかったけど四朗が自殺をしそうになったあの日、吾朗太は棲みついていた先の世話になっていた歳上の女性が実家に帰っていて退屈しのぎに女が留守だからと悪い仲間も不思議と潮を引くように誰とも連絡がつかずいつも周りに誰かがいて当たり前の吾朗太が、それじゃうるさい女がいないから他の女の所に顔を出すかと眠いのでいったん一寝入りしてから
付き合っている他の女のところにでも行こうと考えていたらしい。吾朗太はまだまだ子どもだったが、可愛かったので何人か大人のある程度金がある女性から逆ナンされてジゴロのように既に子どもの時から女がいた。
だけど。。。。その時、いつのまにかウトウト眠りに落ちた吾朗太の夢の中で真央が現れて。。。「わっ。。。ま、また、おまえ。。あっ。、オマエじゃない。。あ、アネキ。。。」またオマエ。。なんて言いそうになったけど、真央は以前。。普通のチョコレートと間違えてウイスキーボンボンを食べてアナフィラキシーショックで生死を彷徨っていた吾朗太の夢の中でこっちへ来るなと怒って石を投げてきたり、その時、四朗の目の前に現れて家に早く帰れと言ったりで。。。死んだはずの真央が現れてそのおかげで倒れた吾朗太を帰宅した四朗が発見して吾朗太は一命を取り留めたのだ。だから、あの世に逝きかけて戻ってこれた吾朗太は再び真央が現れて。。。生命の恩人だけど。。。今度はまさか迎えに来たって言うんじゃないだろうなと思いながらも。。。
家に帰れ、早く家に帰るのよ。。。急いでと、言うと真央に髪をギュッと引っ張られた痛てっ。。。その手荒い刺激で明らかな現実の痛みもリアルに伴い。。すぐに吾朗太は目が覚めたものの。。。
「えっ。。。」目が覚めていたらそこは、いたはずの今棲みついている女の部屋ではなくて。。。目の前はすぐ実家。。。どう言う事だわけがわからん。。でも。。今はそんな事を言っている場合じゃない。
なんか、妙な胸騒ぎが込み上げる。。。と、吾朗太はすぐに実家に乗り込んだら。。今にも四朗が鴨居にロープを掛けて首を吊ろうとしている。。。
なんて。。。吾朗太が大人になってから、あの時はどうにもわからない不思議な胸騒ぎと体験をしたけど、目が覚めたら実家前なんて。。。全く説明できない状況もそれでも俺は全然違和感を感じていない。それはお前が生きているのは自然な事だし、四朗、お前はこれからも生きていける。。死んでしまうのは間違いだからだ。だから変なこと、わけのわからない事が起ころうが、そんな事どうだっていい、って言っていたなぁ。。。ハッ、とした。今の幸せな自分は。。。あの時から想像できないけど。自分の及ばないところで何かが動いたんだし、多分あの時は深層心理では気づかないけど強烈に死のうとしていた行動とは裏腹に本当はどうしても死にたくはなかったから、本当の自分の望む方向転換へ。。。自然となにかが動いたんだと思う。八方塞がりと思えば。。。八方は塞がろうとも、上も下も空いているもので、下へそのまま堕落して自暴自棄となり。。誰かを害したり死の淵へ堕ちていくか。。。それとも突然。。。上に。。。パッと天が開けている事に気づくか。。。
ずっと忘れられない、何年経っても。。。
まぶしいほどの生命に満ち溢れた吾朗太に殴られて本気で怒られて我に返った、。。救われたし、助けられて。。
そんな吾朗太が自殺するわけはないんだ。ありえない。。絶対に吾朗太は自殺なんかする奴じゃない。。。まぁ。。。吾朗太もヤクザだ、身近に死は隣り合わせの世界だし。。父親の蓮気も死んだし組員も何人か死んでいった。悲しい事に、いつ死んでもおかしくないと言えばそれまでだけど。。。
でも。あの生命力のきらめきは眩しいほどに本物だった。。。
四朗は改めて確信して。。。
吾朗太は自分で死ぬはずがないんだ。。
2023年12月06日
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