わ。。。あ、あれは。。。絶対、四朗だろ
幽霊の吾朗太さんが霊感の強い人にも気づかれないように必死で気配を消して顔見知りのホスト二人について海の家クワタに来てみれば例の、いつも住んでいる木蓮寺の娘であり僧侶霊媒体質で吾朗太さんとやり取りしている宇宙人の森沢ベルモ、デブなのでブーコと呼んでいるが、ブーコの言っていたブーコのみつごのきょうだい桑田ミリオンがいた、
桑田ミリオンはブーコと違って小さいがプルメリア島の超進学塾の講師やこの海の家クワタの息子となり空き時間に店に出ている事が多いらしい。ただ、ブーコが霊媒体質なのの反対で霊的な話や、スピリチュアルが生理的に受け付けない地雷原らしく僧侶で霊媒体質のブーコを批判したり小さい頃からイジり倒してきたらしい
その桑田ミリオンが嬉しそうに店にやってきた四十代ぐらいのハリネズミの穏やかそうな紳士に
雑誌やメディアで拝見しました銀座イシナベーヌのご主人様ですね、と喜んで迎えているああ、やっぱり吾朗太さんは
やっぱりアイツ、ブーコが俺に関して調べてくれた調査書で俺が早く記憶を取り戻すようにと、あなたの異母兄の四朗さんという男性はパテシィエになって、銀座イシナベーヌという老舗洋菓子店の若主人になっている石鍋四朗さん、学生時代からアルバイトしていた老舗洋菓子店に婿入りして、二人の男の子の連れごがいるロップイヤーの夢子さんという同級生と結婚している。と、教えてくれた、
でも、あの時はブー子からそんな話しを聞いてもそうなんだふーん、ぐらいで記憶にないし。それぐらいしか考えてなかったが、四朗という異母兄がいて俺の世話していたのを突然思い出した四朗は大人しいやつで、家の雑用をバカ女、本妻にやらされていた。若い衆も一緒に家事とか。。。俺も本妻からは冷たくあたられたり無視されていたけど
四朗は大人しいから本妻が自分の息子なのに気に食わなかったらしい。ヤクザの跡取りにもなれないし。四朗は俺とは全然違う性格だけど俺とは仲は良かったし、
俺の面倒をよく見ていて、剣崎の跡取りでオヤジに寵愛されていた俺をなんだかんだそばで守りというか、守り役をオヤジがさせていた。あれは。。。今の四朗か。。。なんとなく優しい人のいい雰囲気がいまだにある吾朗太さんはただそばでじっと異母兄の四朗を見つめていた
四朗がニコニコしてミリオンに話しかけて
そしたら、入り口の四朗方に呑んでいた桑田の大将もちょと失礼、お客さん出迎えてくる、となにやら立ち話しているミリオンが気になったのか中座してやってきた。
ミリオンが大将に、銀座のイシベーヌの若旦那様だよ、
と紹介すると、四朗は桑田の大将にも会釈すると
「はい、銀座の石鍋です。実は。。。先日、私の兄が、異母兄ですが、プルメリア島に来た時に私はちょうどパテシィエの専門学校のコンクールの審査員の仕事がありましてどうにも同行出来なかったんですが。。。異母弟がこのプルメリア島で亡くなっていた事がわかりまして。。私もいつかこのプルメリア島へ行かなければと、あっ、あの。。実は先日ありましたプルメリア港の事件でTVでご存知かもしれませんが、モンタージュのキンキンのハリネズミの私は婿入りで嫁の実家の跡取りでイシナベーヌとは弟の実家ではありませんし、弟は
私とは性格が全然違って活発ですが、ホストしてたりヤンチャしていたようですが、小さい頃一緒に育ってきて私にはいい弟だったんですよ。だから、弔いもどうしても亡くなった現地でしたくて。
弟が白骨死体で見つかった番組に情報求むとあったので以前電話しましたが、遺族関係者として顔を出しに午後からプルメリア署へ出向くんです。緊急で急遽決めたんで、残念ながらこちらの旅館の海の灯り屋は予約いっぱいで取れなくて、だから、ランチだけでも関連のこちらにでもと友人知人、プルメリア島へ旅行した事ある人から海の灯り屋は前々からいい評判を聞いてましてそれからずっと妻といつか泊まりたいとは思ってましたが、今回はプルメリア島へ来たのは時間が空いたので緊急で。。。」
桑田の大将は、「えっ。。。あの、、、事件の。。ですか。。この度はお悔やみ申し上げます、あっ、そうだ、いまちょうど、あなたの弟さん、新宿のホストクラブで、伝説のホストさんだったようですねいま、プルメリア島のホストのキャストの二人の子のお店の社長さんがどうもあなたの弟さんの同僚ホストだったらしいので、弟さんの伝説のホストの話しを聞いてさっきプルメリア港で弟さんにお弔いしたみたいですよ、本当に偶然ですね、これももしかして弟さんが呼んだのかもしれないな。。ご迷惑でなければ、ご一緒にその子達ともお話ししてみませんか、それから海の灯りの事は誠に
申し訳ないです。お陰様でご予約がいっぱいでお客様にはご不便をおかけしてます、でも、いつかまた海の灯りへ来ていただけましたら、あっ、まず、お座りください、なんならお一人なら、ご一緒にいかがですか。それにしても、の。。。。ご迷惑でなければこちらへ。。。」
それなら、と
四朗はそのまま桑田の大将や、リリコや駿栄や饗、すぐ隣に杉さんやおしゃべりブロッコリーのいる席へ案内に素直に従って通されました。
「あ、あれっ。。。」席へ向かう前に四朗はキョロキョロと周りを見渡します
「どうしたんですか、」ミリオンが振り返って聞くと
「あっ、なんでもない、気のせいです、なんか、懐かしいような空気が一瞬したような。。なんでしょうね、はじめてプルメリア島へ来たというのに、なぜか昔、弟と一緒に過ごした空気が一瞬よぎったのは。。。弟がそばにいるような。。。そんなわけ、ないのにね。。。」四朗がそっとささやきました。
幽霊の吾朗太さんは、残念ながら見守っているしかできません。四朗は。。。もしかしたら若干の霊感みたいなものがあるかもしれないが
でも、いまここで気配を必死で消して身を伏せて隠れているのをやめてはいけないし、こんな客もそこそこ入ってるとこで騒ぎになるし姿を現してはいけないんだ、霊感の強い奴がいるかもしれないし。。。四朗は、弟がそばにいるような
そんなわけない。。。って言ったけど、そうじゃない。俺はオマエのいまそばにいるんだ。吾朗太さんは、いつか幼い時、家で四朗が作っていたスイーツをいろいろ思い出してきました。桃のやつ、とか。俺は本妻に騙されて食べたウイスキーボンボンとかであれは死にかけたけど料理酒や菓子に入ってるブランデーとかラム酒とか、火を通してあれば全然なんの問題もなかったし。。。オヤジも甘いもんが好きだったなーだから、贈答品とかいろいろあって、
桑田の大将が、四朗を笑顔で迎えて
弟さんに呼ばれたのかもしれません、か。死んだ
弟に呼ばれたなんて
その時はオカルト嫌いで地獄耳のミリオンにも聞こえていたはずだけど、ミリオンはなにもそれをそんなおかしな事いうなとか、死んだ奴が呼ぶわけないだろなんて事は勿論言わなかったミリオンは幽霊なんか信じないけど、かと言ってお客の空気を壊したり不快な思いをさせないように気遣うのだ。これがブー子、ベルモがそんな事を言おうもんならギャンギャン宗教だ、インチキだと噛みついていただろうに。
アイツもなかなかやるなまぁ、客商売だからそんなもんか。でも、ミリオンというやつもかたくなだけどなんだか目に見えない事も地に足をつけてほどほど信じてみたらもっと幸せな気がするだけど、いまを生きていて後ろを振り返ってみる必要すらなく前しか見えない生き方をしてる奴はそれが幸せかもしれないな。。。だけど。。。
思うところあり、吾朗太さんは、近くで遠いようにそばで、生きている人々達の生き生きとした笑顔、楽しげな様子を眺めた生きている頃はきっとそんなのはなにげないけど、死んでもう取り戻せない今はあの時の自分はかけがえないものである事に気づく。。。
生へ。。。生きる事へ。。。
異母兄の四朗が、迎えられテーブルで挨拶をしている
なんだか、
もう一度、生まれ変わってやり直せる気がする、だんだん自分の事を思い出してきた、俺は剣崎吾朗太だ、あとはまだ、ジンゴロと呼ばれた女と結婚してからとか、ホストクラブの事はよく覚えていないだから、この駿栄と饗についてきて、夜にホストクラブの社長が俺の同僚だったらしいし。。。
そいつに会えばなにか思い出してくるのかも、
あと、自分がどうして死んだのかの死因とかを思い出せば。。。
早くあっち側へ、今度はもう一度。。。
吾朗太さんは。。。
やっぱり自分は自殺なんかしていない身体が弱かった母親だって俺を堕ろさず産んだという事は、自分の生命をかけてでも俺を産んで生きていて欲しかったはずだから。
俺が産まれたせいで母親は死んだとかだから俺は母親を殺した人殺しだとか、そういう事を考えるのはやめよう。
こうして四朗とも会えたんだし、それこそなにか重大なことを思い出してくる大きな一歩。
積極的に、次の生命へ。。。
魂の昇華。。。
しかし。。。
あれっ。。。なんだろうか、テレパシーというのか、
ブー子
俺の魂を早く昇華させて新しいやり直し、生まれ変わりを願ってくれているはずのベルモ。。
なんだか、アイツがちょっと待ってまだ、思い出さないでお願いだから、まだ。昇華しないで、いかないで、天国へ。。。
なんだよ。ブー子
あいつ。。。俺の足を引っ張る気かよ
なんだか、ベルモにまだ思い出すなと、
アイツは。。俺の味方じゃないのか、なんで。。
吾朗太さんの胸に、なぜか、味方であるはずのいつもは協力的なベルモがストップをかけるように。。問いかけてくるような気がする
2023年06月26日
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