「どうかしたの珍しいね。。地獄耳って言うかさー、ミリちゃんって遠くのお客のオーダーや、呼ばれて何人かの言ってる事を同時に聞き分けたり聞き取れるでしょ。えっ、なにいらっしゃいませ、って空耳」海の家クワタの常連さんのスギさんの幼なじみのお喋りブロッコリーが言う
「ハァ何人も。。同時に言ってる事聞き取れるって。。。」思わず、駿栄と饗は顔を見合わせてしまいました。プルメリア島で噂に聞く宇宙人の天才児ミリオン教授超進学塾の講師をやっていてマスコミに掲載や情報が前々からチラチラ出ていましたが。このたび、神楽町市の天才美術家ヴィーナスとみつごのきょうだいという事がわかり、おなじみつごの木蓮寺のベルモともども、さらにマスコミに出るようになってきました。来てから、いろいろと。。。お客さんのオーダーが全部頭に入っていて、お会計を寸分間違えなく暗算でしたり隣で見てすぐ料理や運転を覚えるなどなどの信じられないミリオンの話を聞いて。。饗も駿栄もただただ圧倒するばかり。言葉にはならないけど、でも興味深いみつごの宇宙人の話しはそれとなくネットで記事を読んだり駿栄は以前ベルモに会って東京から家出してきて、プルメリア島の近くの神楽町市に住む幼なじみの純とベルモが友人なので、ベルモに世話になって幼なじみの純と仲介してくれたし。饗も、木蓮寺の公式サイトや、ベルモの書風や表現能力や感性が気に入ってよくベルモのブログを閲覧したり聴いたことないけど、ベルモの歌声は凄いらしい。。。まるでセイレーンのように聴くものを虜にするらしいし、文字も確かにびっくりするほど流麗だし天才美術家のヴィーナスにおいては言うまでもなく、壁のいろいろな写真が実は写真ではなくて、ヴィーナスからの贈り物というのも
ただ、もう二人とも言葉にならないぐらいの衝撃を受けるばかりでした。。なんか、才能はバラバラだけど、みつごの三人ともずば抜けて天才的な才能を持って産まれてきたのか。それとも、宇宙人からしたら地球上では才能を限りなく天才に発揮できるものなのか、
饗も駿栄も顔を見あわせて驚く事と、マスコミでたまに見る記事や情報のミリオンが思ったより愛嬌があって人懐っこい事にも驚きました。わぁ。。。ミリオン、ってマスコミではクールなイメージだったんだけど。でも、考えてみればお客商売を赤ちゃんの頃からやっていれば、いやでも愛嬌はみにしみてくるか。。。本人はどうもさすがというか、赤ちゃんの頃から自分の頭脳が周りとは違っている事をわかっていて生きていくための最大の喜びを笑いだと気づいたのが、赤ちゃんの頃から色んな人、とくに老若男女、観光で地域バラバラの人達がくる海の家クワタや、桑田さんの長男が引き継いだ老舗旅館の海の灯りの現場について行って手伝いながら、いろんな人と触れ合ったり交流を深めてきたらしい。客商売というのは、お客様は神様ではないが、ありがたい主役様だしこちらが殿様とか殿様商売になってはいけない。ミリオンはそう気を引き締めているところがあります、多分ずば抜けて賢いので、現場で学びながら周りとどう接したらうまくいくか空気を読むことができて円滑に行くかかなり修行してきたのでしょう。意外にも、みんなとガヤガヤするのが大好きな性格のようです。
饗と駿栄は、
はじめて海の家クワタにやってきて、ちょうど駿栄の幼なじみの新聞記者リリコが、プルメリア島の地域らしいリゾートや、文化のインタビューとして海の家クワタの大将と息子さんでお店の手伝いのミリオンに取材をしていたので
、リリコや桑田の大将から声をかけられて同席する事になりました。
饗はだんだんとホストクラブのお店の収入が増え始めてきたので前々から考えていた
饗の父親の斗真をそろそろプルメリア島へ旅行に招待しようと同居の同僚の駿栄に相談しました。それで、プルメリア島らしいところという事で、日頃から先輩達が時々お客と立ち寄ったり
駿栄もなんとなくいつか行ってみたいと気になっていたこの海の家クワタにランチがてらに下見にやってきたのでした。
「おかしいな。。。耳には自信があったんだけど。」ミス、では無いけどミリオンに珍しく空耳の勘違いをしたのでミリオンはちょっとシュンとなりました。
「別にたいした事ないじゃん。でも、日頃からミスも失敗もしないと、細かいとこまで気になって仕方ないんかねー」おしゃべりブロッコリーが笑います
「まさか、ミリちんお化けでも。。。ミリちゃんダメだっけこーゆー話し。。。」かなり酔いが回り気分よく酔っ払いだしたすぎさんがからかうと。
ミリオンはちょっとムッとして「そーゆーのは、信じないの、やめてよーオカルトな話しそういうのって、視えるとか言って、なんとでも言えるじゃない。で、悪霊がついてるからお祓いするから金払えとか幾らでも目に見えない事って詐欺のネタでしょーなんかムカつくわ」ミリオンは、霊の話あってないようなもの、宗教の話が生理的に無理でタブーで地雷だ。
「えっ。。かたくなだねー、ま、オレも霊感とかないし、そーゆーのどうかとも思う反面。。でもなぁ。地元沖縄だし、友達とか、嘘つかない奴がそーゆー話ししてきたり、心霊写真みたいなやつも見たことあるしなぁ。。。それに。。。今日、こいつ、駿栄と太いお客のバースデーにオーガストさんに頼んでストレチリア畑で、ストレチリアの収穫してきたんだけどさ。さっき。。なんか、どうも。。妙に。。近くに誰かがいるような。。不思議な雰囲気だったんだよな。。悪意じゃなくて、懐かしい温かみというか。。人の気配みたいな、でも、遠くが賑わっているだけで、ストレチリア畑は、オレと駿栄だけだし。でも、なんか誰かいるような。。」と、饗が言います。
「わ、そうなの。。。あっ、オーガストさんって、そう言えば霊感が結構あるみたいだし、あの人、プルメリア島で見つかった白骨死体の人。若いヤンチャっぽいキンキンのハリネズミの人、見たんだって。キンキンは木蓮寺に夜住んでるって、昨日ベルモちゃんも言ってたし、見かけによらず、キンキンは、結構いいところあるみたいね。私は、そーいう霊感とかないしね。」リリコがいう。
信じるも信じないのも、実際には、見なきゃしょうがねーな。こっそりと気配を消して、海の家クワタの店に幽霊の吾朗太さんは忍びこみました。
そして、吾朗太さんは
懐かしい。。オレだって幽霊なんか頭がおかしいとか
変な薬とか、病気でそういう幻覚みたいなのがみえるんだろとか。生きてる時はそんなふうに思ってた。だけど、自分が死にかけた時にあいつ。。姉さん。。真央が夢の中にやってきて、確かに自分を救ってくれた。夢の中で真央は怒っていたがあれはあれでオレが死なないように真央の世界に来ないように必死で追い返したんだろう。そういうのを、死んだものが携わってくる事を実感した時から少しは世界が変わったというか、相変わらずオレは。。。ヤンチャだったろう。
まだ、ホストの事や、たくさんいた女達、嫁だった女の事は思い出していない。でも、この饗と駿栄というホストについていけとさっき真央が言ってきたのは。。
ホストの現役時代をオレが思い出すなにかに。。。なるからなんだろうか、それとも。。
あのミリオンという青いやつも、
もうちょっと目に見えない世界を信じてみればまた、人生も幅が広がるんじゃねーのか、さっきから見てて悪いやつじゃねーけどさ、ブーコやヴィーナスのように素直に幽霊を信じる奴の方がなんとなく、オレは幸せな気がするんだけどねー
と、気配を消して空気に溶け込んでただ、駿栄や饗や店の人、ミリオン達を眺めている。
ミリオンが、「あっ、今度こそ表にプレゼンスタクシーが停まったわよ。お客さんかな、」と、ミリオンは、さっと立ち上がって入り口へ飛んでいきました。
「あっ、やっぱりいらっしゃいませ、あっ、」今度は空耳ではなく、ちゃんとしたお客様のようですミリオンはお客さんに、
「あ、あれっ、お客様もしかして、あのあたし雑誌で何度か拝見した事ありますがもしかして。。。」
ミリオンが、知っているのか、有名人なのか雑誌で拝見しましたと、言っている
ハァ。。なんだよー、こいつ、この青いやつ雑誌で見ましたーとかクール気取りに見えてなんだ結構ミーハーかよ。雑誌でみただのどーの。。。
幽霊の吾朗太さんは、さりげなくミリオンがはしゃいでお客に挨拶をするのをきいて、どれ、誰か有名人でも。。。思い出すかな、有名人と、チラッと。。ミリオンの迎えたお客の顔を見れば。。。
えっ。。。吾朗太さんは
突然雷に撃たれたような衝撃が走ったあと。。。ただ、
ボーゼンとする
「銀座老舗スイーツ、イシナベーヌの若主人さんですよね。アタシ、こう見えても甘いものも大好きでイシナベーヌのお菓子はアタシの塾の生徒さん達や保護者さん達からも評判でよくデパートの菓子折りをいただいてます。」入り口でお客さんを迎える
ミリオンの声のテンションが上がってくる
「こんにちは、はい、私は、イシナベーヌ銀座の石鍋四朗です。実は。。。」
し。。四朗だあ、あいつは四朗だもう。。四十半ば過ぎてるだろうけど、おもかげがある吾朗太さんは、走馬灯のように、少しづつ楽しい記憶は蘇って幼き日一緒にして育った義母兄の一人の四朗と再会したのでした。
2023年06月16日
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