「え、今時さー、嫁さんが別に10歳上だろうが本人同士が良ければいいんじゃないの歳下の若い女が綺麗だって男が全然魅力的に感じなくって、好きにならんかったら意味ないし。吹雪ちゃんなら働き者で気も効くし、気立ても育ちもいいし。。アッシはうちのミリオンの嫁さんにも大歓迎だけどー、しかもあの世間でクールだ変わり者だなんだと。。まぁ、実際には変わり者かもしれないけど、クールは全然そんな事ないんだけど。。。そんなミリオンが、将来とか、結婚とか恋愛とか家庭を築く事に興味持ってたんならアッシは大歓迎で万々歳だけどねー」と、桑田の大将は、杉さんにビールを注がれながらゴキゲンで言います
まぁ、どちらかというとイメージ的には恋愛も結婚も全く興味なしと言った。。とは言え4歳だから当たり前か、とリリコは思いましたが、意外な顔をしてブロッコリーが、「えー、た、大将、てっきり息子はやらんみたいに。。。どっかのガンコオヤジみたいに怒るんかと思ってた天才児ミリちゃんだぜ。。。吹雪ちゃんは、いい子で可愛いけどさ、それにしたって10歳も歳上だし。そりゃ、網元の娘と老舗旅館の天才児で、家同士は釣り合うかもしれないけどさ。大反対するかと思った」しかしながら、桑田の大将は笑って「別にいいじゃん。家同士って。。今の時代。。。別に女性が無職だろうと、実家が貧乏だろうと。。。うちに来て働いたり主婦すればいいし、アッシもだけど、兄貴や弟も、結婚なんか親が口を挟んだ事なんかないよ。むしろ、うちの仕事手伝ってくれるぐらいの嫁さんなら最高なんだけどな。うちは、これからどうなるかわからないし。長男の源氏が旅館継いだけど孫の聖夜には、ミリオンに頼んで勉強みてもらって、理系に進学させて研究とかそっち分野行って欲しそうなんだよね。次男の東の子供たちはやっぱり男ボウズばっかりだけど。。。東京で源氏の孫ほど実家と深くないしさ、婿養子じゃないんだけど、東、嫁さんの実家の近くに住んでて嫁さん実家の人質みたいになにかと嫁さんサイドだしね。別に東の子どもたちが誰かうちを継いでもいいんだけどさ。あんまり興味ないだろうねー。。。なんなら、内孫娘の瑞樹がやりたいならやっていいし。」
桑田の大将桑田千範は、息子が2人いて長男が旅館の海の灯りを継いでいます。長男の源氏はクリスマスイヴ産まれの小学生の男の子の聖夜と、桑田家では大変珍しい女の子の瑞樹ちゃんがいます。性別不明だった宇宙人のミリオンも、本当はベルモみたいに桑田家に珍しい女の子として育てたかったのですが。。。本人がどうしても、男の子がいいと決めたので桑田の大将夫婦は、ミリオンを男の子として育てるしかありませんでした。ミリオンは、かなり歳の離れた兄2人、自分より歳上の甥や姪がいる桑田家の三男になりましたが年の離れた長男兄の
源氏さんは、息子君をミリオンに教育して貰い、旅館を継ぐよりも強く理系進学して欲しいようです。さすがに、ミリオンが講師をしているプルメリアジーニアスの進学塾には入れる学力はないのですが、、。。プルメリアジーニアスは、入門にかなり難しい試験があり幼児から大学生まで相当優秀な子ども達が通える塾で全国的に有名で、地元や近隣だけでなく、土日祝日や、学校の長期休み期間や、受験シーズンなど、合宿講習で遥々と遠くから入塾試験に合格した優秀な生徒たちがどうしても学びたいからとわざわざやってくる事があります。その特別講習などの時期はミリオンも出勤が多くなりますがその他、日常時は
ミリオンは、週にだいたい3回ぐらい物理や科学、数学など幅広い年齢層クラス理系授業を教えています。通えるだけでもひとつのステータスになる凄い塾で、もちろん進学に有利ですが残念ながら、聖夜君は勉強は、だいたいざっくりと平均的より少し上ぐらいで、遥か別次元のおはなしです。残念というか、プルメリアジーニアスに入塾する子の方が圧倒的な少数派だし、それよりも
聖夜君は
サッカーが好きで、地元の少年サッカーチームに入っています。ミリオンは、そんな聖夜君に、
成績が普通より上ぐらいで、ほかにやりたい事や好きなことがあるなら、
それだけで充分なんでわざわざ勉強ばかりに時間を割いて無理をしないほうがいいと言います。桑田の大将もミリオンとおんなじ考えで
桑田家の老舗旅館海の灯りは、奇跡的にたまたま誰か継ぎたい人が代々子どもとして産まれてきて続いてきたわけで。この海の家桑田も海の灯りの主人を息子に譲って引退した先代が何代か前から引き継いでやっていました。かと言って無理矢理継がされたりというのは、桑田家の過去帳や、遺言集などから
家訓的に海の灯りの旅館は無理矢理子どもに継がせてはならない、万が一の時は売却しても廃業してもよい、必ず子どもの自由意志を尊重するとゴリ押し強制禁止事項が書かれてはいます。女性が産まれたら女性が婿を取り女将として後継者になってもよしと書かれてはいましたが
残念ながら桑田家は、病気のように気持ちが悪いほどほとんど男しか産まれず今までは女性が旅館を継いだ事は無かったようです。遙か昔、娘が産まれた事もあったようですが、極少人数で他に兄弟がいたようでみんな嫁に出ていきました。
桑田の大将の年老いた両親は仕事を引退して敷地内で隠居生活をしていますが現役で働いていた頃は、自分達の代でいよいようちの旅館も終わりだと覚悟していました。長男の隆は結構勉強ができて進学の事しか頭にないし反対の次男の桑田の大将は野球部で野球ばっかりだし。三男。。。末っ子はもう、確実に旅館業なんかやりそうにないちゃらんぽらんな自由人過ぎてアテにならないし。それに。。。息子の誰かが継いだら継いだで。。その後もっと大変な問題が待っている旅館の女将さんの問題。。。娘がいて、娘が旅館を継ぐ気になって修行するというわけではない。跡取り家業を継いでくれる嫁。。。商店や会社かなんかなら、お嫁さんが経理を手伝ってくれたり仕事を手伝ってくれたりでいいけど
女将さんというのは、よそから嫁いできた女性が表舞台に立つ事だし。継いだ旦那の我が息子よりスポットライトに照らされるわけで。。。幸い繁盛している老舗旅館でわりと裕福だけど、それだからこそ大変だし、存続さらに発展させていかなければならない。お金はあるけど、誰がそんな仕事をやるのがこれからの娘さんが決まっていてうるさいところに誰が嫁に来てくれるのか。。。
だからもう、どんどん時代が進んで親の仕事を嫌なら子どもは継がなくなり、親と同居しなくなり、それはもう自然で本来いい事なのだけど。と、少し寂しくもありながら、桑田の大将が子どもの頃には、両親は時代が変わっていくのを察知して自分達の代で旅館を終わりにするつもりでいたところ、
桑田の大将、次男の千範が野球部の合間にてだんだん店のの手伝いをするようになり、千範の同級生で近所の幼なじみの同級生の有希子が家庭の事情で時々海の灯りのアルバイトに来るようになり実は、千範と有希子はもう小学生の頃から付き合っており、中学生になると有希子が、千範に父親が最近入退院を繰り返すようになったので学校に許可を得て労働児童申請をして少しでもどこかでアルバイトをしたいと相談したのでした。
その時はまだ、千範の両親は千範と近所の幼なじみの有希子が付き合っているとは知らず、仲のいい幼なじみだと思っていましたがそれで、千範は、それじゃあ、うちが多分裏方や中居さんとか色々人手不足みたいだし
自分も野球は好きだけど、プロ野球選手になるわけでもないし一緒にうちの旅館で少しアルバイトするから親に聞いてみる、と親身になって有希子の相談に乗って、中学生の有希子がアルバイトするうちに千範と有希子は両家公認の仲になり、
有希子も千範の両親から可愛がられて。桑田家の海の灯りで長年アルバイトするうちに自然に桑田家の嫁、そして女将さんになりました。
そして、いま。桑田の大将は、リリコの取材を受けながらやってきたブロッコリーやスギさんに勧められて
かなりお酒が進み。
もしかしたら、初恋に戸惑っているかもしれない幼い息子のミリオン。。。優秀で器用でクール、時には生意気なそんかミリオンの意外な温かみのある部分、それを考えると桑田の大将は、思わずもう遙か昔なんだけど、つい最近の事のようにと、自分が中学生の頃、有希子が桑田家の旅館にアルバイトに来た事を思い出して。
「自然の流れで、嫁さんになったうちのユッコも、海の家じゃなくて、旅館の方だけど吹雪ちゃんみたいに初々しく働いていた頃を思い出すなぁ。まぁ、あのうちの家のアルバイトに誘った時から自分は潜在的に有希子と結婚して、有希子が旅館の女将をやってくれるんじゃないかって、どっか知らず知らずでも、気づかないうちに確信してたかもしれん。吹雪ちゃんも、これからわからんね〜、もっと他にやりたい事あったり、島を出るかもしれないけどさ。。。ま、あんまミリオンからかうと怒るからさー。でも、あれは、多分吹雪ちゃんに気があるねー、ウシシシシ。。。」そういう桑田の大将に、ブロッコリーは、
「フー。。。じ、10歳歳上、そりゃ、ま、昔付き合った事ない事ないけどさー」杉さんが、酔っ払って「ハジメ、オマエは最近若い女ばっかりだけどー何歳でもイケるんだろ。。結婚したり離婚したり再婚したり離婚したり。。。まぁ、ハジメは酒も飲まないしというか飲めねーし。。。原動力は、女かもしれんけどさ、また揉めるんじゃないだろーな」若いうちから結婚して家庭を持って見かけによらず結婚にはかなり真面目な意識と姿勢を貫く杉さんは、男女の修羅場と揉め事をよく起こす正反対の大親友のブロッコリーに信じられないと、ため息をつくと。。
「あら、皆さん。なんか。。。アタシの話し、してなかった」噂をすれば。。。ミリオンが、捌いたお造りを運んで来ながらあやしげにジッとにらんでいました。「なんでもない、なんでもない。パートさんや、吹雪ちゃんも来たし、取材の途中なんだから、さ、ミリちゃんも食べよ」さっきまで、吹雪ちゃんを、ミリオンからしたらBBAだと言ってしまったブロッコリーは、そうテキトーにごまかします。ミリオンの事は尊敬してるし、ここに来るたびいろいろ世話になったりパソコンも恩人だし好きな子がとか、そうからかってみたいものの。。それで機嫌が悪くなってもな、と。ミリオンは、なんか自分が言われてたようなと思いつつも、お客さんなんかそんなもんだし、気を取り直し「そうなのー、ま、いっか、杉さん、新鮮なのありがとうね。あ、そうそう、話しは途中になっちゃったけど、例の事件のさ、ハリネズミの。。。プルメリア港で、早朝キンキンのヤクザみたいなハリネズミの。。。見たんでしょ、アタシ塾だからパーフェクトサーズディって見ないんだけど、」「そうそう、で、あれさ、俺、パーフェクトサーズディの生番組見ていた嫁にあんたが昔話してたキンキンのハリネズミって。。。ドクロの入れ墨って、プルメリア港で見たって。。。この人って、隣の部屋で酒飲んでボーっとしてたら嫁に呼ばれて、白骨死体発見のモンタージュが出てたから、あっと思って番組に仮名で電話したんだよ。」
2023年02月03日
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