えっ。。。両腕から暴れまくっている龍の入れ墨がおスギとか、スギさんと呼ばれ、ブロッコリーの幼なじみで漁の休憩中というカワウソの男性がやってきた。けっこう大きめのクーラーボックスを抱えている。
ブロッコリーが、遠慮なく取材を受けている大将とリリコのテーブルに座っているのでスギさんという男性も同席して「よぉハジメも大将も元気してた」というので、リリコは、「ハジメ」と言うと、ブロッコリーが「俺の本名。獅子王肇。。。ハジメ、あっ、これはおスギ。。。こんなすっげー、入れ墨だらけだけどヤーじゃないよ。漁師。この、プルメリア島の八王子グループの親族のね。」「えっ。。。そうなの、えっと。。スギ、杉?なんとか?」リリコがきくと
龍の入れ墨のカワウソはブンブン首を振り振り「八王子杉哉、本当は、八月8日8時8分で8が好きだしハチって呼ばれたいんだけど、ハチは、うちの親方の漁師グループの八王子連合会がハチって呼ばれているからハチ、は永久欠番で使えないからで、名前の杉哉でスギ、とか、スギちゃんとかスギさんとかスーさんって呼ばれてる。ま、ちょいドラッグストアみたいなんだけどさ」ミリオンが、スギさんに瓶ビールを持ってきた。「あっ、おつぎします。私、東京から取材で来た都王新聞のリリコと申します。もしかして、瓶ビール派なんですかわたしもビールはジョッキより、瓶が好きで」リリコはマスコミ関係で入れ墨のすごい人もまぁまぁ見ているけどそれにしても、このスギさんは、カワウソの可愛い顔に似合わない。。。「ありがとう気が利きくねーえっと、これ、怖くないヤクザじゃないんだけどさー」スギさんはビールを注がれると嬉しそうに入れ墨の事を言う「あっ。。。大丈夫です、」リリコがいうと、スギさんはまるで水のようにビールをぐびっと飲み干して近くにいたミリオンが、また瓶ビールを注いで「どうせ、すぐ無くなるでしょう」と、シュルッと2本ながーく腕を伸ばした厨房の冷蔵庫を開けてビールを取り出して、栓抜きをしたらしく、またまた瓶ビールがミリオンの腕に持たれて戻ってくる
だいたい何メートルぐらい腕を伸ばすとか栓抜きの場所だとか、いちいち厨房に戻らなくてもミリオンはもう目安の感覚でわかるのだ。タコのように8本腕があるので、ウデをシュルッと伸ばして書類整理をしながら掃除をしたり、オーダーを取りながら調理したり。帳簿を整理したり。器用に同時進行する。スギさんは、嬉しそうに「そうそう。ビールは瓶じゃなくちゃねーま、無ければジョッキだけど、無ければのハナシ。あ、飲む、ビールでしょ、それ。」スギさんはテーブルの隅に置いてある瓶ビールの銘柄が自分のとおんなじだと確認すると
とっとと。。。と言いながらごきげんにリリコにビールを注ぎました。「ありがとうございますず、随分と立派に入れましたね」さりげなく、リリコはスギさんの龍の入れ墨を褒め称えました。「まぁ、なんていうかさ。うち、八王子グループ。。。漁業の八王子ってカワウソだから。顔が童顔で迫力がないじゃん。男のロマンというか。。。で、結構うちの漁業連合会墨を入れるんだよね。強制じゃないんだけど。オヤジとか兄貴とか別に入れてないし。でもさ、爺さんとかも入れてるし、俺は子どもの時から絶対龍の入れるって決めてたんだ。あ、そうそう、これなんだけどさ。」スギさんは、クーラーボックスを出して。「わ、仕事じゃなく釣ったやつか、」ブロッコリーがのぞく。ブロッコリーも、小さい頃はスギさんや他の幼なじみと神楽町市の十六夜川や、南の麗しが浜でスギさんの親族に教えて貰って釣りをしてきて。クーラーボックスには、オコゼや金目鯛やらその他何匹か入っていました。「ね、ミリちゃん。さばいてよ。刺身にしよう。」スギさんがミリオンに言います。ミリオンは、刺身をさばくのも上手ですぐに覚えて今はもうフグの調理の免許も持っています。ミリオンは、「わ、イトヨリダイも入ってるじゃん。これは皮も美味しいから塩焼きにしとこ。オコゼは刺身にするね。」ミリオンは、ニッコリしてスギさんに御礼を言うとヨイショっと、クーラーボックスを厨房へ運んでいきました。リリコは、ビールを飲みながら「ミリオンさんって、料理まで本当にやるんですねー。。。」と感心します。大将の桑田さんは笑って「あの子は、アッシが言うのもなんだけど見よう見まねでなんでもすぐ覚えるし。手先も器用だしねー。見よう見まねとか、ネットでレシピ検索すればすぐに目を通せばレシピは頭に入るし。時間配分量とか。調味料の順番の量とかも。まぁ、木蓮寺の和尚さんも、あの人も病気みたいにおもしろいぐらいに料理が好きな人だけど飲食店で出された料理はすぐ、作り方や材料やレシピもお見通しで完全に再現できる絶対味覚みたいなの持ってるけど。ミリオンも、すぐにだいたいこうすれば。。みたいに料理もチャッチャッとやっちゃうね。マメだし器用だし、」「だけどさー、ミリちゃん、将来は、お料理じゃなくて、多分ドクターとか、大学教授とか。。。そっち行くんでしょ。今だって、ジーニアスの塾の先生だし。そういや、こない電気工事の資格も取ったんでしょ。もう。。。電気とか、純文系の俺、考えただけでも寒けが止まらない」完全なる文系派のブロッコリーがブルブル身震いをする
ミリオンは、赤ちゃんの頃にお気に入りのおもちゃは電化製品や車の分解してパズルみたいにまた元に戻して遊んでいたのだ。桑田さんに見つかって叱られたんだけど結局は、元に全部きちんと戻すし、壊れたものは直したりそれでもう桑田さんもなんにも言わなくなりました。普通のパズルではすぐできてしまいすぐに飽きてしまうようです。
スギさんは親友のブロッコリーに大笑いして「だってさ、ハジメ、こいつ昔買ったばっかのDVDが壊れたって怒ってて不良品か、ジャンク品つかまされたのか海外輸入でお菓子食べながら組み立てライン作業して作ったとか、製造過程アバウトな会社の買ったんじゃないのって、俺が見てやったらコンセント差してねーんだモン。当たり前だよなぁ。。」「い。。。イイだろうそんな、遠い過去の昔の話は今更もう。いいさ、スマホやパソコンが使えるから生きていけるしっ。」
クリエイターのブロッコリーは、機械類は苦手でも、パソコンだけは生涯を懸けて命懸けでまじめに勉強したようだ。じっとしているのが苦手なのでパソコンがあれば家にいなくてもどこでも仕事できるしそれに、SNSの発信などなど、拡散して発信するのも大好きだし仕事もラクになる。四苦八苦しながらパソコン教室だけはまじめに通い大学時代よりずっとまじめに勉強したようです。なんとかジョジョに習得して苦手意識にさいなまれつつも、仕事に取り入れて
それでも、この海の家クワタに来てWi-Fiやコンセントが設置してあるので、スギさんと待ち合わせてパソコンがフリーズして動かなくなった時があって、大騒ぎしていると赤ちゃんのミリオンが、その場に居合わせてあっと、言ってあっという間に設定し直してチャチャっとまた動けるように治してしまいました。それから、ブロッコリーはミリオン先生と言って、ミリオンにパソコンの使い方のコツをききだしたり。ミリオンは、お店の常連さんが魚や野菜を差し入れしてくれたり、お土産を持ってきてくれたり時にはお小遣いをくれたりするので、お礼に飲みに来たお客さんにパソコンを教える事もありました。近所の家には、家電を買い替えか治せるか相談されたり。
スギさんはすっかりビールでいい気分になり
「わ、でさ、今日魚差し入れしたのはさー、今日吹雪来てるだろー、あいつ、確か試験週間で学校早いから勉強しろって感じだけどさー
どーせ、それでも毎日勉強したくない時々はって、網元んちに寄ったらここにバイトに来るみたいな事言ってたんだけどさ、あっ、今日はミリちゃんも店に出るし、じゃ、お世話になってるミリちゃんカッコいいとこ見せとかんと、ってさ。」
中学生の八王子吹雪はスギさんの親族で、プルメリア八王子漁業連合の会長の孫です。お金があるからアルバイトはしなくてもいいんだけど、家庭料理を覚えたいし、家にいるとわがままになるので、と海の家クワタで時々バイトをしています。いま、その吹雪ちゃんは厨房に入っているようです。
「ハァ。。。どーゆーこと」ブロッコリーがよくわからないみたいな顔して言うと「ミリちゃんてさ、なんか。。。吹雪に気があるんじゃないか。だからさー、ミリちゃん、魚をサーっとカッコよくさばいて。。。吹雪に教えて」
ブフッブロッコリーが、レモン水を吹き出しそうになる。。リリコも、なんとなくミリオンが吹雪ちゃんが出勤してきたら、ソワソワウキウキしてきたような。あっ、もしかしてと思いました。年齢など関係ない事で、小さな子どもというか、幼稚園児が幼稚園の先生に憧れる、ってよくある事だし。まぁ、ミリオンは、幼稚園児って年齢層でも知性は遥かに大人を越えてますが。。。年齢差ある歳上女性に憧れて、か。
天才と呼ばれて世間では冷たい性格に見られてる、実際にはおもしろくて明るくて人懐っこいんだけど、
そんなミリオンにも人間らしいというか、宇宙人なんだけど、そんな天才にも、憧れの人がいたり、初恋なんてなんだかいじらしい。
「は、ハァーミリちゃん先生って、よ、四歳だよっ。そりゃ。。14歳の吹雪ちゃんは。。世間ではぴちぴちだけどさーみ、ミリちゃんから見たら。。び、BBAじゃん。。。」
2023年01月25日
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