「いったい、どうしたの、保健室に運ばれたんですって。。。」児童会室に早めに来ていた福の神笑〜。。児童会長の笑〜と、笑〜にLINEをした書記のヴィーナスは学校でも有名人なので、大騒ぎになって、すぐに倒れて保健室に運ばれていったみたいな話しは学校中に話しが伝わってしまいました。人の噂は大きく化ける、で、大げさに盛って話を流す人はどこにでもいるし。。。噂は成長しながら派手に一人歩きしがち。二日酔いで飲み過ぎて倒れてしまったという話にもなっていて。。
とりあえず、ヴィーナスが笑〜にLINEで相談を求めたので児童会がはじまる児童会室にはかなり早めにきた会長の笑〜とヴィーナスが今のところ二人。
ランチを食べながらの児童会なので、笑〜もヴィーナスもビュッフェから持ってきたランチをテーブルに置きました。
ヴィーナスは、ま、たしかに昨日の夜は飲んじゃったけどさ〜間違えてお酒を飲んでというか、どうも変な夢か現実かわからない状況下で、ニコニコした木蓮寺のご本尊様が、ワシがワザと飲ませたんじゃなんて言われて。。。わざと飲んだんじゃないし、もう、登校した時はお酒は残っていなかったはずだし。。飲酒なんかしないわよと、あれこれ考えながら笑〜に、
「なんかね。。幽霊が家に来てさぁ。笑〜は、幽霊視える人だっけ」「見えない事もないけど、見えないようにしてる。。福の神はいちおう神だし、みんな幽霊が見えない事はないんだけどだいたいは見えないようにしてる。。けど、うちの兄の三男の大蔵みたいに見えないようにする事ができない程霊感が強いタイプもいるし。。。かと言って、まぁ、福の神だから別に大蔵は幽霊に取り憑かれる事もないし、幽霊が見えようが生きている生命体と幽霊とはっきり区別がつくし、あまり惑わされないし、霊感がすごい人の中には全員がそういうわけじゃないんだろうけど、幽霊に邪魔されて運転ができないとか免許が取れない人っているみたいだけど、やる事もいっぱいだし、それに。。。免許取れないとか、そういうのも嫌で福の神は幽霊を見えないようにしてるんだけど大蔵は、別に幽霊が見えようが、生まれながらにしていろいろ免許持って産まれてきてあんまり関係ないんだけどね、」笑〜の言葉に。。。
「あたし。。は、はじめて幽霊見ちゃったわよーしかも。。。あの。。あの人よ。。ハリネズミのキンキンの。。びっくりしたわよ何しに来たんだろうって。。でも、ま、悪い霊とか。。祟りがあるとかそんなんじゃなくて。。。」と、ヴィーナスの言葉に思わず笑〜は、「あ、そうそう、悪い霊とかじゃないと思うわよ、大蔵もLINE来てさぁ。。視えたんだって。。で、従業員と、ハイヤーの運転手とお客さんが、観光案内してる側にいて、挨拶がてらに悪い霊とかならなんとかしなきゃ、と近づいてみたけど。。全然悪い霊じゃないしどっか行ったと言ってて、あー、大蔵も今日ちょーどヴィーナスとおんなじ幽霊見たって。麗しが浜だから、ヴィーナスのとこへ行った後でブラブラしてたんじゃないの。。。ね、ヴィーナス、急に霊感が出てきたんじゃない。霊が視えるのは、生まれつきじゃない人っているじゃない。」笑〜がからかうように言ってくるのでヴィーナスは、全身をフルフル振るって「冗談じゃないやめてよーそりゃ今回たまたままだマシな幽霊を見ただけ。。。というか、それはまだヨシとして。それから変な白昼夢みたいなおかしな事に遭遇して、死ぬかもと思ったのよーうちのクラスの霊感3人組のモンやオスプレイやシイモすら見えないって言う天使を見て。。。それで、天使がいるって騒いだけどあの霊感3人は何を言ってんの全然視えないって言うもんだから、だから私死ぬ人にしか見えない死に神というか、ああ天からお迎えでもきちゃったんだわって頭に輪が乗っていて、白い羽根がある二人のハリネズミの天使で。。。ダメだ、あたし連れて行かれるんだって考えたら気を失って。。。」思いっきりノーと拒絶しました。「えっ。。。ハリネズミの天使。。ウーン。。。天使って。。。天使は死に神みたいな事をするんじゃなくて、さまよえる霊を天国に連れて行こうとするって聞いたんだけどな。。あっ、ほらほら、低学年だともう芥川龍之介の蜘蛛の糸って習ったでしょ。」
「なんか、変わった話しだったけど。。こないだやったばっかり。。」「あの蜘蛛の巣とはちょっと違う似て非なるもんかもしれないんだけど、天使の気まぐれで亡くなって地獄へ行った人や、亡くなっていつまでも成仏できないさまよってる生前の悪い事をした亡者の中から特別いい事をした者を生きている人の助けを借りて天国へ連れて行くって聞いたことがある。だから、天使がヴィーナスに助けを借りにきたんじゃないのかな、だって。。。あの、吾朗太さんって人ね。モンタージュ出してから、以前ホストやっていた時の同僚の人から連絡がうちのTV局に入ってきたんだけど、かなり誉めていたわよ。スカウトの腕も良かったみたいで。いい事は人には教えたくないって人がいるけど、その反対で人にはいい事は教えるべきだという性格的なとこもあったというか、だいたいイケメンって、自分よりイケメンとか賢いとかそういう優秀な人に敵意剥き出しというか、プライド高いし、自分が一番じゃなきゃ気が済まないってところあるけど。。。吾朗太さんは、まぁ異性に強い本人も自覚してた自他とも認めるイケメンなせいか、スカウトも店を良くする為にどんどんできるイケメン狩りをしてきたようだし。それでいい意味切磋琢磨して余計に自分が成長できればいいというか、結局はお店も儲かるし自分も儲かるし、で。まぁ、お金、なんだけど。それでも、自分より落ちる相手をわざと連れてきて引き立て役にって事は惨めで嫌だったみたいだし、それほど外見がよくないキャストでも、ああ、これは女ウケするなとか、女心をくすぐるなとか、そういう異性に対しての強さとか色気とかエンタメ性とかキラリと光るものを見出してはスカウトしていたみたいだしね。」「ま。。まぁさ。それはいい事よね。なんか、あまりにお山の大将で敵愾心まんまんだと、イケメンでも見てるこっちも惨めになるもんだし、あーあ、それほどカッコよくないじゃん、哀れな自称イケメンさんってなるもんね。。。イケメンったって需要される好みはバラバラよ。自分が前女性を振り向かせる事ができるなんて大間違いだし。」ヴィーナスがため息をつく。「まぁ、確かに。。イケメンイケメンって言ってもタイプがあるからねー。吾朗太さんは、それがじゅうぶんわかっていたから、いろんなタイプのイケメンを味方につけて品揃えしたわけよ。優秀な男性は敵意剥き出しにするより、仲良くなった方が賢いってわかっていたのね。。。まぁ、吾朗太さん、それにしたら。。。女の人には散々酷かったって話しだけどねー」笑〜は女の敵とばかりに軽蔑するように言うけれど、ヴィーナスは、実家が水商売で男女のスッタモンダを赤ちゃんの頃から見慣れているせいか、「まぁ、でも女性って貢いでもキャーキャーアーティスト追っかける性って言うの男から告白されたい癖に自分が好きな好みの男性じゃないと嫌なのよ。だからまぁ、殴られようが貢がされようが遊びの女で本命じゃなくても、ってついついイケメンの男性ならって女性もいるわね。女性だって下心マンマンなんだからさ。酷いって言っても。。。あーいう女性が勝手に寄ってきて世話して貢いでみたいなお金になる男性って。好きでもない女性に冷たいのはしょうがないんじゃないの。自分の事を好きな女のひとりってだけで。、
あっちだってタダで相手なんかしてられないでしょう。貴重な時間も労力も割いて片思いしてくる人の相手にしてるんだからさ。まぁ、みんな誰しも、美男美女じゃなくても、特別モテなくても。。。自分に片思いしてきた人にはありがたいと思いつつも下にしか見れないのよねー」さりげな〜くヴィーナスが言うと。
笑〜はにやっとして「あらまぁ。チイちゃんが会いたがっていたわよ。ちょっとぐらい顔を出してあげなさいよ。」と。えっ。。しまった、やぶ蛇。。と、ヴィーナス。。
チイちゃんというのは笑〜たち福の神の家にいるチワワの赤ちゃんの女の子でヴィーナスにメロメロなのだ。ヴィーナスを見ると喜んで飛びついたりまとわりついたりしつこいのでヴィーナスはあの子がちょっと苦手なのだ。可愛いし嫌いじゃないけどあんな小さくて化け物みたいな胃袋で食べ過ぎて元の家から捨てられた。。。チイちゃんはチーコという名前なんだけど兄のララ尾君がチーコが心配で家出して福の神の家に一緒に住んでいて、ヴィーナスと一緒の神楽小学校低学年クラスなんだけど。
ヴィーナスは、チーコから好かれてるのを
クラスメイトからからかわれて、ピーピーヒューヒュー言われたりクラスメイトは、ララ尾君には、ララ尾君のモノマネをしてヴィーナスに妹はやらんだの、ヴィーナスのモノマネでララ尾君、妹さんをアタシにくださいだの、からかってあそばれている
ついでに、クラスメイトの蜜蜂のハニーとヴィーナスは仲が良かったりよく取っ組み合いの喧嘩をするのでハニーは愛人だのなんだの、ませたクラスメイトが、ハニーにチイちゃんに刺されないようにしなきゃねー、だのと。
アホみたいな事ばっかりワイワイがやがややるし。冗談だってわかってるし、それこそ、ハニーこそがチワワのチーコとの仲を嫉妬するどころか、茶化してヒューヒュー言ってくっつけようとするので、ヴィーナスが怒って取っ組み合いになるぐらいなのだ。。。ハニーも別にヴィーナスの事はただの友人としか思ってない事はよくわかるしただのお約束ネタなんだけど。
「ハァ、まぁ、そのうち。んで、そういう事で、いいところあるから、あの人、キンキラキンさんは、天使に気に入られたから、天国へ行けるわけ。。」イヤな方に脱線するのでテキトーにごまかしてなんとなくヴィーナスは、話しをはぐらかすと笑〜は真剣な顔で、
「あっ、そうそう。そればっかりじゃないんだって。。。あのね、吾朗太さんのモンタージュがうちのTV局の放送で大反響で、で、情報が入ってくるんだけど、それでね、なんか、スゴいっていうか、あたしも感激して、五朗太さんあの人。。。」と、笑〜が、吾朗太さんの情報を話そうとした時に
ガラッとドアが開き、他の児童会生徒がランチを持って児童会室に入ってきました。笑〜やヴィーナスを見ると、
「あら、会長も書紀もはやーい、」と言いながら、次々とテーブルにランチを置いて席に座るので
笑〜は、コソッとヴィーナスに、「また、あの話は後で、ね。」「えっ。。。」
一方で、麗しが浜でなんとなく、顔見知りのハイヤー運転手のオーガストさんとそのお客を気になり集中して霊感があるオーガストさんに気配を消して気づかれないように聞き耳を立てていた幽霊の吾朗太さんでしたが。。。霊感が強いであろう福の神の大蔵に気づかれてしまって、なんとなく気まずくなり
慌ててその場を去り、神楽町市の麗しが浜から、プルメリア島に戻ってきてしまいました。別にさーあの福の神のニイチャンも、全然怒ってるわけじゃないんだけど。、やっぱ幽霊が視えるとしたら従業員やお客になんかあったら大変だと警戒するわな。。
ハァ。にしても羨ましい。あんな車、いったい幾らするんだろ。福の神だから、そんなもん、オモチャの一つ程度だろーけどよー俺も生きてりゃ、いい車乗ってただろうけど。。あっ。。。でも。。。福の神は、いいとして。。。
今度は、吾朗太さんは、プルメリア島のいつもの北側の木蓮寺のアクアマリンビーチの反対の南側の、ブルーオーシャンの浜辺に佇んでいる。プルメリア島の木蓮寺がある北側の白蝶貝地区が閑静な高級住宅街なのに比べて南側の黒蝶貝地区は、観光中心で開放感と快活さに溢れていました。どちらも吸い込まれるような美しい海はひけをとらず変わりません。
それにしても。。なんだろう、あの、ペルシャ猫の盲目の若者、オメガだっけ。。オーガストさんのお客の。。なんか、あの人。。
あの人どっかで。。吾朗太さんは考えました、ハタチぐらいのオメガという若者。普段は東京らしい。年齢層も自分とは全然違う、確かに、幽霊だから吾朗太さんも死んだ姿はまだ二十代半ばぐらいってとこだけど。
でも、気になるんだよな、妙にさ。。直感というか、第六感というか、そわそわ心から湧き立つなんか、気になりって。。
なんだろう、もうちょっとあの若者を追ってみたい気がするどうしてなんだろう。。吾朗太さんの胸は揺らぎました。
2022年11月21日
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