ゆめのでは、よみがえるあの頃。。小学生の四朗。ずっと過去をたどる夢を見た果てに。。
「四朗、あなたと三太夫は、女性を大事にしてきましたね。」三歳の外見に似合わない中身が大人びた真央が言いました。四朗はびっくりして
「特になんもしてないです。僕は全然モテなかったしおもしろくもない平凡だし性格が不器用な反面、手先だけは器用だからそれぐらいしか取り柄がないしだから、ヤクザも怖いしできないし亡くなったオヤジも菓子屋なんかチャラチャラ男がやりやがってしかも婿養子でとさぞや嘆いている事だろうよ。」ところが、真央は叱責するかのように、でも最後には笑って「あなたはそれでいいのよ。それが貴方らしいんだし。ヤクザの子どもだからって、子どもをヤクザにしたくない親の方が大多数でしょう私だって、三歳で亡くなったけどもしも大人になってヤクザと結婚するなんて言ったら、お父さんは敵味方関係なしで絶対相手のヤクザを許さないでしょうし、相手を半殺しにしていたでしょうし。それに、もしも私が入れ墨なんていれようもんならそれこそ気が狂っていたでしょうね。女が、女らしい蝶々や薔薇や、小さなタトゥーですら許さないでしょうよ。。。四朗、お父さんはあなたがまだ子どもの頃に抗争で亡くなったけど。。お父さんは、四朗が手先が器用なのと毎年お父さんの誕生日にケーキを作っていたじゃない。あれは、甘いものが大好きなお父さんも喜んでいたし、あなたが子どもの頃に亡くなったからわからなかっただろうけど、四朗を知り合いの料理人かパテシィエか、ウチの組もいろいろ料理関係にはいいところに知り合いはいたじゃない。四朗がその気なら、お父さんあなたの為に紹介状を書くつもりだったみたいよ。」
「えっ。。。オヤジが。。。まさか。。見ててくれたんだ。。。僕が小学校高学年ぐらいにオヤジは死んでるから。。将来の話しなんかした事なかったし。実は。。。料理系の仕事に就くのをもしもオヤジが生きていたらチャラチャラしやがってそれでも男か、オマエは剣崎組の息子だろうにと、怒鳴られるだろうなとで、まぁ、オヤジもいない事だし。学生時代にバイトしてそのまま、パテシィエになって。。。今さらオヤジが生きていたら料理の。。。しかも、パテシィエとか、婿養子だとか怒っていたろうなとか、自分には期待されていなかったかなとも思う事があって。。。そうやってモヤモヤ考えていたんだ。」すると、真央は笑い出し「何を言ってるの。。。誤解だわよ。。料理関係なんてまだまだ男性社会だし、パテシィエも男性の方が多いじゃない。それに、お父さんは、四朗がヤクザにならないというかなれない性分を喜んでいたわよ。婿養子も、ヤクザの息子がいいご家庭のしかも天職に婿入りできて感慨無量だわよ。お父さんは、わざわざ三太夫を伊集院家に養子に出したじゃない。三太夫も絶対ヤクザには向かない性分だったし、三太夫は愛人の子どもだったし、私たちの母親からもヤクザの実家からも、引き離したかったのよ。三太夫は、神童と呼ばれるぐらい賢いし、私たちの母の要が命を狙うかもしれないでしょう。四朗は、本妻で要の息子だし、だから、わざわざ養子に出さず将来的にお父さんは貴方を自分の懇意の知人や友人もいる料理関係の仕事の世話をしようと考えていたと思うわ吾朗太は、三太夫ともども愛人の子どもだけど。。。でも、あの子はヤクザの性分だし、お父さんが跡取りに決められていたからね。」「そう。。。でも。。。僕は。。ヤクザに向かないし。。。取り柄もないしで。。。唯一、小さな頃に趣味でスイーツを作るのが好きで甘党なオヤジに褒められていたけどあれが嬉しくていろいろ。。オヤジはちゃんと僕を見てくれていたんだなぁ。取り柄はないし気が弱いし。。モテなかったし。。僕なんか、どうでもいいと思ってた。三ちゃんがヤクザに向かないから将来の為にとわざわざいいご家庭に養子に出されてヤクザと縁切りされたけど、僕もオヤジにとってどうでもいいからヤクザに全然向かない性格なのを知ってる癖に放置されていたと思って」そういう四朗に、真央は、「四朗ね、三太夫は特殊なのよ。。あの子は神童と呼ばれるぐらいの子であってなかなかそういう子は滅多にいないぐらいだし。四朗、それにあなたはモテなかったしって言うけど。。。それは基準値を吾朗太に置いてない近くに吾朗太みたいに貢がれて当たり前女性が寄ってきて貢がれてなんか買って貰ったり何人か女性がいても遊びの一人でいいからっていうそんな男性が基準として見てるから貴方は勝手にそれに比べて自分はモテないんじゃないかとか、三太夫に比べて頭が悪いんじゃないかとか。。。勝手にそう思い込み過ぎてるけど、吾朗太がモテるのはあれもあれで。。特殊な事なのよ。。」ああ、そうだ思い出したあれは。。。自殺未遂をした、中学生の頃。。突然自分の存在価値に疑問が湧いてきて死にたくなって。。
首をつろうとした。今でもフッと鴨居にかけたロープがくっきりとよみがえる。。イリュージョンのように。。。
あの時、あまり家に寄り付かない吾朗太がたまたま帰ってきて、発見されて。。。力任せに殴られた
後にも先にも吾朗太に殴られたのはそれきりだけど吾朗太も、言い訳する自分に向かって、オマエはおかしい、モテないモテないってオマエから女性を避けてるし、それにオマエはカッコよくないかもしれないが、普通だと思うし、世の中の男も女も見かけは十人並みが大多数だろうに。。
イケメンも美男美女も、反対にブサイクもドブスも少数派だしイケメンじゃないイコールブサイクではないそれに、オマエは賢い方だと思うぞ、ただ三太夫と比べるから悪いんだ比べてどうのこうのと言う方がアホらしいだいたい誰かと比べるから惨めになるんだと言われて、ハッと目からウロコが落ちたある程度大人になって、街中でチーマーに絡まれて吾朗太と偶然再開して、吾朗太の子分で吾朗太がチーマーをボコボコにしていたけど あの時も五朗太には助けて貰って
そのあと久しぶりに飲んでというか、吾朗太もかなり弱めのカクテルで、自分はあまりアルコールは好きじゃないし弱いからおんなじようなものを少しだけ飲んだけど。。。
あの時も言われたなオマエはちょっとズレてるんじゃないか別にモテないわけじゃないしちゃんと女と向き合えば女なんかすぐできるだろうに気持ちのどこかで、オマエのお袋。。言っちゃなんだが、アイツはオマエやオレに冷たいし、周りにあんなのがいたらそりゃあ女に幻滅するだろうし、オヤジや俺が女をぶん殴ったり都合よく女を扱ったりでなんだかそういうのを見て女に接するのに嫌になったりしているかもしれんが。。。オマエのお袋みたいな女ばっかりじゃねーんだ、世の中は。まぁ、オマエを産んだ女の悪口言って悪いけどよアイツはオマエを虐待したりオレを殺そうとしたり。。。オマエを産んだ親だからオマエは怒るかもしれないがあんな女はそうそういねーよ。。」
まぁ、確かに母親の要には四朗は散々冷たく当たられていました。というのも、愛人の子どもの異母兄の三太夫がかなり優秀な子どもで四朗の五つ歳上でしたが、それに対抗して本妻の要は今度ばかりはと、長男、次男の小刑を出入りしてヤクザにしかなれない一朗や次水。。。そして。。。優秀な愛人の子ども三太夫が産まれて同じぐらいの時に女の子の真央が産まれて。。
これで、やっと愛人に対抗できる女の子だ、と要が喜んだのもつかのま、女の子が産まれたとなると、旦那の蓮気は真っ青になりました。
確かに、女の子は蓮気にとって目の中に入れても痛くないほど溺愛の対象になりますし、例え馬鹿だろうが可愛い可愛いですが。。。大代剣崎の家系は女の子が育ちません天に昇ったかと思えば。。地獄に突き落とされる。。。待望の女の子の真央が3歳で亡くなり同じぐらいの年齢の愛人の子どもの三太夫はとても利発で。。。見かけは愛人に似て神童と呼ばれるようになり。。
それにまた対抗するように本妻の要は四朗を産んだのですが。。。ところが、四朗は気が弱いし取り柄もなくごく平凡でした。大人しく言う事をきくだけだし。それが。。。要には忌々しく思えて愛人には勝てないというのか。。。身体の弱い若い愛人のなつめに代わり、三太夫も剣崎の三男として養子で引き取り。。
腹が立ってくるけど、賢くていい子だし、なんで上の一朗と次水はろくでなしでヤクザなんだろうそりゃあ、ヤクザのこだからヤクザで仕方ないけどあれ達は、全く蓮気も期待していないろくでなしな筋の通らないチンピラだしオマケに、剣崎家の呪いと言われて、女の子は死ぬ三太夫に対抗して、四朗を産むが、今度は四朗はクズだしそんな感じの母親要の想いが四朗にはヒシヒシのしかかりました。小さな頃から。。。吾朗太からオマエの母親はロクでもないと言われて。。。
でも、四朗も怒るどころか心底本当にそう思っていましたし、四朗は小さな頃から、要が吾朗太にてを出さないように監視していました。真央が、「あなたは、吾朗太を守る為にもヤクザに向かないけれど、剣崎家から三太夫みたいに養子に出されなかったわ。。。お父さんも、まさか実の母親の要があなたを虐待するなんて考えてもいなかったから。。。あなたはゆくゆく知り合いの料理人に預ければいいとお父さんは思って。。。」と、言いました。
「そうだったんだ。。。まぁ、三ちゃんみたいに、かっこよくて優秀で人より抜きん出ていればヤクザの子どもだろうが跡取りに欲しいって良家から養子の話しはあって当たり前だよ。だけど、僕は取り柄もない平凡だし。。まぁ、ヤクザの息子の箸にも棒にもかからないなら。。わざわざ貰い手なんかないさ。」四朗がため息をつきますが、真央は
「誤解だわよ。お父さんは、お父さんなりの貴方への愛し方だったのよ。貴方を信頼しているから吾朗太のそばに置きたかったんだし。あなたは本妻の子どもだから、わざわざ養子に出すまでもないし、愛人の子どもの吾朗太を可愛がって守れる優しさがある事を知っていたのよ。要が跡取りの吾朗太に手を掛けるかもしれないじゃない。。。」
すべては愛情だったのか。。。今となってはもうわからない。父親の蓮気は、四朗が小学校高学年ぐらいで抗争で撃たれて死んでいるし。。そもそもあまり家にいないし怖くてあまり口もきかなかったけどなんというか、もう。。。
ああ、でも、今思えばあの時吾朗太が助けてくれて立ち直れて。結局、最後はどんでん返しの大逆転で自分らしい生活をスイスイ送っていて。ヤクザの環境とも無縁になった。もう石鍋家の若主人なので、申し訳ないが、蓮気や吾朗太には心の中で手を合わせている。。。
積み重なった挫折感は、実は芯には幸せが潜み隠れていたのかもしれないし、本当は、人生に一切の無駄も不幸もないかもしれない。
夢の中の四朗は、顔を上げた。真央がにっこり微笑んで。。。
「今は。、。吾朗太は、幽霊になってさまよっているわ。。主に死体が見つかったプルメリア島を本拠地として。。でもね、あの子も成仏して天国に行けるチャンスが訪れたかもしれないのよ。。。」「て。。。天国チャンスどういう事。。。けっこう悪さしてたんじゃないか。。もちろん身贔屓で僕だって吾朗太が安らかに眠って健やかな来世をと望んでいるよ。。。でも。。」
あの吾朗太が天国に行けるのだろうか。。殺人はないにしろ、女を騙して女に暴力を振るったり闇金を経営したり。。確かに自分には優しい奴だったけど。。
真央は少し顔を赤くして。。。「私は3歳で亡くなって、年齢は3歳のまま。。。今から10年ぐらいは前になるかしら。。私と一緒ぐらいの3歳で交通事故で亡くなったおんなじハリネズミの男の子と友達になって。。。その子は天使になったのよ。私も、今は天使になったんだけど。。それで、その男の子から、アプローチされて。。。」四朗はびっくりして「え、ええっ。。ね、姉さん、今から10年ぐらい前って。。かなり歳下すぎの。。。」
「だから、誤解しないでちょうだい。私は3歳のままだから、同い年なんです。その子は、私に自分にできるお願いをできる範囲で叶えてあげるからと言ってきたのよ。だから、私は、自分の身内の成仏はお互いにはできないから、亡くなった私の弟の吾朗太を天国に送って欲しい、私もその子の事は好きだから、そのお願いを叶えてくれたら。。。来世一緒に家族になりましょうって約束したのよ。。。」
残念ながら、真央の話しだと。。。
吾朗太は成仏していない
幽霊の吾朗太は記憶を無くしていて、吾朗太が記憶を取り戻し、自分がどうやって亡くなったのか死因や殺人の場合犯人が自覚できれば。
この世であてどなくさまよっているらしい
吾朗太は天国へ行けるというのだ、
2022年09月11日
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