「テンテーペズもテンテー」
ベルモが敷地内の幼稚園に出勤すると幼稚園バスが停まりヒヨコ組のぴいなはじめクラスのメンバーが駆け寄ってきた「おはようみなさん。」ベルモは、口ではそう言いながらも頭では時間に押されて深刻な問題でいっぱいいっぱいギリギリだった
もう、時間がない、明日の正午まで明日の正午までに、俊さんか吾朗太さんのどちらかに。。東京の純ちゃんに嫌がらせをしてくれなんて事を頼まなければならない吾朗太さんは、幽霊だから瞬間的に移動する事ができるけど、俊さんの場合は。。瞬間移動できるスプラッシュシールドのUFOを事情を話してレンタルしなければならないのだ。プレゼンスレンタカーは、和尚の許可を貰ってレンタルしに行っても申請があるし。。
産みの母親の葉月の会社のアマゾネスサンクチュアリーの社用のスプラッシュシールドを借りるか。。でも社用で使う用事があるかも。。
やっぱり。借りるとなるとグリちゃんに借りるのが筋だろう。グリちゃんは、ヴィーナスの幼なじみで今長いことヴィーナス達の家にいて神楽町小学校の留学生として学校へ通っているらしいし。それに、ヴィーナスと喧嘩しているけれど俊さんが、純ちゃんの父親ではないかと思うというのは、喧嘩したヴィーナスと仲直りする事ができる。。。
でも。。。それは、俊さんが純ちゃんの父親だと思うからの場合であって。。。
本当の父親が。。。
東京にいる純ちゃんに嫌がらせをすれば、純ちゃんは助かるのだ、あの純ちゃんの穏やかさなら。。どう考えても、俊さんの方が純ちゃんに似ているとは思う。。ヤンチャで気性が激しくてワガママな吾朗太さんには、純ちゃんとは別の世界をいきてる種類だとは思うんだけど。。。
どう考えても純ちゃんに反社会は結びつかない。だけど。。。
チラッと、吾朗太さんに、もしもある人に嫌がらせをしてくれと頼んだと言ってみたら、ベルモは吾朗太さんから叱られたのだ
お前はそういう奴だったのかなんにもしてないやつに嫌がらせをするってそれじゃ、そういうろくでもないパワハラする嫉妬や悔しさにまみれたどクズじゃねーかみたいに怒ってきたのだけっこう、吾朗太さんは任侠道というか、アレで筋が通らない事は代嫌いなようで。
だから、例え話だから、夢物語の話し半分で、もしもの話だからとベルモはごまかしたけど。
純ちゃんの本当の父親が
嫌がらせをすれば純ちゃんが助かる、なんて。
木蓮寺の御本尊様は確かにそう言っているのだなんかの間違い御本尊様が嫌がらせをしろなんて。。。だけど、何度きいても御本尊様はそうおっしゃる。。。頭がクラクラしそう。。。ベルモがそう思っていると、「テンテー、どうちたのよう。早く行こう、エマさぁ〜、今日発表なんだもん。早く、早くぅ〜」
ヒヨコ組の生徒のひとりの
ミニ豚のエマが、ベルモの腕を一本引っ張りました、エマは一卵性双生児で、その妹の美憂は違うクラスでしたが、美憂は大人しくお利口なのに比べてエマがクラスのリーダーのぴいなに並ぶかなりのお喋りでアホなので、それをたまたま知った吾朗太さんが双子の豚すらアホな方か。。ブーコのクラスはヤバいのの寄せ集めだし、アホ集めだし。そういうのわざわざなすりつけられてるんだろうと言うだけど木蓮寺幼稚園の園児の特にヒヨコ組は地元の人たちに大人気で生徒が悶絶級に可愛いとファンクラブまであるのです。
ベルモは気づくと捕まった宇宙人のようにクラスの生徒たちに取り囲まれて押されていくベルモは、だいたい登園して生徒に見つかると生徒達は尻尾を振って喜び角砂糖を発見した軍隊蟻の様に、ベルモにあっという間に群がってどんどんヒヨコ組のクラスに運ばれて押されていくのがいつものパターンでした。
エマが言う発表というのは、順番に毎日5、6人が朝の学級朝礼でなんでもいいので最近嬉しかった事を中心に、喜怒哀楽自分が思った事や感じた事を発表していました。朝のパブリケーションは、木蓮幼稚園全クラスの課題で、園児が将来のために、小さな頃から自然に自分の考えをまとめて発表できる訓練として感性を豊かにして発言力を身につけるレッスンでした。ベルモが、お寺の僧侶としてただ黙って相手の話しを聴く傾聴の修行とは真逆でしたが発表する人、相手の話しを聞いて感覚を豊かにしたり視野を広げる事にもなり、生徒にも保護者にも大好評でした。プルメリア島は常夏なので木蓮幼稚園には、子どもの野菜嫌い防止に園児の夏野菜の栽培活動もあり、枝豆やトマト、オクラやナスやきゅうりやとうもろこしの栽培もしています。園児が代わる代わる当番で水やりや草取りをしますが、幼稚園がお休みの時は、木蓮寺の僧侶が栽培の担当をしています。絵本なども先入観を植え付けないために、ピーマンが嫌いだの人参が嫌いだのそういう子どもは野菜が嫌いであるという内容の絵本は置かない事にしていました。それに、そんな事より特に女の子には野菜をいっぱい食べると美人になるとでも言っておけば良いのです。サンタクロースがいるとか、野菜をたくさん食べると美人になるとかそういうものは嘘であろうとなかろうと、子どもの成長には欠かせないロマンであり。現実に地に足をきっちりつけて歩みつつも、そういう愛のあるロマンと遊び心を胸に毎日元気にスクスク成長すれば良いのです。
木蓮寺幼稚園は、お寺が経営していて、園児に対して
お坊さんが嘘をつくのはいい事なのかと頭のガチガチな偏屈な人から時に言われても、それは嘘をつくというより、生き物が生きて行く上での愛に基づく必要な情緒や思いやりでありまして。現実生活を、生きていく上での必要な希望だとベルモは思うし。お寺の檀家さんが年老いても、親から子どもの頃に新しい靴は初めて履く時は午前中に卸さないと不幸になるから絶対守っているとか、夜口笛を吹くと蛇が来るから絶対に夜は口笛を吹かないなどそんな事嘘だなんだと突っ込まずに、靴はこれから午前中午前中新しい靴をおろすのは、
人生どんどん陽が昇る道を歩いていくようにというニュアンスだし、口笛は、夜は静かにしましょうね、というニュアンスとか。守っていればワクワクしたり礼儀あったりで
いい事はあるんだから、
ああそうなんですね、とか、それもそうですよねとか、根拠もなくバカバカしい迷信なのかもしれないけれど、そういうのはそれでいいんじゃないかと思う。
あら。。。小さなSPに守られたVIPのように、いつものように生徒に囲まれて押されていくベルモのポケットのスマホのバイブレーションがブルブルします。。。
直感的に、ヴィーナスからだ。。。と思いました。そう、ヴィーナスとは今は喧嘩中それこそ。。。今悩んでいる純ちゃんの事で。。。
ベルモは、ヴィーナスやミリオンとみつごのきょうだいですが三人3色で全く別の生活環境で育って3人とも全然違う性格なのですが喧嘩っ早いヴィーナスに今回は一方的にブチ切れられてとは言うものの。今回の喧嘩では、ベルモが純ちゃんは、ヤクザ反社会の吾朗太さんの娘なのではないかとヴィーナスに相談した事で、そんな女性に対して暴力を振るったり、女性に貢がせたり純ちゃんがヤクザの娘のわけないでしょうと本当に怒っていて確かに共通の友達を、しかも一般的な同世代女性より上品でおっとりし、おぼこい、ザ、善人の純ちゃんをヤクザの娘なんて言ったら。。。ヴィーナスが怒る気持ちもよくわかるので、ベルモは何も言わずに言われるままに激しく罵倒されて電話を切られてしまいました。
ああ。。。確かに。。でも。。。いま、ベルモ自身が純ちゃんの生死の分岐点を背負っていると思うとあまりに重すぎてさすがにヴィーナスには相談できずヴィーナスに相談したらあまりよくも考えずにイケイケで、俊さんに物事を頼みに突っ走るのが目に見えてるし
この事は誰にも言わない方がいいかもしれない一人で抱え込むのは辛いだけど、ここでヴィーナスに純ちゃんの事を打ち明けてしまったら、問題を仕切られて問答無用に考えるまでもなく首に縄を付けてでも猪突猛進に俊さんのところへ引きずって行かれるだけだし。。。親友グリちゃんに、すぐUFOを出せと指示するだろう。
何があっても
言ってはいけない。
仏様は、御本尊様は人生は選択の自由があり選択の連続でそれが人生である、
でも、その選択でゲーム同様そこでゲームオーバーになる事も、クリアになる事もあるのだ。でも、それこそが人生である。そして、時として今のベルモのように他人の大きな人生の分岐点を担う場合がある。
もしかしたら、生命の瀬戸際に助かるかもしれないという運命の鍵を握る人と友人や人間関係を築くのも運だし。とにかくなにもしないならダメで終わるものは、行動すれば変わるかもしれないチャンスがある。。。
生きていて最低なのは、良くなるチャンスがあるのにも関わらず、チャンスを掴まず何もしない事である。限られた時間の中で生きていて良くなろう、成長しようと行動しないのは意味がない。生き物は様々な体験をして成長して幸せになる為にみんなこの世に生まれてきているのだから。。
ベルモは、捕まえられた宇宙人か犯罪者のように、群がる園児達に教室に押されながらヴィーナスの着信の確認は後でいい、多分ヴィーナスからのLINEで、喧嘩した事をサラッと棚に上げてそろそろ耳掃除と、耳掃除の訪問の催促だろうし。ヴィーナスは耳掃除のキチガイだし。1ヶ月に一度目安にわざわざ遊びがてらにベルモや妹分のチワワ達の耳掃除にやってくるそりゃ。。。まぁ。。。ヴィーナスの耳掃除と言えば至福の生きながらの天国で。ベルモやチワワ達はカサカサの乾燥耳后なのでおまけに耳の新陳代謝がかなり活発なので耳掃除キチガイのヴィーナスの格好のターゲットにされているもともとベルモの妹分の二人のチワワ達は、耳掃除がだいっ嫌いで泣いて逃げ回って大変だったのだが、ヴィーナスの耳掃除にウットリしてあまりに気持ちよくて途中で眠ってしまうぐらいでこっちは大助かりなんだけど。
どうせ、そろそろ耳掃除の予定でも聞いてくるんだろうな。子どもは危ないから絶対に自分で触るなと、ヴィーナスに自分で耳掃除するのを禁止されているし。
自分だって子どものくせに危ないのは言い訳で、どうせ先に耳掃除して綺麗にしてしまうと耳かきセラピストの自分がつまらないからそうやって命令するんでしょうよ。まぁ。。。後でテキトーに返信でもするか。あたしがこんなに悩んでるのも知らないで。まぁ、ヴィーナスに知られたらひっかきまわされるしというわけで、ベルモはおそらくヴィーナスからのLINEを後回しにのんびりと無視しました。
そして、またまた時間はさかのぼり。東京銀座の、洋菓子老舗店のスターパテシィエであり、若旦那の四朗の夢の中は。。。それまでは、幼い頃の走馬灯と思い出をたどる明晰夢でしたが。。。そこからは、本当に夢のようで、四朗が産まれる前に亡くなった姉の真央と対座しています。亡くなった人、というのはわかっていましたがかと言って怖いわけではなく。周りはマゼンダカラーに包まれています。ああ、そうか。うちには実家には、昔姉さんの小さなマゼンダカラーの仏壇があったけどあれは姉さんが大好きな色だったらしい。
そう、父親から聞いた事がある。
赤のようなピンクのような。。見かけは幼い三歳児の姉。
かしこまる
小学生の夢の中の四朗。。。しかしながら、真央は話す内容が分別極めてかなり大人びていて。。。「残念だわ。。。吾朗太の事は、私も必死で何度か助けてきたのだけれど」
真央は悲しそうにため息をつきました。
2022年09月01日
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