「珍しいねー、アンタら先生が一人足りないじゃん、あ、でもさ、福ちゃんは久しぶりか。ちょっと見ないからケンカしたんかと思ったけど、あー、福ちゃんも先生も働いてるし予定があるわな。最近俺、結構頑張ってモーニングに来るようにしてんのにさ。」
アザラシの福ちゃんが、同居のシュナ坊とグリと
神楽町市小学校の近隣のカフェ南風でモーニングにいくと、近くの席の常連客のおしゃべりブロッコリーに話しかけられました。おしゃべりブロッコリーというのは、グリーンが大好きなビジョンフリーぜの三十代ぐらいのオッちゃんです。おしゃべりブロッコリーは、デザイン中心のクリエイターをやっていて地元生まれで口先から生まれたようなおしゃべりでモコモコで緑色なので小さな頃からおしゃべりブロッコリーと呼ばれていたらしく神楽町市に残っている同級生とよくこの南風でお茶したり常連客を捕まえてはおしゃべりしていました。夜型夜行性で朝が苦手らしく、いままでモーニングの時間はあまりおしゃべりブロッコリーを見る事がありませんが本人は、朝からここの珈琲の香りが起き抜けに気持ちいいし、仲のいい同級生の漁師のカワウソの杉さんが帰港ついでにいったん休憩でわざわざ南風にモーニングに来る事も結構あるので会うのが楽しみらしく。今日は時間が合わないのか杉さんの姿は見えません。だけど、相変わらずおしゃべりブロッコリーは、四方八方のお客さんや、スタッフやマスタに話しかけ、顔見知りな福ちゃん達のグループを見つけて声をかけてきましたが、クリエイターとしてキョウミシンシンの先生と冗談まじりに呼ぶヴィーナスの姿が福ちゃんのグループにいないことがどうも気になったようです。
福ちゃん達は、おしゃべりブロッコリーに挨拶すると、「昨日、仕事の接待で遅くなったみたいでギリギリまで寝ていたいみたいで。」福ちゃんも子どもだけど一応社会人なのでヴィーナスがいちいちまじめに二日酔いでダウンしてますとは答えず適当にその場はしのぎました。悪い人じゃないけどおしゃべりブロッコリーはスピーカーだし。情報屋というか、さすがに守秘義務は守り喋らないしいい人だけれど、それでも軽い噂話は大好きでヴィーナスが二日酔いなんて言ったらあっと言う間に火がついて話が広がるでしょう
福ちゃんは、南風のマスターのハリネズミのグーの異父弟の名古屋のハリー君と福ちゃんはハリー君のプルメリア島への家出事件で知り合ってハリー君の相談に乗って助けてから友達になりパソコンやLINEで時々やり取りをしているけれど。ハリー君の家出に関して一番ハリー君を助けたのは。。。
マスターのお父さんの俊さんであり。俊さんがあまりにマスターにそっくりな
ので。俊さんは過去の記憶を無くしているようだったんだけどハリー君は、最初異父兄のグーさんだと勘違いして俊さんに声をかけて。。
さすがに年齢層が違うので
あれっ、と思ったけど、薄々と俊さんがいなくなったグーの父親ではないかと感じたようでした。
だけど。。グーとハリーの母親は、ハリーの父親の未森ではなく、グーの父親の俊さんに未だに未練があるのではないかと悩み家出して俊さんに出会った事は、グーには内緒にしてと福ちゃんはハリー君から頼まれていました。俊さんは、ハリー君によくしてくれたものの。。。表面上は、名古屋から家出して来たハリー君を保護したのは福ちゃんという事になったのです。
いろいろ助けて貰って
俊さんには心底感謝してるけど、行方不明になった俊さんがハリー君の家庭に絡めば家庭は崩壊してしまうかもしれない。本来なら、保護してくれた警察に俊さんの事をきちんと話して両親ともども御礼を言わなければいけないけど。あの時は、福ちゃんは札幌から遊びに来ていた姉の双子のミルクとくるみとプルメリア島の青の洞窟に遊びに来ていて俊さんとハリー君と一緒にいたのを、福ちゃんは一瞬マスターのグーかと勘違いして俊さんに話しかけたのがきっかけで皆んなでお茶をしていたら、
俊さんが仕事の急用ができたとかで、突然みんなのお茶代だけ支払って帰ってしまい後からハリー君から、ハリー君がグーの異父弟であり、
多分あれはグーの行方不明になったお父さんだと思うと聞かされる。だけど、どうも前の旦那さんに未練があるハリー君の母親の事や、突然グーに行方不明になったお父さんの事を知られるとあまりにもショックが大きいだろうし、グーには俊さんの事は内緒にしてほしいと言われて福ちゃんはいろいろ察してマスターのグーには俊さんの事は黙っておくとハリー君と紳士協定を結んだものの。。
福ちゃんは
警察とマスターに連絡をし、無事にハリー君を南風のマスターの元へ送り届けたんだけどハリー君が.迎えに来た警察と一緒に名古屋へUFOで送り届けられて行った時に。。。
ハリー君は、まるでガラスの靴を落としたシンデレラのように俊さんから貰った名刺を南風に落としてしまい。。。その名刺が運悪く。。なのか、マスターが拾って見つかってしまい、マスターのグーにハリー君を保護した福ちゃんにどうして知らない人の名刺をハリーが持っているのか、何か知らないのか、ハリーはこの人に誘拐されたのかどうしてハリーはこの名刺の件を自分に話していないのか。。。
なんて。。。福ちゃんはマスターに問い詰められて
どのみち。。
名刺の名前や会社なんか今時パソコンですぐ調べられてしまうし。調べられたらもう俊さんがわかってしまうし。。俊さんに誘拐だの疑いをかけられてはよくないので、実は。。。と、ハリー君の胸のうちを。。しぶしぶあの時は言いにくそうに話したのでした。
あの時は、マスターのグーさんは、黙ってしまってとにかく、ハリーを助けてくれてありがとうとお礼を言われたけど。あれから少し、悪い事をしたわけじゃないのにマスターになんとなく会いづらくヴィーナスやグリやシュナ坊はよく南風に行っていたみたいだけど、福ちゃんはみんなに誘われてもなんだかんだと理由をつけて南風へ行くのには避けていました。
だから、南風常連さんのおしゃべりブロッコリーには、福ちゃんは久しぶりか、みたいな事を言われてしまったのだ。
だけど。。。やっぱり気になって、南風に来てみた。名古屋のハリー君は、知り合ってから彼の将来の相談に乗りつつLINEやパソコンでやり取りする事があるけど
マスターの
グーさんに俊さんの事を知られてしまったなんて福ちゃんはハリー君には未だに言えないだけどハリー君からのLINEは特にグーさんのことは何も言ってこないので、グーさんはハリー君の気持ちを尊重して黙っているのだろう。
福ちゃんは、家出していたハリー君を助けたとしてプルメリア警察署から感謝状を貰ったり、ハリー君の両親祖父母から非常に心底感謝されて新聞やネットのニュースにも載り、自分の会社マーメイドティアーズのいい広告や評判にもなったんだけど
でも。。なんだか後ろめたい確かに福ちゃんは、家出した心身迷える悲しみにくれたハリー君の相談に乗り、励ましてハリー君を説得して異父兄のマスターの元に送り届けたんだけど。
もともと。。。俊さんがハリー君を助けてよくしたのはどちらかと言うと俊さんじゃん。かと言って、警察やマスコミに俊さんの話は出す事ができないし。誤解されて俊さんが誘拐犯ではないかと勘違いされたり。。なによりハリー君のお母さんと俊さんを会わせるわけにはいかないんだ。
俊さんも、自分もハリー君を助けたんだけどとマスコミに福ちゃんがハリー君を助けたと表彰されたの報道に関しては警察にもマーメイドティアーズにも言ってこない。いろいろハリー君によくしたけど、俊さんって自分では人助けをしたなんて考えてもないのか、誘拐犯とか勘違いされても嫌なのか。。。まぁ、多分なんとなくだけども俊さんって人は、困った人を助けるのが当たり前であって
特に感謝されなくても人を助けるなんて普通の事なんだろうな。慈悲深い優しさというか、なんとなくあの俊さんには、いいようもない菩薩のオーラがある。。。
前の結婚や、マスターやマスターのお兄さんという子ども達のこと、
過去の記憶を無くしているようだけど
あまり、こんな場では深くマスターを追求できないが、チラッとマスターは、あの事ならもう、忘れたからと。確かに。。。
俊さんには新しい生活もあるし、そもそもマスターは確かお母さんの再婚を機に就労児童として兄のグーさんとも独立したみたいだし。新しい家庭に迷惑をかけるのは嫌だからと、ピースとグーは就労児童となり、既に子どもの頃に母親の舞から独立したらしい。親は親自分は自分だとキッパリ割り切ってる。。。まぁ、確かに親の再婚なんて言われたら。。福ちゃんも子どもだけどもう働いてるし多分、マスターみたいに完全に独立して両親どちらにもついていかないだろうけど。
それでも。。。マスターは、淡々としてるけど。。実の父親って気にならないんだろうか。福ちゃんは余計なことは口を挟めないけど。だけど。。。
そのころ、海辺の白い家の福ちゃんの同居人のヴィーナスは、二日酔いで頭を抱えていたものの、ヴィーナスの経営している裏の駐車場の事でお客さんの隣の居酒屋くじらのオヤジがお客さん用に契約している駐車場に勝手に車を停める奴がいると家に相談しにきたので大家としてはほっておくわけにはいかずいろいろと話をしているうちに、反対隣のきしめんやのきし蔵のお客さんだとわかり。きし蔵が閉まってからくじらのお客もきし蔵の契約している駐車場に停める人がいるので、そこはもうお互いさまで、お互いに店が開いてる時はその店に停めて後はお互い様なんだから助け合いにしとけと、適当にアドバイスしました。ヴィーナスは、もともと好きなアドバイスや他人の話に口を挟むお節介ができたので頭がだんだんとスッキリしてきました。揉め事、他人の話に口を挟む、お節介をやく。。それはなんと言ってもヴィーナスは大好物で。くじらのオッチャンが帰っていき二日酔いも、ヴィーナスはもともと飲み屋育ちで周りは飲んべえだし、きょうだいのミリオンは小さいのに酒を飲んでも平然としてるらしくて。きっと、そこそこは強い体質なんだろう。。。急性アルコール中毒にはならなかったようだし、さ、
ヴィーナスは、時計を見ると今ならまだみんな南風でモーニングしてるかもしれないし、みんなが学校へ行ってしまったとしても、朝からコーヒーだけでも。。。と、気を取り直して小学校へ出かけようと腰を上げた時。。。
おいっ
はなんか、若い男の声がするあれ、くじらのオカシラはさっき帰ったしダミ声だし若くない。。。それに、大家に向かって酔っ払ってもないのにくじらはヴィーナスにおいっ、なんて失礼な呼び方もしないし。。
福ちゃんやシュナ坊やグリが戻ってきたわけでもない、子どもの声じゃない、男の子の声じゃなくて、若い男の声。。だ
TVでもない、寝室にTVなんかないし。。。。リビングのTVを誰かつけっぱなしにしたのか。。。気のせいか。。空耳。。。ヴィーナスは、まだまだ二日酔いでちょっとおかしいのだろうと思い、さぁ、寝覚めに南風でコーヒーを、と。。
出かけようとして、また。
おいっ、おまえ、おまえあのデブのきょうだいだろう
はっカタン。。。さらにまた同じ声が聞こえた。。。窓辺でカタンと音もするだ、誰か。。誰かこの部屋にいる
ど、泥棒
ま、まてよ。。。この部屋に、というかこの家はセキュリティ万全だし、不法侵入があればすぐ警報器が鳴るし警備会社に連絡がいくはず。。
だから、勝手に家に住んでいる人以外は透明人間か、お化けでもなければこの家は勝手に侵入できるはずがないのである。あ、あのデブのきょうだいだろ。。だとあっ。。。デブの、って。デブのきょうだいは、ベルモのきょうだいって意味。。た、確かにアタシはベルモと三つ子のきょうだいだけど。。。えっ。。だ、だっ、だれ
「だ、誰かいるの」床の間に飾ってある日本刀を取りにいこうにも。。。それを振り回して不審者がいるならちょっと闘ってみたいが、そうしようにも小さなヴィーナスには、あんなデカい日本刀振りまわせない。。。
だ、誰。。。
そのとき。。。ヴィーナスの目の前に、ボーっとモヤのような煙。。というか、カラフルな契約が立ち上がったかと思うと。。。しだいにそれは。。。。
あっ。。。
それは。。。それはあの。。。ヴィーナスがパーフェクトサーズディの番組で発見した白骨死体の生前のモンタージュという。。パッキンキンでドクロの入れ墨がある吾朗太とかいう。。。
今はベルモんちの木蓮寺の境内に住み着いているとベルモが言ってた。。。チンピラハリネズミの幽霊ではないか。。。
幽霊なんて。。いるわけないヴィーナスはベルモに言って馬鹿にしてたんだけど。。。でも。。。煙のように目の前に現れて、透明人間かのようにこの家に簡単に侵入し。。。。。
そ、それって。。ま、まさに幽霊じゃんアワアワ霊感なんかないはずのヴィーナスがアワアワしていると。。。
パッキンキンのハリネズミの幽霊が言いました。
2022年07月18日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11504696
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック