「わ
オトン、チビって言うな
リモート会議でみんなにバレたろうに」
リモート
南極のリムジンが書斎でSkypeを繋げて喋っていると父親の無尽蔵がモゾモゾと起きだしたらしく内線のインターフォン越しに寝酒を隠すなと怒ってきた。軽く晩酌して、寝る前にコップ一杯飲んで寝る事が多い無尽蔵は酒を飲まずに寝てしまって目が覚めてしまったらしい。
夜中に起きるな。。日本で夜の９時だと、南極は夜中の０時。酒を飲まずに寝て眠りが浅くリビングを家探ししていたんだろう。
アヤコは子ども達や産まれたばかりの赤ちゃんと寝ているからさすがに夜は
アヤコに物を尋ねて子ども部屋のインターフォンを鳴らさないが
リムジンが早く帰宅した日は、夜リムジンが書斎でリモート会議や、仕事の持ち帰りをしているのを無尽蔵は知っているので書斎のインターフォンを押したんだろう「チビ、チビ、寝るから早く出せ」
別に無尽蔵はアル中ではなく寝起きがかなり悪いのだリムジンは、夜会社のリモート会議の時は書斎のインターフォンは切ってある
だけど、会社の会議ではないしアヤコ以外には知られても良い事だったので、つい書斎のインターフォンをつけっぱなしにしてしまった万が一会社の人達に、親からチビと呼ばれるのを知られたら恥ずかしいし。「だからもう晩酌で飲んだし
戸棚のウイスキーで我慢しろ
一回寝たら起きてくるな。」
とリムジンが言うので「なんだって
チビ、
一回寝たら起きてくるなってワシに早く死ねば、永眠しろって言うのか」と、スピーカーから親子のバトル無尽蔵の声が聞こえてきたので
ぷぷっ、ぷぷっ
キャハハゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ
笑ってはいけないかもしれないけどぷぷっ、プハハハハハ笑〜も福ちゃんも、くるみもミルクもひっくり返って笑い転げています。
「え。。。
永眠って
あ、アホか大人しく寝ろって言う意味明日アヤコに頼んで日本酒ぐらいコンビニかスーパーで買ってきて貰えばいいだろう」「アヤ坊は嫁いびりで紙パックの酒を買ってくるしいいから国マロをよこせ」「よ。。。嫁いびり
って意味が全然違うし。アヤコが紙パックの日本酒を買ってきたのは同居して一番最初のたった一階だけだろう
アヤコは宅飲みしないし日本にいる時は俺が会社帰りに自分の宅飲みの酒を買ってくるか贈答品とかだったし外で気が向いたらカクテル飲むぐらいのアヤコは日本酒がようわからんかっただけだろちゃんと俺が瓶の酒を買いなおしたし紙パックの酒は料理酒に代用しただろう嫁いびりってなんだよ
それ言うならお舅いびり、、、ってかアヤコは全然イビってなんかねーじゃん。」そう、無尽蔵は紙パックの日本酒が嫌いなのだむかし、日本酒はあまりないけど
ない事はなくて日本贔屓なので日本酒を若い頃料理屋でのんで
気に入ったので
近所の酒屋で紙パックの日本酒を買って飲んだら合わなくて気持ち悪くなったのだ。瓶のは大丈夫なんだけどなぁ。紙パックのはあまり見たくないとある酒で失敗すると見るのも嫌になるものだ
「早くよこせー」決してアル中でもないが、一度飲みたい
と思ったらあることはわかっているので言い出すとしつこいのだ。
晩酌で親切心で少し出して
それがアダとなるとはね。リムジンとアヤコの長女は四十代半ばで小樽に嫁いでいるのだけどさすが長女北海道で裕福な家に嫁いだのもあるけどイベントの贈り物など気遣いは欠かさない。９月。末っ子が産まれたお祝いと、敬老の日もでかいダンボールにまとめて贈り物をしてリムジンには国稀を送ってきた。敬老の日の贈り物は甘いもの大好きな祖父母にスイーツをたくさん送ったのだけど。無尽蔵は酒飲みの甘党でだいたいの日は晩酌と寝酒がルーティンでした。百薬の長のおかげで長生きしているらしい。晩酌にリムジンが少し桃子からの国稀をおすそ分けして少しずつ飲むかと思っていたのですが。。。「飲みたい、飲みたい今は日本酒の気分。ウイスキーじゃなくて日本酒の気分」リムジンが無視していると
インターフォンで無尽蔵が騒ぎだした「うわ末っ子でＢ型ってもうヤバいじゃん」自分も末っ子でＢ型のリムジンがＢ型末っ子の父親にブーメランを投げるようにアヤコと喧嘩すると、アヤコが言う文句を思わずつぶやきます。とは言え、リムジンはエリート商社マンの営業として若い頃から社会に出て薄皮一枚残してそつなく人間関係を上手にやってきているので鍛錬身に付いたというかおかげ様で甘やかされた性格が砥石で研がれるように研磨され人間関係というかアザラシだけど、生物関係は円満に築ける方です「もう
一杯ぐらいあげたら。」くるみが言いますリムジンは、「あのね
コッチにも日本酒あるけど国稀は置いてないんだよ。オジイの名前みたいに汲めども尽きぬ無尽蔵とは言えないんだよ。それに、お姉ちゃんがわざわざ俺に送ってくれたんだよ。ネットでも買えるんだけどさ年寄りは子どもと一緒でむやみな甘やかし餌付けは良くないし。晩酌でオヤジに睡眠薬でも一服盛ってやればよかった」物騒なリムジンに、福ちゃんは、「桃子お姉ちゃんの事だから。。。逆にみんなで飲めばいいって事だと思うよ。それで大人しく寝るなら早くあげてラクになりなよ。大事な妹の話し合いもあるんだよ。」リムジンは、「ちょっとだけ失礼します
」シブシブ促されるようにして書斎に隠してあった一升瓶を持ちだしました。リムジンが中座したので笑〜は、「チビも笑えるけど
あや坊ってなに」ミルクが、「小さい頃に近所住まいだったからおじいちゃんが子どもの頃からオカンをそう言うみたいなんだよね。
おじいちゃん達日本に4回ぐらいきて私とくるみは2回、福は一回会った事があるんだけどその時もチビだのあや坊だのオカンやオトンを呼んでいて子どもたちに笑われてたのよ。
」
しばらくしてリムジンが戻ってきました。
「やれやれ。。。
隠しときゃ良かったけど俺昼間は会社だし
でっかいダンボールにまとめて贈り物だったからバレたんだよね。またオーダーしとこかな。ところでアヤコの姉さんからもさアヤちゃんを止めてって末娘の名付けで苦情の電話がくるんだよ。姉さん達はアヤコに物申すのが苦手みたいだし。だけど末娘の命名権はアヤコにしかないんで。ウチの爺婆すら大反対してるんだけどでも爺婆もアヤコ本人にはそんな事言えないしさ。言ってもきかないし、言えば嫁いびりだの嫌がらせみたいに言うし。もうどうしようもないって末っ子が早く喋るようになって本人に直接説教するしかないよ。いまどきの子なんて、マツコだのスエコだの名付けられたら怒るに決まってるだろうに。だいたいさ、子どもの名前は親からの最初のプレゼントみたいなくっサイ事言う奴も悪いわ親の発想がヤバけりゃどうするんだよ。」リムジンだって、父親無尽蔵があわよくば利無尽なんてまるでエネ男みたいな漢字に名付けそうなのをいつもおっとりしている母親の冨貴が怒って漢字では利武仁になってるけどもしも利無尽なら無尽蔵を恨んだところだなんだけど、小さい頃はヤンチャで母親の冨貴も、やっぱり利無尽にすればよかったかしらと言われたりしたけど。」若いうちに海外へ女性を連れて自分の家庭を築いたリムジンは、大手商社マンの営業としてもともと社交的で愛嬌があるのもあり、甘やかされて育っても親元離れて独立していて経験積んで人とうまく付き合っていけるんだけど。ミルクも、「あたしもスエコなんて言われたら怒るわよ。
お母ちゃんてばどういう神経してるのよ。くるみとミルクでしりとりから思いついたお父ちゃんも変だけどさ」くるみが「お母ちゃんがあんまり深く物を考えないとりあえず行動って性格のおかげで私たちは産まれたんだけどね。だいたいの人は、いまどきそんな子沢山なんかあんまりないでしょう、私たちや福なんか普通の人の感覚じゃ産まれてないもんね。だから、なんできょうだいが多いんだって文句は絶対言わないし。そんな事言おうもんなら親と妹や弟からボコボコのフルボッコだしお前は産まれてこなきゃよかったのかね
って。」
笑〜が、「リムジンさんとアヤコさんにはわれわれ福の神は感謝しきりです。
だって、親と子どもは別のものという意味を体感してるからね。いろいろな才能が別々の子どもがたくさんいるわけで小さなうちから才能別に社会に出ているし。世の中には無理矢理親にレールを敷かれて無理矢理生かされて精神を病んだり生命を断つ子どもすらいるのに。私たち福の神はそういう不幸な子どもを一人でも減らして才能を発揮して本人よし他人様よし、社会よし、神様よしで四方よしで幸福に生きるように持ってくのも私たちの使命だからね。誰だって魂がきめてきた資質というものがあるのよね。本人にふさわしく魂が嬉しくてぴょんぴょん飛び跳ねまわるような生き方をしないとね。それにしてもだけど。スエコって。。末っ子だからって。。」笑〜がいうので、福ちゃんは、「おかんは。。
末っ子は縁起がいいって言うんだよ。自分が末っ子なのもあるけど子育ての絵本でも、海外も日本もたくさんきょうだいや姉妹がいて、上の方は悪いやつやバカだけど、海外も日本も末っ子はいい子で幸せになるって話がいっぱいだし。3匹の子豚も7匹のこやぎもシンデレラもみんな末っ子だから成功してるし、あと日本の昔話でも末っ子の娘が良い子で最後幸せになるのは、海外も日本も子どもに末っ子がいい子で成功すると昔から言いたいんだろうみたいな変なこと言うしね。実際には末っ子の方が甘やかされてわがままな人の方が多いんだろうけどさー」
リムジンが、「悪かったねーどうせオイラは末っ子だよ。とは言え。。なんか上の方の兄や姉って可哀想だなと思うわ。家族に尽くしたり面倒みたりで、だけどその割にだいたい昔ばなしで悪いやつかバカだろう。ウチの子どもも長子の桃子は本当に感謝してるし、あいつがしっかりしてくれたから子どもたくさんつくろうって気になったしさ。あいつがアホでわがままなやつならもう子どもなんかゴリゴリだろうな俺もアヤコもしょせんは子どもっぽいし。」笑〜が、「またそれも巡り合わせというか、リムジンさんとアヤコさんはたくさん子どもをつくるのが使命だからね。きちんと使命に沿って生きているとうまくいくし追い風が吹くのよ。それはそうと。。。ティアラちゃんでいいかしら。赤ちゃんが、スエコやマツコじゃなくて、ティアラちゃんでというわけだから、リムジンさん。末っ子のお嬢さんをウチの会社のCMのモデルにお願いしますわ。。。」リムジンはびっくりして
「し、CM。。モデル
か、会社って笑〜ちゃんは会社はいくつでも幅広く持ってるけど。。。オムツかなんかの会社はなかったんじゃないか。。」福ちゃんは、
「違うよオムツじゃないよ。そうじゃなくて僕の会社だよ、ラグジュアリージュエリー」
