「あっ。。。」姫子は、シノブがシーっと、言いながらも黙って差し出しているあの貯金箱に気づく
4年ぐらい前のあの日。。。アザラシの福ちゃんの大家族一家でひともんちゃくの修羅場があり。
子ども達が集まるリビングの隣の
大広間からは、母親アヤコの怒涛の怒りがシノブが金額の出る貯金箱を抱えている、という事で。また。。。派手目な喧嘩。。クルミも姫子もシノブの持っている見学料用の貯金箱に小銭を入れてするとしゅうひが、「さっき、離婚。。って。。」今までのというか、いつもの喧嘩じゃないぞと、気づいて、500円を入れるこの寄付金は、派手な喧嘩や、兄妹喧嘩もだけど、リムジン、アヤコの父母の夫婦喧嘩の見学料みたいにして。そのお金で、両親の誕生日や結婚記念日、父の日母の日などなど、そういうお金になるんで、両親に感謝と仲良くしてほしいとの子ども達からの真心もこもっています。「まいど、さすが、しゅうひ。500円か、金持ちだなぁさ、アリーナ、アリーナ。」シノブは、いつつごの筆頭の兄のしゅうひの身体を押して、隣の大広間の両親の喧嘩をこっそりと扉の隙間から覗くように促した。「アリーナって。。シノブのあだ名だろうに。」しゅうひは呆れる小さな頃からシノブは落ち着きがないため授業中に友達に話しかけたりちょっかいかけたり寝たりと、先生に再々注意されてもなかなか治らないので、小学生から先生の真前のアリーナ席に座らされ同級生からアリーナ、アリーナとからかわれて中学生の未だにシノブをアリーナと呼ぶ同級生もいる。「なんか。。いつもの夫婦喧嘩とは次元が違うようだし、で、ミルちゃんと福としのぶーは、喧嘩の聞き耳立ててたんだろう。だいたいどんなんなんだよ。」しゅうひは両親の喧嘩は覗こうとしないで、リビングにずっといた三人に尋ねました。リビングにいたミルク、福ちゃん、シノブは思わず顔を見合わせて。
「喧嘩。。。ってより。お父ちゃんが一方的にやばいこと言ってるのよ。あんなん、怒って当たり前よ。でも、お父ちゃん悪い事を言ってる自覚が全くないって感じ。」ミルクが言います。通訳のように福ちゃんも、「南極で父ちゃんの親と同居せよみたいなことを言ってるんだよ。怒るでしょ。いまさらだよ。寝耳に水だし。。いまどきそんな事言ったら離婚でしょうに。」
後からリビングに来た組のしゅうひもクルミも姫子も、「エ」呆れて言葉が出ない様子で。。。
大広間からはアヤコのわめき声が聞こえてきた。「なによ、アタシは子ども好きのアンタの言う通りにたくさん子ども産んでやったじゃないのなにが、俺はお前の言う事をきいてきただろう、だって」「か、母ちゃん子どもに聞こえるぞ言う通りに産んでやった、なんてお前はわざわざ子どもが欲しくないみたいじゃないかうちは自慢の子どもはたくさんいるし、俺だって稼ぎは悪くないしきちんと家に金は入れてるだろう。。。お前だって、ウンコをするぐらいに出産はラクだと言うから。。。」
ブッウンコをするように出産がラクだと。。父親リムジンの言葉にリビングの子ども達は、笑えるような笑えないような。。ぷぷっぷぷぷ。。。
アヤコはさらに激昂する
「私はね、確かに出産はラクだし、他の人が陣痛や出産で苦しむのは理解できないけどウンコはないでしょうにウンコは私はね、アンタと一緒になった時に福の神さんの後押しもあって子どもをたくさん産む事にしたけどさ。子だくさん、それはアンタものぞみだろう。もうそれでじゅうぶんじゃないか、アンタの大きな夢を叶えてやったんだ、それなのに、親と同居だとどうしてわざわざうちが貧乏くじを引くマネをしないといけないんだアンタの兄さん姉さん南極に居る人もいるし、金を出しあって施設や介護当番でもあるだろうに。こっちだって生活があるのよ」
リビングからは言い合いというか、アヤコが怒鳴ってリムジンが言い訳しつつも言いくるめが聞こえてくる。。。
「そろそろご飯だから、子ども部屋のチビ達を呼んでこようと思ったんだけど。。。ちょっとまだ、こんなの聞かせたくないな。」姫子が言う。日当たりのいい南側に子ども部屋がありました。
「バカよね。親と同居無しはいまどき女性の結婚の必須条件なんじゃない?」クルミが言う。「結婚の必須条件てより、ウチの親に全く親同居なんて発想なかったんじゃない。もう日本来てるし、末っ子同士の結婚だろ。。。親や兄さん姉さんに馬鹿可愛がりされて姫だの王子だのチヤホヤされて、あまり人の面倒見るタイプじゃないしさ、2人とも。オカンは助産師しても、あれはビジネスで金を貰ったプロとして人の世話するやつだしなぁ。」シノブが言う。
「確かにお母ちゃん、駆け落ち出来ちゃったじゃなくて普通に結婚してたら親同居や介護なしはあらかじめ結婚の必須条件に最初から宣言するとは思う。なんかさ、お母ちゃんのお姉さん達も気が強い人ばかりみたいだし、見合いは次男以下とか、恋愛でも最初から相手の両親と同居はダメとか、お爺ちゃんお婆ちゃんがそうやって教え込んだみたいだしね。そういう教育で育ったみたいだし。お母ちゃんも、自分が納得してればいいけどあちらから配偶者の同居を強制する親はヤバいから距離をきっちり取れって子どもに言ってるでしょう。」ミルクも言う。大広間の怒号。。
さらに、怒涛の夫婦喧嘩は続いて。。。
「あのさ、オヤジやオフクロが遊びに来た時お前はニコニコしてうまくやってたじゃないか。」リムジンが言うが、アヤコは、「バカ。そんなの旅行がてらにうちに来たからいつも一緒にいるわけじゃないからだろうに。」
いままで、数回リムジンの両親を日本に招待した事があって、子ども達も上の方の子どもは、リムジン方の祖父母に数回会った事があるけど来日時に福ちゃんは一度だけ会った事があって、かなりの新日家らしいし、優しそうなんだけど。。。でも、いつも一緒にいないから一緒に住んでないからうまくいくのはなんとなくわかる。短い期限だし身内というよりたまにしか会わないお客様だからだ。福ちゃん達も、年賀状や弟や妹も学校で描いた絵や、兄や姉は写真、それから日本の贈り物を年間お年始お歳暮みたいにリムジンの方の祖父母に送る事はあるけれど、幾らいい人達とは言え、女性はよほど毒親でもない限り旦那の親より自分の親の方が可愛いに決まってる。アヤコはリムジンが親孝行しようとするのが悔しいのだ遠く離れて満足に親孝行しないうちに、アヤコの両親は亡くなっている。とは言え、アヤコは末っ子だし、かなり両親が歳を取ってからの子どもなので、ちゃんと寿命で亡くなっているんだけど。リムジンは双子以上にまとまって産まれた兄妹がほとんどなので、アヤコより2歳歳上のリムジンの両親の方が若いのだ。
アヤコは続けざまに、「別にアンタの両親が同居したいって言ってるわけじゃないんでしょうにそれなら親の気持ちを尊重すればいいでしょうで、なんでわざわざ同居しようって言うのよ」「それはさ。。なかなか親の方からは遠慮して同居したいって言えないだけだよ。2人とも頭はハッキリしてるけど、やっぱり。。もう90歳半ばだと。2人きりにするのは心配で。兄さん達にも生活があるし、姉さん達は嫁に行ったよその家の人たちだし。。。」
そのリムジンの言葉にアヤコはますます火がついて「もう、アンタの名前はこれからリムジンじゃなくて理不尽だ」
そのアヤコの怒鳴り声にリビングの子ども達は笑いそうになるがここは笑い事ではない、修羅場だ
「ま。。。マジ。。うちにだって生活はあるだろうが。考える事はみんな一緒なんだ、さっき福がリムジンは理不尽だ、って」シノブが笑いをこらえると、くるみが、「ああ、それなら確か長男のハヤマ兄さんが遊びに来た時に、昔兄さんが小学生の時に次男のジダン兄さんと喧嘩して、
オトンが兄さんだから弟を可愛がれみたいな事を言われて叱られて、ハヤマが叱られたのをチビだった三男四男の双子の慶太と菜々森のにいちゃんたちがアニキぶるからだーと大笑いして
父ちゃんは末っ子だから弟達が可愛くて兄の気持ちなんか全くわからないんだ弟なんか嫌いだと怒ってハヤマにいちゃんの学校の提出物に家族の名前を書くものがあって、オトンを理不尽、次男のジダンを話し合いの示談、
慶太を髪の毛の毛が痛いで毛痛、菜々森を雨漏り
とわざと書いて提出してなんですか、どうしたんですか、これはって学校の担任の先生から連絡が来たらしいわよ。まぁ、オカンにオトンもにいちゃん達もみんなまとめて叱られたらしいけどさ、」「やっぱりオトンは理不尽か。。俺は父ちゃん子やめようかなぁ。」しゅうひが言います。
さらにアヤコはエスカレートするところをリムジンが火消しのように
「あ、あのだからさ、うちは、そのお前のおかげで優秀な子がたくさんいて余裕があるだろ、ドクターだって。。4人、まぁ、1人はまだ医大生だけど。で、稼ぎのいい奴もいいとこに嫁にいった奴もいて俺も稼ぎは悪くないから子どもいっぱいいるし、あっ、ああもちろんお前さんのおかげさま様で子どももたくさん、いい子もたくさんなわけで。だからそのいろいろと感謝しなきゃいけないわけだけど、俺らはいろいろな人々に子ども達からもよくして貰ってきて。お前の言うように末っ子は可愛がれるのが仕事、役割だと。。でも、それだけではなんかいけない気がする。。。うちはまだまだチビ達もいるけど、オヤジもオフクロも頭はハッキリしてるし、面倒を見てくれると思うんだ。。。」「だからって言ってね、あたしたちがラクしてきたみたいじゃないのさアタシはね、アンタと一緒になった時に、福の神さんに、貴方は社会に貢献する素晴らしい子どもをたくさん産むね、お産はラクだし、健常者ばかりだし、少子化社会に貴重だよ、誰しも自分の生まれてきた資質をイキイキ活かして天職で輝いて人には感謝され自分は楽しく嬉しいって人生は最高だよ。だからお金も拍手されるように溢れるんだ、福の神就労児童制度を産まれた子が望むならぜひ活用しなさい。親からは強制はできないけどね、子どもが望めば虐待ではないし、子どもをラットレースの人生に陥れない為にも、この社会をより豊かにする為にも、前向きに出産なさいと説得されてそれもそうだと思ったんだよ、私だってじゅうぶん社会に貢献してるじゃないのさ」
確かに。。。福ちゃんのウチにはドクター、双子の脳外科医と心臓外科医の兄さん達と、小児外科医の姉さんと医大生の兄さんがいる。他にも事業でうまくいったり海外で暮らして会社を幾つも持っている兄さんもいるし、銀座のママの姉さんはなにかと仕送りしてくるし。子どもがたとえ夜の商売だって、それが本人の性質に沿って生まれてきてやってたのしんでいるのだから親もなんにも口出ししないどころか、たくさんの子どもがいて口をわざわざ挟む余裕もない。ただ、ヤクザと付き合うな、暴力団になるな、保証人になるな、金の貸し借りはするなと言われるのみで。福ちゃんも、金の貸し借りはうっかり買い物に行った時に財布を忘れて姉さんに1,000円返してすぐ返したものの、リムジンには、無理矢理金を貸していただきながら千円借りて千円しか返さないとはどういう事だお願いしたんだから一円でも多く返すか小さなものでも奢ってやれと叱られた。金を借りるとはそういう事だと。父親のリムジンはなかなかお金にきっちりしてる。ギャンブルも、まぁ、やらない事はない程度、小遣いの範囲内とか、会社でのマージャンや競馬の付き合いでぐらいみたいだし。ギャンブルは宝くじのみのアヤコに宝くじは当選の効率が悪いとからかって喧嘩になるぐらいだし。
コソッとリビングのミルクが、「独立してるにいちゃんねえちゃんに、ネットワークで近況臨時緊急事態宣言報告しようか。。父ちゃん母ちゃんやばいって。。」ネットワークというか、それぞれ子育て担当や仲が良かった姉や兄、実家にいる子ども達がチームやグループではないけど、なんとなく自分を育ててくれたり仲良くしてくれた兄や姉と縦に繋がっている。福ちゃんも、チーム北海道で。そもそも産まれたのが福ちゃんを育ててくれたくるみとミルクを育ててくれたこれまた双子の姉さんの一人、愛さんが切迫早産の疑いで札幌の病院に入院していた時に、母親のアヤコが付き添っていて寝ている間に産まれたのだ。母親のアヤコは出産の女神と言われているぐらい出産に縁起がいいし。愛姉さんは石狩市のヨーキーの農家に嫁に行きアヤコは初の出産を迎える愛姉さんのサポートと、婚家のお米やとうもろこしの収穫のお手伝いや旅行も兼ねて娘の愛の嫁ぎ先に滞在していた時に福ちゃんは産まれたしアヤコがスヤスヤ寝ている間に産まれて妊娠に気づかなかったアヤコは最初は愛が知らない間に赤ちゃんを産み、さすがに私の子だから安産なんだと感心したぐらいで。アヤコは、娘や息子の嫁さんの出産のお世話に立ち会う事が多々あり。出産の縁起がいい出産の女神なので、他の人にも頼まれて助産師の仕事をしたり、出産の手伝いをしたり、その他、できる範囲で子ども達や子どもの配偶者の関係の仕事のアルバイトをする時もありで、
そうやって
アヤコは専業主婦というわけではないしその気になって働こうと思えば余裕で自立できるし、
仮にも離婚となればリムジンは性格上きっちり分かれた妻子にはお金は支払うだろうし、子ども達もアヤコに同居を申し出たり資金援助を申し出てくる子どもは必ずいるだろうと、小さな子を抱えてもアヤコは強気に踏んでいるところがある。リムジンはリムジンで、アヤコとの40年以上の結婚生活は死ぬまで続くとハッピーお花畑脳だし。
ざっくりとした
リムジンの言い分は、いい思いをして余裕があるのだから、余裕をおすそ分けすべきだという考えであり、逆にアヤコは、いい思いは努力のたまものと運の良さであり、ズルしたわけでも不正をしたわけでもないのだからやらなくてもいい事はやるべきではないし、夫婦や家族に関する事で、一人でも反対者がいるならやるべきではない。お金で済ます事はお金で済ます、プロに任せて時間を大切にする、という考え。。。ああ。。確かにね、まず自分が幸せでないとはじまらないし犠牲は不幸を呼ぶ、なんて福ちゃんの同級生の美の福の神の笑〜はよく言っている。神様ですらそう言うエネミーではダメなのだ。
ウーン。しかしながら、リビングの子ども達は、
年老いた親が心配というのはわからないでもないな。だってもう九十歳過ぎてるんだし。可哀想な気がするもしも。。。自分なら。。生活に余裕があるならリムジンのいう事もわかるかな、でも、結婚してたらまたややこしいよね。
大広間のアヤコはさらにヒスをおこして「そんなん、ウチらは嫁入りも婿入りもないわうちはうち、100歩譲って同居したとして、しないけどねそれでも同居にしろ、アンタの親が来日すればいいのよ。新日家でしょう」「あ。。。あのアヤちゃん、その。オフクロも親父も、先祖代々の土地を離れたくないんだろうし。それに、別に。。。オヤジ達が同居したいって言ってきてるんじゃないんだし。」尻尾を巻いて叱られた仔犬のように、リムジンは、母ちゃん、アヤコから呼び名がアヤちゃんになる。
リムジンは自分がやましくなるとアヤコをアヤコさんだのアヤちゃんと言い出すのだ。悪いのは十二分わかっているのだろう。「うちは完全な資本主義よ。だからうまくいってるのよ。リムジン、あんた、馬鹿男みたいに私を鬼嫁だとか、嫁さんの尻に敷かれてるだの外でそうやってフェミニストぶって笑いを取ってるんでしょう嫁さんの尻に敷かれるだの、鬼嫁だのそうやってフェミニストぶって受け狙いする男は日本に多いんだからね、あー、自分は亭主関白じゃありませんよー、嫁さんがわがままで嫁さん怖いですよー、みたいな顔してのうのうとえぐい事を」
そうそう、日本だと奥さんを愚妻がだの、そこまでそうでもないのに嫁さんの尻に敷かれてるだの、鬼嫁だのチャンチャラい事を言って外でフェミニストぶって家庭では家の屋台骨を揺らがすわがままを平気でしれっと言い通そうとするあざとい男もけっこういるのだ。
アヤコも気は強いし、わがままだけどリムジンもわがままで嫁さんの尻に敷かれて黙ってるタイプじゃないし。どっちもどっちの馬鹿ップルなんだけどー
2022年02月28日
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