ミリオンは、僧侶のベルモに死人党葬儀大臣とからかったり
赤ちゃんの頃に、プルメリア島の海で桑田さんの旅館の常連客の朝釣りで拾われたミリオンとベルモ。仮死状態で亡くなっていると勘違いされたベルモは可哀想なのでお葬式を出すと桑田さんが菩提寺の木蓮寺に連れていったところベルモは生きていました。木蓮寺の木蓮和尚がどうしてもベルモを引き取りたいという話になり、桑田さんも宇宙人の子どもを飼育した事がなかったのでいきなり2人も引き取るのは不安だからとお互い相談し合って育てようとベルモは木蓮寺へミリオンは桑田さんの家に引き取られていきました。
「あの時、アタシはお寺に引き取られなくてよかったわー、こっちでラッキーだったお寺に引き取られてたら多分気が狂って発狂してだだろうなー」とミリオンが言うので、木蓮寺の檀家の桑田の大将は、慌てて再びコラッとミリオンを叱りながらもこっちでラッキーだったという言葉にはまんざらでもないようです。「宇宙人の赤ちゃんを育ててみるという事で、お互いに木蓮和尚と育児報告し合っていたんです。アッシが定期的にミリオンを木蓮寺に連れていきましたがね。ミリオンは、お寺が奇妙な場所だと思えたようで。。。確かに壮麗でかと言ってラグジュアリーホテルや商業施設とはまた違って、歴史も止まっている様ななんとも言えない感じがしたそうです。廃墟じゃないのに歴史が止まっているというか。。。木蓮寺をかなり変わったところだなぁと不思議に思ってたみたいですね。」リリコは、「木蓮寺は国宝級のお寺ですもんね。圧倒されました。」と感激すると。「アタシは時々連れて行かれる木蓮寺に住んでる黄色いベルモと顔を合わせるようになったんだけど。なんか、赤ちゃんの頃から気持ち悪い変な事ばっかり言ってるのよ。感謝がどうのこーのとか、魂がどうのこうのとか、どうも、木蓮和尚のご説法をきいてアタシにいい話しだから聴かせたいみたいな感じで。頭がおかしいんじゃないかと思ったわ。しかも、最初の頃はベルモは、私同様に小さかったのにどんどん会うたびぷくぷく丸くデカイのよ。いつか破裂するかと思うぐらい。木蓮和尚はかなりの料理好きみたいなんだけど、いろいろ甘やかされて食べさせてるのか食い尽くし系のモンスターかと思ったわ。まさか。。。アタシとみつごのきょうだいだったとはねぇ。」ミリオンが呆れて言いました。桑田さんは大笑いして「アッシがねー、あれはお寺という場所だよ、うちの菩提寺と言って先祖代々あのお寺にお世話になってるんだよと小さな頃にミリオンに教えて、ミリオンが海の家クワタの店に出て店のお客さんと仲良く遊んだり喋ったりしているうちに、お客さんがミリオンにお墓の話や法事の話しやいろいろお寺について教えていたんだけどねー、それ聞いてミリオンがお寺に激怒しはじめてね」するとミリオンが「だってそうでしょ。亡くなった人の為に、家によっては五十回忌だの33回忌だの法事をする家もあるって真面目な先祖ならそこまで子孫に対して時間やお金や大切な物を費やせ何年も何年も自分の為に法事をしろ、金と時間をかけろって要求するかしらご先祖様に手を合わせて真心込めて感謝する、自分は今を幸せに生きるでいいんじゃないの現代人なんてほとんどがせわしくて自分の事、日々のタスクでいっぱいいっぱいじゃない。
それに、今はもうあまりないだろうけどお墓を守る為に結婚に障害ができたり、女性が墓の為に婿養子を無理矢理取らされるとか、墓じまいをすると非難する人がいるとか、どうして子孫に迷惑をかけるのよ。墓どころか馬鹿よ。負の遺産じゃない。子どもの幸せより家の跡取りやお墓の存続の為に子どもを産むわけ今どきもうそんなにいないかもしれないけど、子どもが産まれなきゃ非難されるとか女の子しか産まれなきゃ非難されるとか。。
家の跡を継がされる為に子どもを産まされるとか。世の中にそういう家の為墓のために子どもや嫁さんを犠牲にする考えの人がいるのよ。
誰がそんなアホなところに大事な娘を嫁に出すのよ。女の子の親の方が怒るでしょ、メリットに金や旨みがある家ならまだしも金もないなにもない、ただクレクレしようとする家すらそんな人がいるなんて。
お寺もお寺で。。亡くなった人を何年も何年も引っ張り続けてお金を稼ぐって人が死ねば死ぬほど儲かるって。それに、戒名とかもお金を積めば名前が変わってくるって。。。なんのヤクザなオプションよ。騙されてるわ、ヤバいわお寺って関わらない方がいい。大将や女将さんに目を覚ますように言ったのよ。」なんて、赤ちゃんの頃はお寺やお墓についていろいろ聞かされて知ったミリオンがゾッとしてやばいヤバいヤバイとわめいていました。
桑田さんが、「だからねー、別にうちは息子2人がいるけどさ。嫌ならうちの家も商売も墓も一切継がなくていいから、もうそういう時代じゃないし、法事もやらなくていいし、って言ってあるし。まぁ、息子長男が自分からやりたくて海の灯りの旅館は継いだけどね。それに菩提寺の木蓮寺は、あちらから寄付せよだとか言わないし、法事やらなにやら檀家さんの任意だし、宗旨宗派を問わないお寺で安全だから。ってミリオンに説明したんだよね。」「だけどー。宗旨宗派を問わないみたいな事言うとなんかいい加減だしねー。逆にそれが客集めのツボだわね。お経だって、カンニングみたいに本見ながら詠んでるし?口パクじゃないかしら。」ミリオンが言うと「これっミリっあのね、世の中現実社会だけでは割り切れない事もあるんだよ?木蓮寺は嫌がる人にも無理矢理宗教を信仰しろとそういう勧誘をしているわけじゃないし。亡くなった人に対して感謝を形で表すのは悪い事じゃないし、お寺に強要されたんじゃないし、うちがやりたいからやってるんだろ。桑田家は先祖代々続いてるけど、別に先祖代々
ウチに伝わる家訓で
嫌ならここで桑田の家や旅館は終わりでいいらって話しだし。アッシだって次男だけどウチを継ぎたくって継いだんだよ。。アニキや弟や嫁のユッコも納得してくれてたし。」桑田さんが叱りました。「宗教なんだかんだって、宗教で戦争が起きるのもおかしいし、お祭りは上手い現実逃避で非日常をわざわざ作ってたまにはパーっと、感覚を麻痺させてお金も使うけど、宗教屋ってお祭り屋みたいなもんじゃない。
ベルモの魂がとか生まれ変わりがって話はアヤシイわよ。あんた死んだ事もない癖にって。確かにヤツは拾われた時は瀕死の状況だったらしいけど。なんでも上手いこと言っときゃよしじゃない。そんなの幾らでもお寺有利につくり話を適当に作ったり信者から金を巻き上げる事だってできるでしょう。」ミリオンはプイッとむくれます。「ミリ、だけどね。ミリみたいに生まれながらにして全然勉強もしないのに普通に生活してて賢い子ばっかりじゃないし。そりゃ、ミリは産みの母親と離れ離れでそれはイヤかもしれないし、傷ついてるかもしれないけど、
ウチに来てくれてウチの店に出てくれて明るい友達もすぐにできて。常連さんに可愛がられて。。。決してミリオンがラクして幸せってそういう意味じゃないんだけどさ。
アッシが言うのも変だけどミリオンをアシラ夫婦で可愛がって大事に育ててきたとは思うんだ。だけどね、世の中には親にぶん殴られたりひどい事を言われたりウチはめちゃくちゃ金持ちって事はないけどさ金に困って勝手に親に無理心中させられるミリオンと同じぐらいの子どももいるんだし。勿論全部が全部ってわけじゃないけど、そうならない様に宗教とか目に見えないなんとかとか、そういうモンに命の瀬戸際を救われた人や反省して自分のあやまちを戒めた人だっているんだし。 自分でどうしょうもないコントロールできない出来事が生きているとこれからミリオンにもでてくるかもしれない。
心の支えがないと生きていけない人や、心の支えがあったからこそ今生きていける人もいるんだし。必ずしも困った人の足元を見て甘い言葉をささやいて飴と鞭の蟻地獄に陥れて甘い汁を吸うだけの悪い宗教ばっかりじゃないんだよ。宗教なんてなくて困るもんじゃないかもしれないけど。あって幸せな人もいるのは事実なんだから。」
まぁ。。。たしかに、ミリオンが数学講師として勤務するプルメリアジーニアス義塾ですが生徒はほとんどがエリート一流の親を持った子ども達ばかりで自ら塾に来る子も来て当たり前みたいに来るのが呼吸をする事みたいに思ってる子や、無理矢理親に塾に来させられる子様々いて。。。
幼い頃から勉強して当たり前で友達どころか周りは敵だらけの蹴落とし合いの受験戦争の受験戦士みたいで。ミリオンは講師なのであくまでも生徒のプライバシーまでには立ち入らないようにはしているけど
何やってるんだこの子達は、生きていて楽しみがあるんだろうか。楽しみなんてなくても、優秀なエリートとして日本を背負っていく目標やライバルに勝つという明確な目標や目的があるので生きていけるんだろうか。そういう人生もあるのか。
ミリオン自身は、特になんも勉強せず好きな塾の仕事と、海の家クワタの仕事をして。近所の幼なじみやお客さんとゲラゲラバカ笑いして。。。お年寄りの常連客さんや近所の子どもにたまにパソコン教室を開いたりあまり賢いとは言えない近所の子どもに勉強を教えたり家電の修理やらパソコンの修理やらもミリオンはメカが好きなのでチョチョイのチョイで引き受けたり。
株式投資でお金儲けをしたり勉強を
教えるのは大好きな趣味だし自分のやりたい事をやって、それが当たり前の日常で毎日けっこう幸せに暮らしてる。確かに産まれたばかりで悪い人に騙されて海にベルモと流されて産みの親と離れ離れになったのは、世間では悲しい事かもしれないけど、地球の日本のプルメリア島で、里親の桑田さん夫婦の息子になり。はっきり言ってさ。金星人の実の親元で暮らしていたらこんな楽しみがあっただろうかとも思います。
今のそれなりに自分らしい楽しい毎日。どうも
それが当たり前だと思ってしまう。。。
そんなミリオンは勤務先のプルメリアジーニアス義塾の生徒に時々この子達子どものうちからそこまで勉強する事もないのに時間がもったいないわ。なんでわざわざ学校へ行ってるのにお金を払ってまでも塾にまで来るのかしら。この子達って普通の子より頭がいいんだから
学校で勉強なんか済ませとけばそれで十分でしょ。塾に通わせる親や生徒のこの子達のおかげ様々で私も塾の講師のお仕事にあやかれるんだけど。もうじゅうぶん賢い子達もさらにその上を見上げてはあそこまでできないと嘆いたりキリがないでしょうに。わざわざ悩みを自分から作る方がおかしい。悲しい事に勉強のしすぎで発狂して精神病院に入院したり成績に伸び悩み自ら命を絶った子もいた。
勉強がイヤになってグレて塾に来なくなった子もいたり。総体的には賢いけれど塾の中では下の方の成績でなかなか塾について行くのにやっとの子達もいて。ミリオンはそういう子の相談に乗ったりわからない問題の説明を丁寧にしたり。グレた子達の中には、親に逆らって塾をやめて、他にやりたい事を見つけて羽ばたいて行った子もいて。そんな塾をやめて自分を見つめ直して無理強いをする親と戦って勝ち幸せになった子の何人かは、時々海の家クワタに友達と一緒にミリオンの顔を見に来てくれる元生徒さん達はキラキラ輝いている。
といろいろ思うところはたくさんあるのですが。
「私も実家も特にこれと言う宗教に入ってません、親も家も仏壇やお墓があるごく一般的なとりあえずお寺に携わっておけ、の日本家庭によくある認識です。平和なんですね。
ミリオンさんは悩みはないんですか。リリコが言う。
そうねー、悩みねー悩み。。「悩みってなんだろうってぐらい悩んでないかな。。塾の生徒の悩み相談はたまにされたりするんだけど。だけど、悩んだからと言っても、最終的に自分の事を決めるのって自分でしかないじゃない。悩みを相談したり、話しを聞いてもらう事はできるんだけど。。。」お悩み。。そんなの考えた事って。。ミリオンは思いながらも。。。
ハッ。。。
「キタキタ吹雪〜ランチの準備か。」あのカワウソの八王子グループの会長らしき声がする。「会長。。。また朝からグデングデンじゃない、」
若いカワウソの女の子がやってきました、どうも海の家クワタのスタッフの一人らしいです。
ミリオンがクルッと振り向くと、「お、おはよう吹雪ちゃん。。」
あれ。。。リリコは、ハッとします。
心なしか、ブルーのミリオンのほおがポッと赤くなったように見えたのだ。。。
2022年01月16日
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