あー。。。
ムリだろうな。。。木蓮寺の僧侶森沢ベルモは、霊媒体質がゆえに普通の人が見えない霊が見えたり引き寄せたり、なんて事が日常茶飯事ですが。。
今日は、ついいましがたニュース速報で流れたという白骨死体の主だと言う、、二十代ぐらいのハリネズミ。。。
パッキンキンのマッキンキン。。チャラ男が現れたんだけど。。
同じく霊媒体質の木蓮寺幼稚園の生徒、ヒヨコ組のぴいなが霊媒体質で連れてきてしまったらしい。ぴいなは人なつこいので、霊だのオバケだの。。。どうやら、生きている人たちとはなんとなく違うと把握していながらも。。。あまり怖いという感覚がないらしい。今2歳ぐらいのぴいなは、ベルモと同居のチワワのミーナとココナと同い年で仲良しなんだけど。。。ミーナやココナは、幽霊が怖いのに。。。
ベルモがムリだろうな。。というのは直感するものこの派手なオニィちゃんは無縁仏というか。。
大々的にニュースが報道されてもおそらく身内や心当たりのある関係者が名乗り出る可能性が低い予感がしました。
この派手な若いハリネズミは、、、生前どうも見かけにより、ろくな事を自他とも認めるぐらいしてこなかったみたいで。。。本人はどうやって死んだのかすら記憶を奪い取られたらしい。。。
言っちゃ悪いけど。。。危ない薬に手を出すとか女性を騙して刺されたとか。。。チンピラかヤクザものでなんか下手打って海に沈められたのかも。
ベルモは、赤ちゃんの頃から木蓮和尚夫人の紫子さんがよく見ているお昼のメロドラマで、ろくでもないヤクザもののチャラ男がヤバイ事に手を出して海に沈められるシーンを思い出しました。
変なドラマの影響か見過ぎか。。。
ベルモは、木蓮和尚と紫子夫人に僧侶になる事を決めて猛反対された時に、思わずテレビドラマのチャラ男のマネをして。。
こう言えば親は困るだろう。。。と。
お坊さんになれないなら競馬やパチンコで生計を立てるとわめいて大騒動になったのです、もちろんベルモはそんなつもりは全くないですし。
あまりにお坊さんになるのを反対するので、ただ親を困らせようと言ってみただけ。ベルモは、
ギャンブルは、だいたいの人によくあるパターンのお付き合いや気まぐれで多少の宝くじを買う程度です。
まぁ。。ドラマなんかでよくある海に沈めてやろうか。。というやつの成れの果てか、特別悪さをするわけじゃ無さそうなんだけど。。
「なぁ、ネーちゃん、このお寺の坊さんだろう」パッキンキン幽霊はベルモに言います。「いかにもそうなんだけどな、」デブと初対面で言われたベルモはまだまだちょっとムッとしながら返事しました。
「俺がどうして死んだのか。。ネーちゃんには。。。無理か。。。まだまだ。。見習いって感じだもんなぁ。。」た。。たしかに。。ベルモは、一人前じゃないけど。。
半人前の修行中だけど。。。さ。。さっきから。。デブだの半人前だの。。
わざわざいうこと頭がまわらないというか、気が利かないというか。。本人が無自覚なのか言わなくていい事を平気で言う人っているけど。。
ベルモはさらにムッとしていると。。。
ぴいなが、
「どーして。。。お兄ちゃんが死んじゃったのか知りたいの」ぴいなが、やっと、このパッキンキンのハリネズミの若造は、死んじゃった、
うまくは言えませんが、
今の自分のいる世界とは別の世界にいかなければならなくなったんだ、というのをなんとなく理解しました。
「あー、もー、いいよ。ドーデも。。」投げやりになったパッキンキンが言います。すると。。。
「あっ」ベルモとぴいなが思わず顔を見あわせました。。。
あの子。。。あの子だ。。。
フワッと周りの空気が優しくなったかと思うと、またあの時の。。天使のコウちゃんがやってきました。
緋夏さんと俊さんの3歳で亡くなったハリネズミの男の子のコウちゃんです。コウちゃんがまたやってきました。
小梅さんのお葬式で、小梅さんを天国に迎えに来たと言ってたのですが。。。あの時、小梅さんはお葬式にいなかったので。小梅さんを探しに行ったのです。
「げ。またガキが来た。な、なんかでも、このガキ、死人だぜ」パッキンキンが言います
し、死人って。。。アンタた。。。確かにコウちゃんは亡くなってるし。だ、だけどー。。さっきから言い方があるでしょうに相当なアホだわ。。ベルモは思いました。ベルモはお寺育ちで、これでも育ちがいいというか。。。厳しく育てられたわけじゃないけど。。
どちらかと言えば甘やかされて育ったけど、品性や教養はある程度身につけては育てられた為。。。初対面ででぶだの死人だの。。ズバッという人がドーモ。。。いまだに苦手ではあります。。
確かに。。お寺の人生相談でいろんな人が来るのである程度は慣れて、それまた楽しみにもなっては来たのですが。。ね。
しかしながら、死人と言われたコウちゃんがそんな事は気にせずに、にっこりと微笑み
「小梅おばあちゃんを天国に送ってきたんだよ。」と言いました。
ああ。良かった小梅さんは。。。おのれの罪を悔いてばかりいて。。。
そして。。。なんという事でしょうか、コウちゃんが、自分を轢き逃げした犯人の鷹さんも一緒に天国へ送った、というのです。まさに。。
まさにコウちゃんは天使です。
さすがに幼くして亡くなる子どもというのは、徳の高い魂を備えて生まれてきたのでしょう。幼くしてなくなり、自ら親や社会にいろんな事に気づかせ、人を社会を改善し進歩させていくのです。。。ベルモは、泣いていました。ベルモが感動してると言うのに、パッキンキンは、
「こいつも死んだのか。。可哀想にな、親もガキも。。。両方とも。。」げ火に油を注ぐと言うか。空気が読めないというか。。。しかし。ぴいちゃんが、
「好きでいないいない、になったんじゃないでしょう」と怒りました。ぴいなは、最近なんとなく死と言うものがだんだんとわかってきたようです。。。お坊さんになりたいと言うぴいなには大事な事です。
ベルモが、ムム
さっきから。。なんか引っかかってくる言い方をカチンとしてくる馬鹿ものパッキンキンにあきれながら。。
しかしながら、コウちゃんが微笑み、
「お坊さん、どうか、この人を救ってあげて。この人が、どこの誰で、どういう亡くなり方をして、その亡くなり方に本人が納得すれば、、。僕はこの人を天国に連れていけるんだ、お願い、このお兄ちゃんを、救って。。」
と、ベルモに懇願するのです。
2020年06月06日
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