あのー。
喫茶店南風のアルバイトの京極君は、悪気はなくさりげなく。。。マスターそっくりのマスターがもっと。。何年か後。まるでタイムマシンで未来から来たようなその男性に話しかけました。
一瞬、京極君は、最近彼女と見た映画で、時空をさまよう、時間軸を超えたSFアドベンチャー
の映画を観たばかりで、もしかしたら
自分はどっか違う次元に入り込んだんだろうか、と。勘違いするぐらい。。その人は、時が進んだマスター。。。でも、マスターより影があるかな。。。
未来の世界に迷い込んだのかと。しかし、周りの人の着ている服もマチマチあれど
だいたいは、いま。空気も今の時代です。
その前に、ドッペルゲンガーの映画を友達と観てるし。。なんだか、頭がこんがらがる。。。
けど。。。
あっ、やっぱり、あの人、マスターじゃない。まさかね、お兄さん。。。は、もっと若いよね。
違うお父さんのお兄さんとか?マスターは、家の事情が複雑らしいし。とにかく、吸い込まれるように、京極君は
あのー、すみません、失礼ながら。。。と。その男性に声をかけてみました。
男性は、えっという顔をしました。そりゃあそうでしょう。今の世の中ニコニコ愛想よく
知らない人に寄って来られるなんぞ、ロクな事がありませんもの。物を売りつけられるとか、宗教勧誘とかね。
京極君は若いし、なかなかなので、ホスト勧誘とか。
京極君も、幸せデスー神より金を信じますようーだの適当に、変な宗教をからかっては、あしらいますが。
そんな事は、どーでも良いとして、警戒されたかなぁとも思いましたが、
「あの、すみませんが、あなたは、神楽町の福の神楽園の喫茶店南風のマスターのグーさんの、お父様ですか?」と、思い切って話しかけてしまいました。
「えっお。。。お父さん。。って。。」その人は悲しみあふれ。。。わ。。マズ
なんか、悲しいものに触れたのではないかという表情をその人はしました。。
「す。。。すみません、あの人違いで。。」京極君が言うと、「わたしは。。。子どもは、いないよ。幼い頃に亡くなってしまって。」ともらします。
「ご、ご、ごめんなさい、あのあまりにも僕のアルバイト先の喫茶店のマスターに、そっくりでしたから。。。あ、あのマスターは、二十代前半だから。。あなたの子どもじゃ大きすぎるかな。。。」と、京極君は言いますと、その人は、
「そんな、大きい子じゃないよ。わたしの息子は、3歳で交通事故で亡くなったんだ。。。子どもは。。。十一年前に。。亡くなった。。喫茶店で、働いているんだね、そんなにそっくりなんかな。。。そのマスターは。」
実はこの男性は、コーヒーに未知なる恐怖心と好奇心の表裏一体な不思議な気持ちを持っていました。お酒が飲みたいので、コーヒーが好きなんですが、喫茶店は、ミーハーな気がして、
自分でコーヒー豆を引いて飲んでいるのです。雑多な人混みやお喋りが、喫茶店は苦手。なんだか。。
ミーハーの集いみたいで。
その男性は、過去の記憶がなく気づけば東京。。しかし。
なんだか、昔喫茶店文化というか、喫茶店は、お喋りのたまり場みたいなイメージが漠然とありました。
まさか、名古屋に関するのか。。というか、その男性は、嫌な過去から逃げてきたみたいな
過去を忘れたいという気持ちが潜在的にあると自分の感覚であり、あまり過去を取り戻そうとすることを避けていました。
だから。。。喫茶店もあまり好きじゃないのかも。
珈琲好きの喫茶店嫌い。。いるのかな、ほかにも。そんな人、神様好きの宗教嫌いならたくさんいそうだけど。。。とその男性は思いますが、
しかし、その人懐こい男のこが、喫茶店南風の名刺をその男性に渡しました。
まさか、喫茶店は、嫌いだとは、言えないので、
社交辞令にも、今度行ってみるよ、ありがとう。と、にっこりしました。
あっ。わー、早くしなくちゃ。
「す、すんません、で、でも、マスター、かっこいい人で、俺、尊敬してるんで。ぜひ。お時間ありましたらお立ち寄りいただけましたら嬉しいです。ありがとうございました、じゃあ、」
「あ。。、ああ。」
その男性は、大事そうにその名刺を仕舞いました。
南風に戻ってきた京極君は。。。
「お。やっと来た。。。なんか、遅くない?大事な用事頼んだこっちもだけどさ、」ヤベー。マスター機嫌そこねてるかも。。。
あ。。。京極君は、あの男性に会った事を言おうとした時。。。
「あっ、いらっしゃいませ、そこ、空いてますよ。」マスターがチラッと入り口を見てニッコリしました。常連さま。
ヴィーナスと、シュナ坊と、グリちゃんと、あと、ヴィーナスの祖父母。。。と、言ってもまだ若い感じの。。。と、ヴィーナスのお母さんのお姉さんと、あと、ちっちゃいの、ペット、だな。チワワとウクレレ。。。だっけ、甘いものばっかりで生きているやつね。。。
そうだった、また、こちらの旅行から金星へ帰るって言うんで。その帰りしな、ヴィーナス達の学校が終わりしだいに、立ち寄ります、って話しだった。京極君も、「いらっしゃいませ。どうぞ、ごゆっくりね。今日は、僕が作ったレモンパイです。日替わりスイーツは。」
「ありがとう。あー、そうそう。。。なんか、アマゾネスサンクチュアリであったみたいで、」ルッコラが言います。レモンパイも、だけど、それは、うちらオーダーで、チワワとウクレレが、酸味じゃないクッキーか、ケーキかチョコレートのオーダーを、とも言いながら。。。
すると、「これは、サービスします。」とマスターが、チョコレートのトリュフを、チワワとウクレレにあげました。ぴょんぴょん跳ねまわるので、ヴィーナスが、ウクレレの髪の毛を引っ張ります、
ベリーが、ヴィーナスを叱りました。ペットぼけのベリー。「まあっ、ありがとうございます。
こらっ、ヴィーナス、また、いじめるんだから
ほんとにぃ、やめなさいっ、ヴィーナスああ、そうそう、早朝、私たちは、寝ていてなんか、アマゾネスサンクチュアリであったらしいわね。だから、葉月には今日会えないままチェックアウトしてきたんだけど。大丈夫かしら。アマゾネスサンクチュアリは、通常営業みたいなんだけどね。」
「そうなんですか、でも、閉鎖じゃないなら、そこまで心配することも、大丈夫ですよ、きっと、」と、マスターがいいますと。
「あっ、そうそう、昨日かな、青の洞窟へ行ったんだけどね、」ヴィーナスの祖父ルッコラが言います。ルッコラは、間違いなくお気に入りの珈琲をオーダーしました。ヴィーナスが、たまにここで豆を買い金星へ送っております。
ヴィーナスは、ここで飲むのが大好きです。神楽町小学校へ同居している福ちゃんに初めて連れられてきたときに、神楽町小学校の近所の珈琲の香りにフワフワ誘われて南風に入りそうになりました。
一目惚れというやつ。。
それからすぐに常連さんになりましたが、毎日でも行けるので、わざわざ珈琲豆は買いません。
「あそこ、いいでしょう、青の洞窟ね。」と、珈琲とレモンパイを運んできた京極君が言いますと、
「そうそう、素晴らしいね、そー言えば、あそこでさ、マスターそっくりの男性を見かけたよ。ほんと、そっくり、だけどね、マスターの歳の離れたお兄さんって感じの」
と、ルッコラが言いますので、京極君も慌てて、「そうそう、僕も!!!
それで、それでぼくは、ぼくちょっと時間かかったんですよー、あまりに似ていたからね。
だけど、40歳前後。。。かなぁ。
失礼ですが、南風のマスターさんの関係者さんでは、ってびっくりして話しかけ、」
と、京極君が言えば。。。マスターは、呆然とした顔で、
「そ。。。それ、それ。。オヤジかも。。。しれない。。。」
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2020年03月07日
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