鷹さんは。。。
実の娘なら。。。名古屋の実の両親。資産家の両親は助けてくれると考えたらしい。
鷹さんの養育した破産した義理両親は、
鷹さんを名古屋の妊婦さんから盗んだ立場だし、加害者だから名古屋の鷹さんの産みの親に接触はしたくないけれど。。赤ちゃんの時に盗まれた鷹なら
被害者だし。。。
実の娘さんだし、なんとかこの状況を助けてくれるかもしれないわ、。。とはっきり言わないものの
少しそういう下心もあり。。。鷹さんには、花森病院とだけは教えた。育ての両親は、加害者として責められる恐怖もあり。。。鷹さんを黙って見守る。。。
破産して山形から愛知県へ夜逃げした鷹さんと育ての両親。
さて。
鷹さんから連絡が来た名古屋の元看護師の小梅さん。
妊婦を騙して双子の赤ちゃんのひとり、鷹さんを盗む。犯罪に加担して。。。成功。
その報酬で、
結婚して平穏に暮らす。三歳年上の真面目な穏やかな男性と。。。一人娘の女の子も結婚3年後に生まれて奇跡的な人生転換。
ギリギリ30歳前に。。。
自分は借金返済に追われて結婚も出産もほぼ諦めていたのに。。。結婚できたとしても、歳の離れた冴えない爺さんとか、あまりものの男性とか、両親の介護要員とか、いわくつきの後妻話ししか来ないでしょう。。。
それなら一人で生きていた方がまし、ぐらいのどうでもいいような、好きになれない気持ち悪い男性でやっとこぐらいだ。。。自分も借金の支払いで文句は言えないし。
と諦めていたのに。。
それが、奥様を亡くして結婚暦はあるけれど、両親もいない持ち家ありの三歳年上のじゅうぶんな男性で。。。穏やかな安心感や信頼感も自然に湧くし。
小梅さんが、
寄生されていた実家の親とも、実家の借金を全て支払って嫁いで、いろいろ今まで実家の為にじゅうぶん尽くしてきたし。。。嫁に出て距離を置く事ができて肩の荷が降りたし。。。
子どもを盗むのは悪いに決まっているけれど、さらに極上の大富豪の娘さんとして。。盗んだ子は生きられるのだからね。。
盗まれて育ったあの子も。
一人娘ならば、それ以来子どもができなければ資産も事業もあの子が全て独り占めできる。
さらには、良い家柄で素晴らしい縁談もあるに違いない。。。
だって、わたしはこんなにまさかの人生転換をはかり道が開けたのは、あの盗まれた赤ちゃんに、いいことをしたからだ。。。と、信じて疑わなかった。
小梅さんが人並みの幸せを掴んだのはやはり、あの盗んだ赤ちゃんが素晴らしい人生を送っているからなんだろうな、
そうとしか小梅さんは考えていなかったのだけれど。。。
だけど。なんだか、嫌な予感がした。。
あの娘は、幸せになったんじゃないのか、
羨ましいぐらい、だとあのときは思ってた。本当に生まれながらにして。。家もお金も両親の愛も事業も持って生まれてくる。。
というか、そういう家に、盗まれて。生まれてきたわけじゃないけど、そんな家にご縁があり、両親に望まれているなら、
どうぞ、盗んでくださいというもの。泥棒に盗まれて玉の輿なんて。。。小梅さんも、わたしもそれなら盗まれたい。。。わたしの親はわたしに借金の支払いを押し付けた。。。
鷹と名乗るその娘さんは、小梅さんに会いたいと言う。。小梅さんは、近所は良くないので、2つ駅離れた喫茶店で会う事にしました。
車だと、知り合いにナンバーを見られるのがまずいと思い、駅近くなので電車にしました。
ドキドキ。。。なんでしょう。胸騒ぎがする。。あの時盗んだ赤ちゃん。鷹さんという娘さんは、いま、16歳かそれぐらいだ。。。
まさか。。。名古屋のあの鷹さんの産みの親に見つかってしまったのか。。。鷹さんは、わざわざ山形から出てきたのか。。。
いきなり。。何があって。。。もう。。あのことは思い出したくない。。
確かにこのいまの幸せは、鷹さんと鷹さんの家族のおかげ。。。
鷹さんのの盗みに成功して、じゅうぶんな報酬を得る、地獄から生還した小梅さん。
これで、終わりにしましょう、お互いに小梅さんも救済され、山形の豪農の鷹さんを養女に迎える夫婦も欲しいものが手に入り。。。
お互い様。。。幸せを掴んだのだから、
私たちは会わない方がいい、と鷹さんの両親と二度と会わないと約束したのに。。どうして。?
妙な胸騒ぎがするけれど。。
小梅さんは、過去のあやまちを
旦那にばれたくない。この生活を保ちたい。。
小梅さんは、個室もある二駅先のclassicalという喫茶店を指定しました。個室なら。。。
お昼時とか混まない時間帯なら、大丈夫だし。、。名前通りの年月を迎えた木の風あいが絶妙で静かな空間が落ち着けます。。。
レジで小梅さんと待ち合わせ、と言ってください。あなたの方が早ければ、連れが後から来ます、と個室に通して貰ってください。お昼時じゃなければ個室に入れると思います。。。と、鷹さんには告げました。。
約束の時間きっかりに小梅さんは、classicalに到着しました、鷹さんという若い女性と待ち合わせです、というとサーバーに個室に案内されました。
鷹さんはきていました。あっ。。。こんな大きくなった。。。可愛らしい女の子ですが。。。
どこか。。くすんでいる感じがします。えっ。。これが富裕層のお嬢様かしら。。
窓の外からは駅近くの公園の緑が鮮やかにキラキラ輝いています。生命力伸び盛りのころ。まぶしい輝くような太陽に
それに反発するかのごとく。。目の前の鷹さん、お若いのに。。凄くお金持ちではないけれど、小梅さんは安定して、借金もなく安息に安定収入の自分が働かなくてもよい専業主婦の日々に酔いしれていましたが。。。
鷹さんが廃れた雰囲気で現れたことに過去を突きつけられたような気持ちになりました。いったい。。。この子は。。どうしてわたしを訪ねてきたのでしょう。
小梅さんは息を呑みます。
確かに山形の豪農、鷹さんの養父母からのお世話のご縁で嫁いだ旦那だけれど
もちろん、小梅さんが子どもを盗んだことに加担したことは知らないはず。。。
旦那にばれたくないわ。なにもかも、いまの幸せを手放す事はできない。。。
この娘さんに会いたくないけれど、会わずにもしも放置して家に乗り込まれ、旦那や子どもにわたしが金の為に、犯罪に加担したと知らされたら。。。それが怖くて対処に出てしまう。
大切なものを失うかもしれない恐怖と戦いながらも。。。小梅さんは、未知の状況霧の中を手探りで進むように、鷹さんに会ってしまう。
「お時間つくっていただきまして。。鷹でございます。このたびは。。。」
サーバーにホットと鷹さんは、ハーブティーをオーダーしました。
「あの。。。なんでしょうか。。急に。。」
「あなたは。。。小梅さん。。花森病院で看護師さんをされていたのですね。。。小梅さん、わたしは、実の親が名古屋にいることを両親から聞きました。ショックでしたわ。。。小梅さん、あなたは、わたしの産みの母親の担当でしたね、
わたしは、産みの母親から連れさられたのでしょう。」
「なんか。。。ご両親とございましたの」ひるみながら、小梅は、鷹の出方を待ちました。主犯は鷹の両親であり、小梅は共犯。。。
「両親から、無断でわたしを産みの親を騙して連れさった事を聞きました。そのことについて、あなたを責める気持ちはございません。うちの育ての両親が企てたことに、あなたは乗っただけですから。。、」
「なんとも言えませんわ。。。しかし、あなたは何不自由ない、大富豪のお嬢様として。。。」小梅が言おうとすると、「いいえ、わたしは。、。確かに裕福な暮らしをしてこれました。これも、両親のおかげ様で。。でも。。うちは。、さくらんぼ農家の不作と、大型の詐欺事件に巻き込まれて。。。破産して多額の借金を背負ってしまいました。」
「ええっ、」一瞬。。。
まさか。。。お金の無心かしら小梅さんは息をのみました。。が。
鷹さんは、「小梅さん、どうか、わたしの産みの親の情報をご存知でしたら教えてくださいませんか?なんでもいいのです。。。うちの両親には。。。さすがに聞けません。悪いことをし、加害者ですから。。。」
小梅さんはかわいそうな鷹さん。。
素直そうな子だわ。。小梅さんは、自分が責められなかったのに安堵する。。
だけど。。小梅さんは心を鬼にして。。
「よろしいですわ。。。鷹さんのお母様についてわたしの知る限りを、だけど、、わたしの生活を壊さないとお誓いくださいますなら。。。
わたしにも旦那、娘がいます。あなた方の事を知られてはなりませんし。」
良かった。。。この娘さんはお人よし、最初っからあんたの旦那に悪事をばらす、なんて出ない。。全然経済的にも育ちは違う鷹さんだけど。。。
小梅さんは、
人がよく利用された昔の自分を思い出してしまいました。
鷹さんはどうしても、実の親が知りたくて。。。小梅さんに懇願しました。
小梅さんの話しだと。。。それは。。
資産家で、ハタチで静岡から名古屋に嫁いだ富士という女性でした。21歳の時に第一子の男の子を出産し、
第二子を出産するので、花森病院に診察に来ていました。勘の鋭い小梅さんは、その富士という妊婦は、双子を妊娠している、と直感するのです。
そんな折、遙か遠く離れた山形の豪農の奥様が、ハリネズミの赤ちゃんが欲しい。家柄の良い子どもでなければならない、と。
という事で、富士が狙われてしまったのです。
鷹はそんな悲惨な犯罪に巻き込まれてしまいました。双子の赤ちゃんで、鷹の方が健康的で大きいがために。。。もう一人の未熟児スレスレの妹ではなく
鷹が連れ去られ。。
妊婦は、既に男の子を出産していましたし、まだ子どもも作れる身体ですし。この未熟児スレスレの妹が成長しなくても、
もう兄がいるし、まだ子どもができるチャンスがある。。だから、鷹が連れ去られました。
もう1人の妹がギリギリ。。未熟児だったというだけで。。運命が決まってしまったなんて。
妹には罪はないけれど。。。
鷹さんは、その富士に会いに行く事にしました。
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2020年02月25日
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