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2020年01月23日

マリッジcelebration107埋められない悲しみと孤独に。。。

あ。。。あら。。らら。。

キャー
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
許してください、許してください。。。

峰はぽかーん。。。

「あ、ああっ、ご、ごめんなさい、母さん、母さん、もう行きますよ、あっ、すみません。あの。。。母は、認知症が進んでおりまして。。。申し訳ありません。深い意味はないのです。。。」
その鹿の車椅子を押す娘が言います。

娘と言っても。。。峰と同じぐらい歳を取っていますが。。。

あら、ごゆっくり。私はちょっとぶらっとしただけですから。。。峰は外面。。。世間体は良いので、それに認知症の高齢者さんなら。。。

さすがに切れやすく怒りやすい峰もなんだか、同じぐらいの年齢の娘に同情した。。

認知症か。。。父親の慶が、施設に入って最後認知症が出てたな。。

しかし。その慶の認知症のおかげで、富士と峰は慶に上手いこと取り入って。。。遺言を自分達有利に書かせました。峰の兄弟に怪しまれましたが、

母親の富士に丸め込まれる性質が峰の兄弟についていて。。。富士と峰に強引に開き直られて。。。

それに、兄弟はキチンと独立していましたから、わざわざ深く実家と関わらない方が身のためだと。。。疎遠になってしまいましたし。。

もともと峰の家は慶が次男の分家筋でしたから。。

あれこれ後々を考えて跡取りだのうるさくない気楽なものでしたから。。。富士が嫁がつくと悪い虫がついてくだらない、と男の子を大事にしませんでしたし。

なんて。。。昔の両親の事を考える日だろうか。。。車椅子の夫人は急に峰を見て泣き出してしまいましたが。。。認知症の方は仕方ない。。。ぐらいにしか、峰は思わず。。。

すると、このアマゾネスサンクチュアリィの清掃員の2人が、庭園と神社の清掃をしていたので、その鹿の母娘に、「あら。。。ちょっとお休みなさったら。。。スタッフさんに事情を説明するから。。。」サラさんが言います。

どうも、かなりの高齢のご老人が興奮されているようですし。。。「そうよ。。。こちらへいらしてくださいね。。。わたし、スタッフの方にお話ししてくるわ。。。」

ガーベラさんが、屋敷に入るとちょうど葉月さんがやってきました。これからリゾート開発予定に購入済みの美島へ偵察にいきそのまま夜の身内招待した青の洞窟のほとりのフレンチへいくようです。。。

ガーベラさんが事情を説明すると、「あらまぁ、少し休んでもらって。。。いま、スタッフの宿泊ルームが空いてるから。。。お茶菓子や飲み物出してあげてね。。。」と葉月は言いました。

ご高齢者の体調不良となれば。。。アマゾネスサンクチュアリィに宿泊できない女性の為にも庭園や神社やカフェは開放しています。
宿泊者様やエステ飲食利用者さん以外も大切なお客様だし。。。

車椅子の母親と、それを押してきた娘さんは、

少しお休みください、中は涼しくなっておりますから。。。と。
ガーベラさんに案内されて。。。恐縮なのですが。。館内に入っていきました。

あらまぁ。。。大丈夫かしらん。。さすがの峰もそう思いますが。。

大丈夫ですか、ごゆっくりしてくださいね。。。と玄関でも葉月が迎えています。。。


「あの。。。申し訳ありません、こちらが勝手にぶらぶらお出かけして。。。お庭を見せていただきたくておじゃましてますのに。、。」恐縮している鹿の娘さんの方は五十鈴さんと言いました。

お母さんの方は。。。なんとおん歳100歳の小梅さんで認知症になってしまいましたが。。。何年か前に名古屋から、娘さんの嫁ぎ先のプルメリア島に引き取られてきたようです。。。

サラさんとガーベラさんは、既にピカピカに清掃された自分達が宿泊したスタッフルームに案内をしようとしましたが、葉月が、それより。。。ごゆっくりして行ってくださいね、と。

「お庭をわざわざ見に来てくださったのなら。。。」と、2人を水中庭園室に案内されました

ここは、地下にあり宿泊者が、水族館みたいに、窓の外の海を眺められる場で大きな大きな水槽のように海の中を眺める事ができるのです。本当は宿泊者さんのみ。。。楽しめるお部屋ですが。。。

うわぁ海辺のプルメリア島に嫁ぎ長い五十鈴さんすら、この水族館のように部屋から海の中が覗けるシチュエーションには驚いていましたが、

お母さんの小梅さんの表情が和らぎ。穏やかになりました。さきほどまで取り乱していたのですが。。

ガーベラさんが、甘いものがお好きでしたら、とケーキとアイスティーを運んできました。

「あの。。。こんなにしていただいて。。。」と五十鈴さんは、遠慮していましたが、

お母さんの小梅さんが遠慮なく嬉しそうにチョコレートに手を伸ばします。。

「ありがとうございます。わたしも介護の気晴らしになりますので、時々木蓮寺のお庭がこうやって認知症になる前に。。。母親が好きだったので、散歩がてらに来てましたが。。。でも、こちらも宿泊しなくても、お庭を見られるようで。。。おじゃまさせていただきまして。。。」

「まあっ、なんて親孝行ですの、」サラさんが言います。。。


屋敷に入って行ってしまったあの母娘。。。
峰は一連の流れを傍らで見守って。。。急に悲しみが止まらなくなりました。、、
あの人は、多分わたしと同じくらいの年齢で。。それなのにかなり高齢の母親の世話して大変だろうに。。。

でも。。。なんだろう。。心がさみしい。。虚しいというか。

両親とも完全看護の高級施設に入って最後は。。眠るように亡くなったけど。。で。。

介護の苦しみも。。。親が病気で苦しむのも見なくてすんだし。。。わたしは。。。

奇妙な敗北感と虚しさがこみ上げてきます。。。談笑して。。。気を遣われて笑顔で大切にされてる。。。

あたし達はお客様だからモテなされて当たり前かもしれないけど。。。

なんだろう。。。なんだか切ない。わたしの方が幸せなはずなのに。。。

あの女性が幸福に見えてくるのはなぜ。。。


まるで海の中にいるような空中庭園室に峰も行きたかったのですが、今はやめときました。

他にも宿泊者の人は自由出入りでいるかもしれないけど。。。今は。。。あの母娘の空間でふたりじめ、そっとしておくべき。。。


なんだろう懐かしさ虚しさ。。。切なさ。。

峰ちゃんが怖いからみんなは付き合っているんだ。。、
峰ちゃんは本当の友達がいないくせに。。。

子どもの頃のあの子の言葉が胸に突き刺さる。。。

娘たちは。。。そろそろかえってくるだろうか。。。あの子たちも。。


わたしにお金を与えて2人で姉妹水入らずで出かけて。。あたしにお金を与えたのは。。

二人で楽しみたいから厄介払いだろうか。。。。

峰はズキンと。。。心にポッカリと穴が開きます。






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