2019年10月06日
真夏の夜のおとぎ話126ダイヤさんは語る。。。ダイヤさんの過去2
ダイヤさん。。。
ダイヤさんは、以前プルメリア島に来て一年もたたないうちに。。。人生が変わってしまったのです。いや。。。
既に。。。イヴァンさんと知り合った事が運命的な分岐点になったのかも。。。
視力も家も仕事も失った。。お金も友情もなにもかも。。。
この歳で急に盲目に。。。点字を覚えるのもきつい。。。点字と音声のコンピュータで、、、福祉施設から、リハビリと職業訓練。。
幸いな救いは、職業訓練リハビリの講師が、かなり親切で、前向きな性格の人で叱咤激励。。。厳しいと思ったけど。
できることはあるのだから、できる事から地道に諦めずに、と真剣に考えてくれた事です。。。
私なんかを真剣に考えてくれる人がいるんだ。
ほんとは自殺も何度か考えました。
旦那に裏切られて。。。それから、優しい両親は。。。兄が結婚して家にお嫁さんが来ると、
家に帰って来ないで。お嫁さんが怒るからね。。もう嫁に出たんだから。二度と敷居はまたがないで。。。手のひらを返すようになりました。
それは。。。当たり前かもしれません。お嫁さんからしたら、同居してやってるのに、なんで、のうのうと嫁に出たんだから小姑の居場所はないわよ
と。。。ダイヤさんは、兄と弟がいて。。ひとり娘で、両親はかなり大事にしてくれたものの。。しかし世代交代と、
きつい兄嫁。。。同居の手前に離婚しても頼らないで、あなたは資産家に嫁がせたのだから、それなりに慰謝料いただいたんでしょうと、帰ってこないで、と拒否されました。同居してくれ、孫も産んでくれた兄嫁の天下。。。両親なり、兄は嫁に尻に敷かれています。
離婚してから。
両親とは疎遠になりました。。。
ましてや。。。盲目になったいま。。。実家に帰っても。。。厄介払いされるだけ。。。
頼らないで、子供に金がかかるのよ、あなたは子供がいないからわからないんでしょうけどと。。、嫁はダイヤさんを拒否するだけ。
きっと帰れるのは両親のお葬式。。、
ダイヤさんは、
離婚して弱ってた時に。。傷の舐め合いのように。。同じカモメの同じ年齢の、イヴァンさんと知り合いました。
よく言われるのですが、寂しいからという理由であまり気の合わない友達を作ったり、好きでもない異性と付き合うのはよくない事です。傷の舐め合い。。。妥協同士のダイヤさんは、
イヴァンさんとは、全然違うフィールド、タイプの性質です。もしも、お互いひとりぼっちのどん底同士の時期が重ならなければ
友達に、なったでしょうか。
それから。。。ダイヤさんは、、。
「葉月さん、私はここにお世話になってはいけないわ。。。
あの、心中事件は、。。」ダイヤさんは、
先日のイヴァンさんとの心中事件について語ります。。。
ある日。。。ダイヤさんは突然眼が見えるようになり。。。しかし。。眼が見えたら。。
急にこの施設の世話してくれた家や仕事を取り上げられたらどうしよう。。。路頭に迷うわ身寄りはないし。
と、ずるいかもしれないけど。。暫く盲人のフリをして今後の身のフリを考えようとした時に。。。
なんと。。。イヴァンさんが、ダイヤさんを見つけてやってきたのです。
イヴァンさんは、、、「探したのよ。。。ダイヤさん。。。ダイヤさんは、、視力を失ってしまったんですって。」と、泣きながら
ダイヤさんの手を握りました。
あっ。。。
噂は嘘だったかもしれない。あの日。。。知らない主婦の立ち話を、偶然にも聞いて。。
噂話だから、尾ひれをつけて。。ただそう言っていたのかもしれない。傷ついた同士で昔一緒に暮らした二人。。
積もる話も。。。
昔はなしに花が咲き。。。今夜はゆっくりうちに泊まってと言ったダイヤさん。。
イヴァンさんは、手土産に、ダイヤさんの大好きな赤ワインを持ってきたのです。
この心遣いも。。。
あたしの勘違いだったのかなぁと。。ダイヤさん。。
ダイヤさんは、様子を見るために、目が見える事をイヴァンさんには内緒にし、
イヴァンさんはダイヤさんは盲目だと思い込んでいます。。
なんと。。。イヴァンさんは、ダイヤさんが盲目だと思いこみ、家の中を物色しはじめました。。。
ウソッ。。。幸い、家にはほとんど金品を置かず、キャッシュレスの引き落とし生活をし、銀行口座など、音声で残高を確認しているダイヤさん。。
換金できるものはないかとも。。。物色しているようで。。。ところが、質素な生活をしているダイヤさん。。金目のものはありません。
「急だったから、何にも用意していないわ。。。」「こちらが急に押しかけたんだから。。。チーズと木ノ実、ナッツぐらいは持って来たし。。。」
「なら、冷蔵庫の有り合わせで悪いけど。。。ハムとか、サラダぐらいはあったと思うから。。。」
ダイヤさんは、動揺を抑えました。
この人。。。イヴァンは。あたしを心配しに来たんじゃない。。お金の無心に来たんだ
イヴァンさんは、テーブルにシャンパンと、木ノ実ナッツやチーズを並べて、
「じゃあ。冷蔵庫、開けていい」と聞きましたが、あっ。。。電話。。。
ちょっとだけ失礼、と電話してくるから、と廊下に出ました。実は見えているダイヤさんは、スタスタ歩き、イヴァンさんにバレない様に聞き耳を立てます。
すると。。。
「全くなーーんにもないのよね。ガッカリ。障害者は、補償されているから、金もってるって思ったんだけどさー。見事になんにもないんだから。。。」と、会話が聞こえてきたのです。。。
やっぱり。そして。。。さらなる打撃は。。。
「ハー。。。。この人が、役に立ってくれたのって。。。あたしがあげたスカーフを、、、あげてから馬鹿みたいに毎日毎日つけていて。。あたしの代わりに間違えられて暴行を受けてくれたぐらいよ。。おかげで、ホストの追跡をま逃れたけどサー。。。私はあの家から逃げたけど。。。馬鹿ねー、ホストに家がバレたし戻ってくるわけないじゃない。。。
今回もさ。お金でもって思ったんだけどさー。ないわけ。。あちらはのんきに懐かしいから会いにきたって。。。思ってるみたいだけどね。
」
な。。。。何ですってあ。。。あれは。あのスカーフは。。。ホストから逃げる為に私にくれたの。
ダイヤさんはもう限界。。。出て行ってと。。。叫び掴みかかろうとしましたが、相手は狂人。。。
何をされるかわかりません。争ったところで。。。
あっ
ダイヤさんは、すぐに。。。以前手に入れた自殺用の薬を隠しました。
テーブルに着くと知らん顔をして。。。
イヴァンさんは、飲みだすと長いし、トイレが近いのです。何食わぬ顔をし戻ってきたイヴァンさん。
二人でワインを飲み始め。。。
そして。。。あの日。。葉月さんの出産の話になったのです。葉月さんの出産に偶然にも出くわした二人は、
元看護師ですからとイヴァンさんが、申し出て、ダイヤさんも手伝って。。。
しかし。葉月さんは、三つ子を産んだものの、二人は死産。。。
カモメのイヴァンさんは、お葬いをしましょうと、二人を笹舟に乗せて海へ流しました。
ところが。。。ワインで真っ赤になりながら。。。
イヴァンさんは。。。あの二人の赤ちゃんは、生きていたわよ。死んだようなものだったけどねー。。もう、ほとんど死んでるみたいなもんだから、流したのよ。
えっ
ダイヤさんは、びっくりして、「じゃあ、病院に搬送すればいいじゃない。あなた。。。元看護師なんでしょ。」
「あの母親にとっても、元気な子だけでいいのよ。。。昔は間引きみたいにいっぱい生まれたり、育てられないと、そういうこともあったのよ。あの子は子どもでしょ。三人もいきなり赤ちゃんができたらかわいそうなのは、あのお母さんよ。。、
見たでしょ。旦那さんの方は出産を喜んでるけど、お母さんは、あー、こんなものか、なと。もーあの死にかけの赤ちゃん達は鳥の餌よ。、。」
なんて事を
なんて人なの。。。信じられない。
たしかにギャルママみたいで派手な感じであまり赤ちゃんに関心なさそうだったけど。
だけど。。、いくらなんでも。。
ダイヤさんははらわたが煮えくりかえり。。。限界を超えていました。
そして。。。イヴァンがトイレに立った隙にイヴァンのワインに、以前から持っていた
内緒に入手した暗黒草の薬を入れました。
そう。。。私は人殺し。。人殺し未遂なんです。犯罪者ですから。。。
もう、ここにはいらない。
しばらくしてワインを飲み、、気を失ったイヴァンさんをイヴァンさんの車に運び
海へ連れ出しました。
目が見えるようになったので。。
久しぶりに車を運転し。
ほんとに嬉しかったものの。。イヴァンさんは、こんなステキな車まで手に入れて。
私は昔。。。イヴァンさんの為に車を担保に入れて。。。
それも悔しくて。。。
私も。。。海で死のうと思ったのです。
ダイヤさんは言いました。
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