結局ね。。。
私の未熟な経験の、つたない勘かもしれないけれど。。
元探偵の榎本明治さんは言います。
もう一度失礼いたします、クライド・フォレスターさん、
あなたのお母様は。。。いわゆるサイコパスと言われる部類の人間だと思われます。
榎本さんは申し上げにくいが、クライド・フォレスター氏がもう晩年も晩年であり、
ターミナルへの人生の旅路を
真実一路に進んで行きたいと強く希望した。
それでないと意味はない。榎本さんは、ヒカルの件は、50年以上も昔の話。無視してもいいはずなのに、意を決して遠方からここまでわざわざ足を運んでくださったのである。
頭が下がる思いばかり。。
どうぞ、遠慮なく当時のあなたの知る限りをあなたの所見で教えてくださいと
榎本さんは、クライド・フォレスター氏と
西園寺玲泉氏と固く握手をかわしたのだ。
そして。。。ヒカルが、、
セントラル美術大学の最寄り駅近くの駅前居酒屋食都炉祇庵で、
榎本さん、探偵時代の霧島明治さんと会い
その時、ヒカルに霧島さんは、気を付けて、といろいろ説得し、
探偵の事務所から持ち出したマル秘の
調査書のコピーは、
ヒカルに渡そうとすると、これは。。。義理母のイライザが僕を調べた証拠になる。
僕がこれを持っていたら、万が一な時になぜ、僕がこんなものを持っているのかと
恐らく僕の身辺調査を担当したあなたに疑いがいってしまう。
霧島さん、これは二人だけの秘密、あなたがこれを保存して、僕に万が一があれば、
警察署にこれを出してください。
僕は、僕はただの平凡ないち学生でも僕の家は、フォレスター一族でニュースぐらいには必ずなるでしょう。
それに、僕の身辺調査なんて、一緒に住んでいる妻に見られたらなんと思うでしょうか!
ヒカルさんが、あまりに熱心で私は、調査書を勝手にコピーした責任もあり、
この通り。。もう、薄っすら黄ばんでますが、あの時のヒカルさんの
身辺調査の、コピーです。
と、何枚か差し出した古い紙。。。
「一緒に住んでいる、妻と言ったんですか、、私の父親は。」
西園寺玲泉氏に、榎本さんはうなづきました、
人目をはばからず、男泣きに泣き。
西園寺玲泉さんは泣いていました。
ケジメをつけ、彼女に妊娠の確認をする、、
結婚。。
ヒカルにも。
本来は。。。未来があったはず。。。
だけど。。。ケジメをつける前に。。
ヒカルさんは。
。。。
「西園寺さん、、、お母さんに、亡くなられた桃子さんからなにか聞いていませんか?」
クライド・フォレスター氏が言いました。
西園寺氏は涙をハンカチでぬぐうと、
「さぁ。。。ある日突然、、父親はアルバイトに来なくて。高校生の家庭教師のアルバイトをしていたみたいで
真面目に、いつも礼儀正しいし。
生徒の親御さんからは重宝されていたようですが突然連絡が取れなくなってしまって。
警察署に捜索願出しましたし、実家に連絡しましたが、、父親のジェイ・フォレスター氏が海外に長期出向いて。。。
イライザ本妻様が電話に出たらあの子は風来坊です。。あてになりません。高校生の時からフラフラ酒飲を出すバイトで、
庶民と交流して悪い仲間でもできたんじゃない、そういう人間。」ガチャリ
一方的に
電話は切られた。
おそらく私がどこの馬の骨かわからない庶民の女がフォレスター一族なんて
って嫌われたんだと母の桃子は言ってました。
もう、昔のこともっと聞いておけば良かったんですが。。。」
西園寺玲泉さんは、なかなか聞けない母親桃子の胸のうちと、それから、
再婚した西園寺家の義理の父親への遠慮で
やっぱり詳細までは。。
西園寺の義理の父親はよくしてくれたし。
今この時この瞬間ではなくて、
いつか、いつか。。
多忙にかまけてと、いつまでも親が元気でいるという漫画みたいな愚かな錯覚。。
いつの日かは永遠に来ない。
クライド・フォレスター氏も、だいぶたち、ヒカルが大学に行っていなく失踪した
と、入ってきた。ショックだった。。けど。
現役で、Aユニバーサルに合格したクライド・フォレスター氏は、
フォレスター一族を離れて、、
ひとり下宿し。このまま大学院もどうしようかとも悩んでいたし。
のちのち、フォレスター一族を裏切るというか、フォレスター一族から独立を企んでいたし今後のちのちの野心だけで精いっぱいだった。。。
保険やスペアや予備みたいな、フォレスター一族本家の次男坊に生まれ。
フォレスター一族の聖ラグジュアリーカレッ時をはるかに凌ぐAユニバーサル大学。
少しだけ優位に立つような錯覚がした。もう、親の言いなりの古い時代じゃないと。
時代も段々変化していき子どもも
無理やり適しないのに家業を継がなくなってきた。名家でも。。。人には適材適所があり
無理やりカタチの違うピースをはめこんでも美しいパズルは完成しないことを
みんなよくわかり、自分を極める行動に移す人も増えてきたのだ。
新しい社会へ社会へと、新陳代謝が繰り返され薄皮が剥がれる様に、知らないうちに
社会も人の意識も変わっていく。
あるものは、成長。
あるものは、退化。、。社会は???!
成長しているのか退化しているのか。。
よくわからないな。。。
ヒカルの件は、、、慌たゞしい下宿生活から
しばらくして屋敷に戻って聞かされて。
しかし、みんなみんな。。自分のことばかりあの時は必死でした。
クライド・フォレスター氏は、もともとヒカルはフォレスター一族に反発していた反逆児だし。一般庶民的な交流やサークル。そのうちふらっと戻ってくるさ、と
言い聞かせていました。
親と喧嘩したかもしれないしな。積もり積もったフォレスター一族への不満がついに爆発したかもしれない。
なんと言っても、ハタチを過ぎたのだからな。。
ヒカルは。
母親、本妻イライザから長年虐げられてきてたし。
だけど。。、一言ぐらい、俺に連絡くれたって。
とも思う。しかしもうお互いハタチを過ぎた大人だし。全く予想もしない社会やジャンルにいるヒカル。。
だいたい大人になれば、自分の社会や生活を持ってあたりまえだ。
だから、
クライド・フォレスター氏が
いつか、いつかと思ったり忘れたり思い出すうちに。。。
日々過ぎゆきて。。。
あっ、
ヒカルが、失踪したんだ、という事に気づいた。
時。すでにもうおそし。。
西園寺玲泉さんが、いつか聞こういつか聞こうと。。。
母親に、もっと詳細まで、、父親のヒカルについて踏み込もうと考えて先延ばしにして、
そしたら、予想外。。。あっけなく母親の桃子は亡くなり。
予想外。。。というかもう。。母親も、年老いているし。
いつか順調に行けば親が自分より先に死ぬことぐらいはわかっているが、
ふつうは誰もが元気なら親が死ぬのは今日明日のわけがないと錯覚してしまい。
それと同じようではないかもしれないが、似て非なる。。。
まさか、ヒカルが。弟のヒカルは自由人みたいならちょっとふらっと家出しただけだとか。そう言い聞かせるうちに。。
失踪したんだ、とある日気づいて。
だけど。。後悔なんてしたくないけど誰だって後悔する瞬間は後悔だと気づいていない。
後から悔やむからこそ後悔なのである。
そんな愚かな後悔を繰り返し繰り返し。。人なんていくや強がってもいくら自分は大丈夫だとその時は思っても。
後から後悔を。。なんてものかもしれないと。
それから、榎本明治さんは、結婚して遠距離の奥様の家に婿入りする。
霧島明治さんは榎本明治さんになり
特別に、フォレスター家の息子さんヒカルさんについてマスコミは報道もないから。
便りがないのは元気な証拠だと。
榎本明治さんも新天地、心機一転と新しい人生を切り開き。。。榎本家の次期社長だから
人付き合いもますます多くなったし。だからなんとなく去る者日々疎しというのか。。
自分が知っているヒカルさんについては以上です。
榎本明治さんは言いました。
だけど。。。だけど。ヒカルとは初対面で末っ子で社交的な人懐こい性格は似ていたし
なんでしょうね。フォレスター一族のご子息様に大変失礼ですが、親しみやすくて優しいし人間は知らず知らず、同じような性質の人間や、危険な人間や
相容れない絶対に仲良くなれない、虫の好かないタイプなどセンサーを誰もが持っているけれど。。。
お金持ちとか人種とか人間性とか。。それを越えて同じような性質の人間はなんとなく感知し合いますね。
類は友を呼ぶというのかな、あっ、おんなじにおいがするって。
なんとなくだけど。一緒にいてふつうなような。。なじむ。ヒカルさんにそんなのを感じたし。初対面の私を信用して
調査書のコピーを預かってくれと頼まれたんだ。。。
榎本明治さんは、奥様の美奈子さんと老後の楽しみの、旅行で
神楽町や音鳴り町。榎本明治さんの実家の星降り町の霧島家のお兄さんに会いがてら、榎本明治さんの地元付近地域を里帰りの旅をしているらしいです。
神楽町から、、連絡船で、南のプルメリア島の自然も満喫するらしく。
榎本明治さんは、忘れていたなにかを取り戻そうとして。
いつ、夫婦どちらかが、先に天国へ行くのか誰も知らない。後悔しないうちに、
生まれ故郷付近を回ろうとして。
星降り町。。。
地元に帰ってくるのは、これが最後かもしれないけれど、やはり地元は平和で美しかった。
妻も喜んだし、来て良かった。
榎本明治さんは、しばらく前になぜか、
若い頃の、懐かしいヒカルとセントラル美術大学で会った夢を見たらしいのです。
あっ。。。
一度しか会った事がないヒカルでした、だけど明確に覚えて懐かしい気持ちがあふれます。
「あなたは、ヒカルさん。ヒカル・フォレスターさんですね?」夢の中。榎本明治さんは
嬉しそうです。しかし。おじいさんになった榎本明治さんは。。あの日のまま。
学生時代のヒカル・フォレスターさんのままのヒカルさんを不思議に思います。
「お若い。。、どうしたんです、
ヒカル・フォレスターさんのお孫さんかな?」
しかし、ヒカル・フォレスターは首を振り
「お願いします、霧島さん、お力をどうぞお貸しください。お願いします。」若いヒカルが泣いています。
「あっ、ヒカル・フォレスターさん、私はお陰様で今は榎本明治です。榎本モータースの会長で、息子に代を譲り隠居中の身ですよ。
これというのも、ヒカルさんのお陰様もあります。ヒカルさんの件が良い探偵を辞める後押しになりました。ヒカルさんには感謝していますから。私ができます事ならば、可能な限り進んで協力を
させていただきます。」
近々。。。と、ヒカルはお辞儀して目が覚めて、
夢だったのか。。。と朝起きたらすぐに
あの神楽町音鳴り町の人骨発見事件を
新聞で読み、
フォレスター一族紋章のシルバーの女性の方のボタンを左手に握っていた、とか、
行方不明になっていたヒカル・フォレスターさんか
と書かれていて。えっ、
ヒカル・フォレスターさんは、行方不明だったんだ、と。
私は全く知りませんでした。だけど。。。新聞その他マスコミで、DNA鑑定の結果
人骨が、ヒカル・フォレスターさんだと。
もう。黙ってはいられません。私の知りうる限りは証言すべきだと。
妻にも打ち明けました。
妻には、探偵を辞めるときに、なんだかもう人の裏側やドロドロや秘密を暴いたり漏らしたりプライバシーを盗むのには疲れたよ。
誰しもそっとしておいてほしい聖域はあるだろうに。確かに探偵業務の給料はいいけれど。
そういう問題じゃないし。決して逃げるとかそういう意味じゃない。
もっと明るい幸せな仕事をしたいからと、
妻の実家に入り婿養子になり榎本明治になる事を決めました。
確かにイライザフォレスターから怖くて
遠くに行き名前を変えたかもしれないが
妻の美奈子さんをそれ以上に、榎本明治さんは愛していました。
美奈子さんは、いま、榎本明治さんの実家の
星降り町霧島家の離れに泊まっています。
星降り町滞在の期間は、年末年始で里帰りの挨拶を含めてたまにはこちらに泊まりなと
長兄の息子さんのお嫁さんが気を遣ってくれました。
榎本明治さんの兄さん二人は
長男、次男も
80歳をを越して長生きしていますが、奥様はお兄さん二人とも先にすでに亡くなりました。
霧島家の実感は、長男と長男の息子さん夫婦がいて、孫はみんな自立しているし、
次男のお兄さんは遠く離れています。嫁いだ娘さん夫婦と暮らしているので、こちらの地域に奥様といましたが、奥様に先立たれてから何年か前に
娘さん夫婦が引き取りました。
霧島家の離れで、しばらく榎本明治さんと美奈子さんは里帰りを満喫するそうです。
それで。
榎本さんは、
音鳴り町の警察署に行ってくるからと、車で今朝家を出ました。
そのとき、みんなには見えない、クライド・フォレスターさんしか見えない
天使のサン太が、西園寺さんと榎本さんをお食事にお誘いなさい、僕がいい店をキープするからね、
と、クライド・フォレスターさんの心に訴えかけてきたので、クライド・フォレスターさんは、サン太に念じ、
おーい、ドンチャンな年末の忘年会シーズンだぞ、良い店は予約してあたりまえ。。
そこそこのお店ですら、忘年会でいっぱいだろ?
しかし、サン太はいいからディナーに誘いな
と。。なので。。
「お礼です。今夜は西園寺君も含めて、お食事しませんか、ごちそうさせていただきたいのです。。。居酒屋金曜の夜に行きましょう」
と、クライド・フォレスターさんは
口から勝手に出てしまいました。
白ネコクリーニングさんの会長夫婦にもお礼をしたかったのですが、証言をして
お先にと既に帰られています。
はっ、
サンタのバカバカ、居酒屋金曜の夜って。
居酒屋金曜日がリニューアルオープンして。
予約制だろっ。あそこは。神楽町の福の神タチバナシェフの店を
流行にどんかんな、仕事すら人間関係の深い付き合いをろくろくとほとんどしていなかったクライド・フォレスターさんでさえ
福の神のお店は、なにかと、耳に入りマスコミに耳にする。
金曜の夜というのも、もちろんマスコミが騒いでいました。中央に、フロントがありナナメにぐるっと緩やかな螺旋階段と。フロントの奥には滝や森やせせらぎの瀬音。
外からは個室内が見えない
円状に並ぶガラス張りの個室からは中央の森が見えて、時を知らせる噴水のショーがあり。コンセプトがナチュラルと癒やし。
空間もお料理も美しい
話題の流行店だし。
もちろん、お金は幾らでもあるし、金銭面じゃなくてこの時期に。。。
予約なしで。金曜の夜だと。。。忘年会シーズンに
いきなり人気店に行くなんて。
だが、電話しろって予約してみろって。サン太はしっぽをふります。
榎本さんは、人として当然な事をしましたから気にしないでくださいよとおっしゃるがどうも酒好きな方らしいし。
クライドさんはまぁまぁ。西園寺氏もお酒は付き合いなら飲むのは飲めるけど一人ではいかないぐらいで嫌いじゃないらしいし。
クライドさんは、お手洗いに立ち半信半疑で検索をかけて調べ居酒屋金曜の夜に電話すると。
ありがとうございますお少し待っていただけますか、とスタッフの方に言われ、
「あっ、19時に3名様ならちょうど大丈夫ですよ、二時間になりますが。」と。思わず、クライドさんは、
「えっ。今日いきなり。。こんな忘年会シーズンにっ。ここ、通常時も予約でいっぱいとおききしましたが、どうしても大事なお客様のおもてなしですから。」と、自分で電話を入れときながらのクライドさんの方が驚くと。
「はい。通常も。。。もちろんこんな時期ですからよけいに事前予約が取りにくいんですが、
19時から3名様が、、、どうしても年末で、このまま忘年会をやっている場合じゃなくなったと
新年会に切り替えになったんですよ。」
通常からなかなか何ヶ月も予約でいっぱいのお店が。。。
ホラね。
天使の
サン太はニコニコしてしっぽフリフリ。。
じゃ。僕からのスペシャルクリスマス。
エンジェルのサン太は、
クライドさんにしか見えないがそういうと
いつのまにか、サン太は
サンタクロースのコスプレをしていました。
サン太は、なにをもたらしてくれるのでしょうか。。。
2019年05月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8832211
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック