お話しが、
弟のヒカルについてであれば、差し支えがなければ、
ヒカルの息子の西園寺玲泉氏にもご連絡いただけませんか、もっぱら西園寺氏は、
ワシみたいな暇な老人でなく現役ご多忙な身じゃとは思うがの。。。
念のため。
警察署からの電話に、クライド・フォレスター氏がそう答えて
「じゃあ、また来るから。
サンタクロースの奴を呼ぶらかのう。」
クライド・フォレスター氏がヒカルちゃんに言うと
ヒカルちゃんは、
「僕ね、僕サンタクロースより、クライドさんの方がいいなぁ。」
「ありがとう。元気になれよ、」
クライド・フォレスター氏が手を振ると誰にも見られないように涙ぐみ。
それから、暫くして音鳴り病院に待機しているタクシーで警察署に向かいました。
ヒカルの事でって。。。タクシーから、冬の寒さを忘れるぐらいな期待感とワクワク感の
キラキラしたウェルカムクリスマスの街並みが過ぎていく。
おもちゃ箱か、宝石箱か、それとも混合か。
目抜き通りから、小さな路地まで
とにかく少しも悲壮感のないワクワクした波動に溢れていました。
あらゆる喜びと祝福に包まれている。
今年の終わりを嘆くより新しい年を迎え喜ぶような、年末年始の街。
子どもの頃は、この風景も今の時代よりは地味だったけど、それでもワクワクした波動はあの頃となにも変わらない。
だけど。あの頃は、自分の誕生日がクリスマスで、
クリスマスのお祝いムードは、逆に言えば、
自分はお祝いされずに、
よそばかりチヤホヤお祝いムードで、
よけいに虚しくなった。
だけど。。
さっき、ヒカルちゃんが、サンタクロースよりクライドさんの方がいいなぁって。
ジワリと、クライド・フォレスター氏は、涙がとまりません。
ヤクザで行方不明の自分の馬鹿息子すら
あんな暖かい言葉は。。。なかった。
しかし。。、クライド・フォレスター氏の心は。。
さて。音鳴り町のある家で。。
「あっ。。。あなた、」新聞を旦那さんに持ってきたモルモットのおばあさんは、
新聞を何気なく、老眼鏡なしでどこまで読めるか。。、なんてチラチラと。読む癖がありましたが、
白猫のおじいさんに、目が悪くなるからきちんと老眼鏡をかけなさい、と叱られました。しかし、今朝は、あらっ、
音鳴り町のクリスマスパレードで。。って、昨日可愛いサンタクロース達が、パステルカラーの袋を持ってうちにやってきたから、
昨日のクリスマスパレードでは、
おじいさんとおばあさんは、お庭用の小さな品のいい白いパラソルをプレゼントしました。
今日のお茶には、子ども達からの御礼のマフィンを夫婦で食べようと言っていたのですが、
クリスマスパレードで、という見出しについつい、、、あっ、
なにがあったのかしら?
と、心配になりました。
おばあさんは、新聞をおじいさんに渡す前に見出しにクリスマスパレードと書かれていて、
わざわざ老眼鏡を持ってきました。
えーっと?クリスマスパレードで、、
王様のもみの木公園で、人骨発見
発見したのは、
小型犬の低学年児童達で、土を掘りふざけて落とし穴を掘り、、、
まあっ、かわいそうに、ワンちゃん。。びっくりしたでしょうね。。、
えっ、
フォレスター一族のシルバーの女性ボタンを握りしめていた
「あ、あ、あなたっ、あなたっ。あなた見てこれ、」
モルモットのおばあさんは、昔老舗の仕立て屋さんで、見習いで働き
隣のお店のクリーニングの白猫のおじいさんのところにお嫁にきたのです。
「え」
「ほらほら、あの時。。。フォレスター一族の。。」
「あ、、でも、なんか。。ほら、カンチガイかもしれないだろ?」
おじいさんは、クリーニングの会社を息子達に任せ悠々自適な生活ですが、
仕立て屋の見習いのおばあさんとお付き合いしていた頃の事を思い出しました。
「念のため、警察署で話しましょうよ。カンチガイかもしれないですが。。。って、前置きして、ね、」
こんなことがありましたが、カンチガイかもしれませんが、、、とね。
「だけどなぁ。。。カンチガイならなぁ。」
引退はしましたが、会長ですし、
白ネコクリーニングの白猫のおじいさんは、お客商売ですので、なにかあり、ゴタゴタになるのがイヤなのでした。
しかも、
昔から、先代からの大事な
お得意様に関した問題です。
「あの頃で、私たちは、仲を深めたのよ。。カンチガイでもいいじゃない、お役に立てれば、、、ね、あなた、車出して。。」
おばあさんは言いました。
さて。
クライドさんが警察署に行くと、
ご足労をおかけいたしますと丁寧に挨拶をされました。
部屋に入ると、クライドさんより少し年上ぐらいのどこにでもいるような平凡な感じの
おじいさんがいました。
おじいさんは、榎本明治というそうです。
一切面識がないまったくの。
初対面です。
誰なんだろう。。クライド・フォレスター氏は、いぶかしく思いましたが、
「はじめまして。。。クライド・フォレスターです。警察署からお伺いしましたが、
弟のヒカルについてですが、なにかご存知だと。、」
榎本さんは、
「クライド・フォレスターさんですね、新聞で退院なさいましたと、ご回復おめでとうございます。」
「ありがとうございます。おかげさま、憎まれっ子世にはばかる、ですな。」
「クライドさん、、、私は昔、私立探偵をやっておりました。
それで、あなたのお母様のイライザさんから、セントラル美術大学のヒカルさんの素行調査を依頼されたのです。」
「えっ、母がですか?」
「はい、、、依頼者の方のプライバシーもありますので、マスコミで、クライド・フォレスター氏が
弟さんの行方を捜していると聞いて、なにか手がかりをと。。。それで。。プライバシーもあるしと、本当に迷ったのですが、、困っておいでですし。。。
イライザ・フォレスター様は、もう、お亡くなりになってますし。。」
確かに。、イライザは、クライド・フォレスター氏の父親のジェイさんとともに心中しています。
そのとき、西園寺玲泉さんもやってきて、お辞儀して部屋に入ってきました。
女性刑事が、「白ネコさんちも、この事件でのご用事みたいです、」
シロネコクリーニングは、この地域では有名な老舗のクリーニング店で警察署も、クライド・フォレスターさんも、昔からフォレスター一族も
おなじみのお客でした。
クライド・フォレスターさんも、
フォレスター一族に昔からシロネコクリーニングが出入りしていたし、
たまに使用人が不在の時に、自分でもクリーニングの受け取りをするので、
ご主人や、奥さんを知ってはいました。
なにか。。あるのか、シロネコクリーニングのご主人まで。。
そのとき。。
クライド・フォレスター氏と、西園寺玲泉さんの出した、DNAのサンプルが、人骨のDNAの型と一致しました。
親子兄弟の可能性が高いです。
2019年05月15日
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